伝説的な初来日も実現させた1983年のPiL。あの時代を代表する大定番映像がリリース決定です。そんな大定番が撮影されたのは「1983年10月31日ボーフム」。西ドイツの名物番組“ROCKPALAST”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。1983年と言えば、初来日の前にキース・レヴィンが離脱したターニング・ポイントの年。そんな中で本作はいかなるポジションになるのか、当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・1月29日:ブルックリン公演・3月4日:フィラデルフィア公演・3月26日-4月4日:北米(5公演)・6月10日:ロサンゼルス公演・6月21日-7月5日:初来日(9公演) 《8月『LIVE IN TOKYO』発売》・10月28日-12月13日:欧州(29公演)←★ココ★ これが1983年のPiL。当時の記録は曖昧なところも多く、上記の日程も公演数など細部は不確定。キース離脱のタイミングも判然としないものの、来日前ですので晩春から初夏にかけてと思われます。そんな日本公演を経た彼らは、ヨーロッパ・ツアーで本格運転を開始。本作のボーフム公演は、そんな「欧州」レッグの2公演目にあたるステージでした。そんなショウで撮影された本作は、まさにオフィシャル級の極上品。何しろ、“ROCKPALAST”と言えばさまざまなバンド/アーティストで歴史的な名作映像を量産し、英国“THE OLD GREY WHISTLE TEST”や米国“DON KIRSHNER'S ROCK CONCERT”にも並ぶ名番組中の名番組。後年になって多くのバンドが実際に公式化することも珍しくないなど、準オフィシャルな位置づけになっています。それだけに、本作も下手なオフィシャル映像よりも美しく完璧に作り込まれたマルチカメラ・プロショットなのです。その映像美で描かれるのは、あの『LIVE IN TOKYO』も想起される熱演。初来日も映像作品『日本’83』になっていたりしますが、あれはわずか7曲。本作はそこでも観られないレパートリーがたっぷりなのです。ここで非お隠しながら本作のセットを整理してみましょう。 パブリック・イメージ(4曲)・Public Image/Annalisa/Religion/Low Life ジス・イズ・ホワット・ユー・ウォント(3曲)・Solitaire(★)/This Is Not A Love Song/Bad Life(★)その他(4曲)・メタル・ボックス:Memories(★)・フラワーズ・オブ・ロマンス:Flowers of Romance/ Under The House(★)・勝手にしやがれ!!:Anarchy in the U.K.(★)※注:「★」印は公式映像『日本’83』では観られない曲。……と、このようになっています。ライヴアルバム『LIVE IN TOKYO』は映像版『日本’83』より長かったわけですが、それでも聴けなかった「Public Image」「Memories」「Anarchy in the U.K.」も公式クオリティで楽しめる。特に「Anarchy in the U.K.」はやはり美味しい。彼らは決してピストルズの代用品などではないわけですが、まだ20代だったライドンの声で歌われるレジェンドな超名曲に熱くならないわけがないのです。約1時間の本番ステージに加え、さらに約40分にも及ぶ当日の超リアルなリハーサル(局ロゴがあるところを見ると、このシーンも放送したんでしょうか。なんて渋い……)やインタビューもボーナス収録した決定的な映像作品です。画面の隅々から「1983年」が吹き出す準オフィシャルの銘品。 Zeche Bochum, Bochum, Germany 31st October 1983 PRO-SHOT (99:43) 1. Intro 2. Public Image 3. Annalisa 4. Religion 5. Memories 6. Flowers Of Romance 7. Solitaire 8. Chant 9. Anarchy In The U.K. 10. This Is Not A Love Song 11. Low Life 12. Under The House 13. Bad Life 14. Public Image Bonus Tracks 15. Soundcheck 16. Interview with John Lydon