GENESIS加入前のフィル・コリンズがプロデビューを果たした幻の名バンド、FLAMING YOUTH。新発掘込みで貴重すぎる映像を網羅した決定盤が登場です。英国プログレは成功に至らず消えていった名バンド/名盤に事欠かず、そのディープな魅力に人生を狂わせられたマニアも数多い。FLAMING YOUTHもまた、そんな深い深い世界のキラ星でした。何より、このバンドを特別にしているのは、フィル・コリンズを送り出したデビュー・バンドという事実。しかもフィルだけではなく、JACKSON HEIGHTS(元THE NICEリー・ジャクソンのバンド)に参加するブライアン・チャットンや、ピーター・バンクスと共演(ZOX & THE RADAR BOYS)することになるロニー・キャリルも輩出。GENESIS、EL&P、YESといった超大物バンドのファミリー・トゥリーに度々現れてはマニア達の好奇心を掻き立てる存在でした。そんな彼らの“手がかり”と言えば1枚だけ残されたコンセプトアルバムの名盤『ARK 2』ですが、本作はその映像版と言っても過言ではないマルチカメラ・プロショット集なのです。そんな本作に収められている映像は3種。これまで唯一の映像とされてきたオランダの放送局TROS HILVERSUMによる「1970年5月14日“JAM”」に加え、最近になって発掘されたフランス放送「1970年2月26日“DE BRIGHTON A JUPITER”」、西ドイツ放送の「1970年12月24日“START INS WELTALL MIT: ARCHE II”」をコンパイルした約62分の映像作品です。それでは、それぞれ個別にご紹介していきましょう。 【1970年2月26日:DE BRIGHTON A JUPITER(4曲・約14分)】最初に登場するのは、フランスの放送局ORTF PARISで放送された特番“DE BRIGHTON A JUPITER”。ライヴではなくスタジオ・セッションで、音声はアルバム『ARK 2』をシンクロさせたマイム物です。何よりも衝撃なのは、これまで知られてきたオランダ放送と違ってフルカラーなこと。画質的にはヴィンテージなフィルム感があるものの、マスター鮮度は素晴らしく、ノイズもヨレもなく艶やか。実のところ、どの曲も完全演奏ではなくフランス語のナレーションも被るのですが、当時19歳(!!)だったフィルが歌いながら叩きまくる姿も鮮やかカラーで楽しめます。 【1970年5月14日:JAM(5曲・約20分)】続いて登場するのは、これまで唯一の映像とされてきたオランダの放送局TROS HILVERSUMの“JAM”。従来通りセピア的に配色されたモノクロ映像ですが、もちろんベスト・マスター。ノイズも劣化も見られない映像美で月面映像等の70年代らしい趣向やマイムながら貴重なパフォーマンスが楽しめます。 【1970年12月24日:START INS WELTALL MIT: ARCHE II(5曲・約28分)】最後が最長・最美麗の衝撃映像! 西ドイツ局WDR KOLNによる“START INS WELTALL MIT”。上記の「12月24日」は放送日で、収録日は不明。FLAMING YOUTHはフィルのGENESIS加入をもって解散となるわけで、そのタイミングは「1970年8月」。収録がいつだったにせよ、放送されたときにバンドは存在しませんでした。そして、何が衝撃かと言ったら映像美。上記2種は美しいとは言ってもヴィンテージ感のある発掘フィルム映像でしたが、こちらは次元の違う大元マスター。揺れるブロンドの1本も衣装に輝くラメ1粒も超美麗で、発色も原色バリバリの超ビビッド・カラー。もちろん、リマスターで無理矢理引き上げたような不自然感もなく、デジタル大全盛の現代の眼で見ても完全オフィシャル級のプロショットなのです。その映像美で描かれる内容も凄い。上記と同じくスタジオ・テイクにシンクロさせたマイムだと思われますが、映像演出が凝りっ凝り。さまざまな資料映像やエキストラのダンスシーンも組み合わされていますが、演奏カットも秀逸。巨大な円周鍵盤に囲まれながら引いたり、ミラー仕様のピックガードの中に映し込まれたり。当然の事ながらCGも見慣れた現代の眼には時代がかった映像加工ばかりですが、だからこそ猛烈に漂うレトロな薫りが異次元感たっぷり。実際、アルバム『ARK 2』から「Mercury」「Uranus」「From Now On (Immortal Invisible)」以外の全曲が披露され、70年代の技術全開で制作された約30分に及ぶビデオ・クリップかのよう。現在ではコンセプトアルバムの映像化も珍しくありませんが、この映像はその先駆けと言っても良い。なぜFLAMING YOUTHでこれほど凝った映像が(それも30分も)制作されたのか。ちょっと不思議になるほど完成度の高い「目で観るコンセプトアルバム」なのです。ファミリー・トゥリーに名前だけ見かけていた幻バンド、FLAMING YOUTH。その動く姿を一大集成した映像傑作です。単にGENESISファン向けの資料映像という次元を遙かに超え、コンセプトアルバムの歴史さえ塗り替えるかも知れない1枚。ぜひ、じっくりと正対していただきたい衝撃作です。フィル・コリンズがデビュー・バンドFLAMING YOUTHのマルチカメラ・プロショット集。フランス放送「1970年2月26日:DE BRIGHTON A JUPITER」、オランダ放送「5月14日:JAM」、西ドイツ放送「12月24日:START INS WELTALL MIT: ARCHE II」をベスト・マスターでコンパイルしており、特に凄いのは“START INS WELTALL MIT”。揺れるブロンドの1本も衣装に輝くラメ1粒も超美麗なら発色も原色バリバリでデジタル基準の現代の眼でも完全オフィシャル級。しかも特撮を駆使した演出はコンセプトアルバム『ARK 2』の映像版と言っても過言ではない。GENESISファン向けの資料映像という次元を遙かに超え、コンセプト作の歴史さえ塗り替えかねない映像傑作です。(62:26) A LAFFICHE DU MONDE : DE BRIGHTON A JUPITER ORTF PARIS Broadcast on 26th February 1970 1. Guide Me Orion 2. Earthglow 3. Weightless 4. The Planets (Mars - Bringer Of War) (Jupiter - Bringer OF Jollity) (Mercury - The Winged Messenger) (Jupiter - Bringer OF Jollity) (Saturn - Bringer Of Old Age) (Urbanus - The Magician) JAM : FLAMING YOUTH TROS HILVERSUM Broadcast on 14th May 19705. Earthglow 6. Weightless 7. Changes 8. Space Child 9. From Now On (Immortal Invisible) START INS WELTALL MIT : ARCHE II WDR KOLN, WEST GERMANY Broadcast on 24th December 1970 10. Earthglow 11. Guide Me Orion 12. Weightless 13. The Planets (Mars-Bringer Of War) (Jupiter-Bringer OF Jollity) 14. Changes 15. The Planets (Venus - Bringer Of Peace) (Saturn - Bringer Of Old Age) 16. In The Light Of Love 17. Pulsar 18. The Planets (Neptune - The Mystic) 19. Weightless (End Credit) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.62min. Gordon Smith - Guitar, Bass, Vocals Ronnie Caryl - Guitar, Bass, Vocals Brian Chatton - Keyboards, Vocals Phil Collins - Drums, Vocals