遺作アルバム『HYPNOTIC EYE』を全米No.1に送り込んだ2014年のトム・ペティ。その超極上映像がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「2014年9月6日アリントン公演」。当代きってのジャムバンドが集う音楽祭“LOCKN' FESTIVAL”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。このフェスは別名“INTERLOCKEN MUSIC FESTIVAL”とも言われ、2013年にスタート。現在ではアリントンの名物フェスとして定着しています。その第2回である2014年編には35組が参加。トムは全4日間のうち、3日目のトリとして出演しました。また、トム自身の側から見るとこのショウは“HYPNOTIC EYE TOUR”の一環でもあった。同じツアーからはファンクラブ限定ライヴアルバム『LIVE AT FENWAY PARK 2014』も残されていますので、まずは併せて当時のスケジュールから振り返ってみましょう。2014年《7月28日『HYPNOTIC EYE』発売》・7月31日-8月31日:北米#1(17公演)←※公式 ・9月6日-10月11日:北米#2(21公演)←★ココ★ 2015年・12月19日:ウェストハリウッド公演これは2014年/2015年のトム・ペティ。ツアーとは言っても2017年の40周年よりも小規模で、アルバム発売直後に約2ヶ月半ほど北米を回ったのみ。公式の『LIVE AT FENWAY PARK 2014』は“8月30日”なので「北米#1」の最終盤でしたが、本作のアリントン公演はその直後。1週間弱の休みを挟んだ「北米#2」の初日でした。そんなショウを記録した本作は、まさに「超」の付く極上のマルチカメラ・プロショット。それもそのはず、6年前のショウではありますが、公開されたのは今年5月。新型コロナ・パンデミックによる世界的な項どうせ弦を乗り越えるためにネット配信された最新プロショットなのです。しかも、本作はその最高峰。実のところ、この映像自体は某有名動画サイトでも見られるのですが、本作はそれとは別マスター。動画サイト版は映像が止まったり、画質が今いちだったりしますが、本作にはそうした欠点が一切なのです。正直なところ、先ほどから「完全オフィシャル級」と書きたくてウズウズしているのですが、実は書けない。音声も映像もクオリティ的には問答無用に公式作品級なのですが、唯一違うのはファンの姿も映るところ。前述のように、この映像は自宅から外出できないファンのために公開されたもの。大部分はトムのライヴだけなのですが、ところどころでライヴを楽しむファンの自室映像もワイプや画面分割で挿入されるのです。今、観る分にはファンの姿は共感できますし、恐らく将来にわたっても”2020年にしかあり得ない貴重バージョン”として愛されるでしょう。しかし、“作品感”という意味では今イチ。そこで、完全オフィシャル級クオリティでありながら“今を楽しむ”ためのタイトルとなったわけです。そんなクオリティで描かれるのは、『LIVE AT FENWAY PARK 2014』を遙かに超えて1時間44分に及ぶフルショウ。ここでは公式ライヴアルバムと比較しながら整理してみましょう。・アメリカン・ガール:American Girl ・破壊:Refugee(★)・ハード・プロミス:A Woman in Love (It's Not Me)・サザン・アクセンツ:Rebels(★)・フル・ムーン・フィーヴァー:I Won't Back Down(★)/Free Fallin'(★)/Yer So Bad(★)/Runnin' Down A Dream(★)・イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン:Into The Great Wide Open(★)/Learning To Fly(★)・グレイテスト・ヒッツ:Mary Jane's Last Dance・ワイルドフラワーズ:You Wreck Me・モジョ:I Should Have Known It(★)・ヒプノティック・アイ:American Dream Plan B/Forgotten Man/U Get Me High/Shadow People ・その他:So You Want To Be A Rock'n'Roll Star ※注:「★」印は『LIVE AT FENWAY PARK 2014』でも聴けない曲。……と、このようになっています。分かりやすくするために付けたはずの「★」印も多すぎて分かりづらいくらいの曲数ボリューム。9曲入りだった『LIVE AT FENWAY PARK 2014』の約2倍をたっぷりと楽しめる。しかも、70年代からキャリアを俯瞰した幅広さでありつつ、全米1位に輝いていた『HYPNOTIC EYE』も4曲としっかりと披露してくれるのです。40周年ツアーとは異なり、現在進行形のショウを披露してくれた2014年のトム・ペティ。その姿を超極上マルチカメラ・プロショットで楽しめる1枚です。某動画サイトを遙かに凌駕する最高峰盤マスターで存分にお楽しみください。 Oak Ridge Estate, Arrington, VA, USA 6th September 2014 PRO-SHOT (104:08) 1. So You Want To Be A Rock 'n' Roll Star 2. Mary Jane's Last Dance 3. American Dream Plan B 4. Into The Great Wide Open 5. Forgotten Man 6. I Won´t Back Down 7. Free falling 8. Band Introductions 9. A Woman In Love (It's Not Me) 10. U Get Me High 11. Rebels 12. Yer so Bad 13. Learning To Fly 14. Shadow People 15. I Should Have Known It 16. Refugee 17. Running Down A Dream 18. You Wreck Me 19. American Girl Tom Petty - Vocal, Guitar, Harmonica Mike Campbell - Guitar Benmont Tench - Keyboards, Vocal Ron Blair - Bass, Vocal Scott Thurston - Guitar, Vocal Steve Ferrone - Drums PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.104min.