全米No.1ヒットを絶え間なく繰り出し、一大全盛の真っ直中にいた1978年のEARTH, WIND & FIRE。その勇姿を目撃できる貴重なマルチカメラ・プロショットがリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは……と、いつもなら続けるところですが、実は本作に関しては不明。ただし、1978年の“ALL 'N ALL TOUR”の一幕という事は判明しており、マニアでは通称「IN CONCERT 1978」として親しまれているプロショットです(公式DVDにも『IN CONCERT』がありますが、あちらは1981年の映像。本作とはまったくの別物です)。ともあれ、詳細不明とは言ってもこれだけ分かっていれば、ポジションのイメージはできるもの。まずは1978年のスケジュールを振り返り、当時の状況を俯瞰してみましょう。・1月3日-2月24日:北米(31公演) ←★ココ★《7月14日シングル『Got to Get You into My Life』発売》《9月4日-16日『I AM』制作(発売は翌年)》《11月18日シングル『September』発売》 《11月28日『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE, VOL.1』発売》 これが1978年のEW&F。シングル『Got to Get You into My Life』『September』が次々とチャートを席巻し、『THE BEST OF EARTH, WIND & FIRE, VOL.1』も天文学的な大ヒット。黒人人気を遙かに超えた次元へと駆け上がろうとしていたのがよく分かります。ただし、本作はそんな狂乱の寸前。“ALL 'N ALL TOUR”の1978年編は1月-2月にしかなく、本作もそのどこかで撮影されたと思われます。そんな本作のクオリティはヴィンテージ感も漂う映像美。赤みがかった画面は「完全オフィシャル級!」と喧伝するわけにはいかないものの、ノイズもほとんどない艶やかさと安定感はバツグン。激しいアクションを完璧に押さえるどころか、さらにド派手に彩るスイッチングも強烈なマルチカメラ・プロショットです。そのクオリティ以上となる最大のポイントは、特濃にも程がある濃ゆーい内容。実のところ、全4曲・約30分という短さなのですが、その押さえ所が凄い。何しろ、「Fantasy」「Serpentine Fire」は『ALL 'N ALL』を象徴する大代表曲ですし、「Jupiter」では円筒が降りてくるスペーシーは登場シーンが炸裂。ヴァーダイン・ホワイトが空中に寝そべるベースソロも見られれば、最大のハイライトとなる「Getaway」のピラミッドも目撃できるのです。まさに「必見シーン全部」。しかも、シーンのつまみ食いではなく1曲1曲はじっくりフルで観られるため、ありがちなツギハギ感がなく、まるでハイラトを全部ネタ晴らしする30分のミニコンサートかのような濃度なのです。伝説の初来日でもセンセーションを巻き起こした仕掛けや演出も完成していた1978年のステージ。そのエッセンスが30分間に駆け抜ける超・特濃プロショットの秘宝です。もちろん、フルショウが観られる事に超したことはありませんが、もし「EW&F最高の瞬間を30分にまとめろ」と言われたら本作のように編集するしかない。一瞬たりとも目が離せないジェット・コースターのようにド派手な映像体験。 (28:47) 1. Opening (In The Market Place) 2. Jupiter*リーダー 3. Fantasy 4. Bass Solo 5. Gateway*ピラミッド 6. Serpentine Fire* PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.29min. Maurice White - vocals, drums, kalimba Verdine White - bass Philip Bailey - vocals, congas, percussion Larry Dunn - keyboards Al McKay - guitars, percussion Johnny Graham - guitars, percussion Roland Bautista - guitar Andrew Woolfolk - saxophones, flute, percussion Ralph Johnson - drums, voca(メーカーインフォによる)