本作は、2012年当時に海外マニアが製作した映像コンピレーション。内容は大きく3種類に分かれていますので、それぞれ個別にご紹介していきましょう。 【70年代プロモ・クリップ(3曲)】まず登場するのは、70年代当時のビデオ・クリップ。ファンにはお馴染みの映像ではありますが、マニアが選定した極上クオリティで「Nothing To Lose」「In The Dead Of Night」「Rendezvous 6:02」の3曲が楽しめます。本作はあくまで“トリオU.K.”をポイントにしておりますが、ここの「In The Dead Of Night」のみ『憂国の四士』時代です(なぜ入れたんでしょう?)。さすがにクリップだけあって美麗で、“英国プログレ最後の希望”として輝いていた時代の彼らを目撃できます。 【1979年“OLD GREY WHISTLE TEST”出演(2曲)】続くのも70年代のプロショット。BBCの名物番組“OLD GREY WHISTLE TEST”に出演した際の「Night After Night」「Caesar's Palace Blues」が楽しめます。画質面では冒頭のクリップに比べると格落ち感は否めないものの、貴重度は遙かに上。何より、マイムではない70年代の生演奏を動く映像で見られる醍醐味は何物にも代えられません。 【2012年5月11日モントリオール公演(6曲)】最後にして本作のメインとなるのが奇跡のトリオ再結成ステージ映像。「2012年5月11日モントリオール公演」のオーディエンス・ショットです。2CDの4日後(解説掲載の日程で言うところの「北米#1」8公演目)にあたるショウで、オーディエンスとは言ってもそこは2012年。上記したプロショット群より遙かに美しい! ステージ右側から撮影されているのですが、会場が狭いこともあってか猛烈に近い。ほぼ最前列(もしかしたら2列目)という距離感はズームなどせずとも超ドアップの連続で、もちろん画質はバリバリ・ギラッギラのデジタル全開。8年前の映像ではあるものの、仮に2020年であろうともそうそうお目にかかれない超美麗映像です。音声はあまりに近いせいかドラムのアタックが少々ビビリ気味ではあるものの、その分距離感ゼロのダイレクト感は絶大です。その映像美で描かれるのは、まさに本編プレス2CDの“向こう側”を想起させ、あの来日公演の記憶も鮮やかに甦る。フル収録ではなく6曲分のダイジェスト映像ではあるのですが、撮影者はトリオ再編の意義を正確に理解しており、ポジオのカットがたっぷり。ヴォーカルパートではウェットンが主役ではあるものの、インストパートでは猛烈な勢いで叩きまくるポジオの姿をドアップで楽しめます。しかも、演奏が良い。ツアー初期には破綻しかねないショウも多かったわけですが、本作ではビシッと固まってきており、パワフルでドラマティックなアンサンブルはそれこそ来日公演ばり。約40分ながら奇跡の再結成をじっくりと体験できるのです。貴重な70年代のプロショット+再編ステージの密着ショット。英国プログレきってのトリオを約1時間に渡り極上クオリティで目撃できる映像集です。 UK - NIGHT AFTER NIGHT 1979-2012 1. Nothing To Lose(Promo) 2. In The Dead Of Night(Promo) 3. Rendezvous 6:02(Promo) 4. Night After Night (OGWT 1979) 5. Caesar's Palace Blues(OGWT 1979) Live at The Gesu Amphitheatre, Montreal, Canada 11th May 2012 6. Alaska 7. Night After Night 8. Eddie Jobson MC 9. Carrying No Cross 10. Presto Vivace 11. In The Dead Of Night 12. The Only Thing She Needs John Wetton - Bass, Vocal Eddie Jobson - Keyboards, Electric Violin Terry Bozzio - Drums, Percussion COLOUR NTSC Approx.61min.