1987年東京公演の日にテレビ収録が行われた訳ですが、これは当時週末の深夜に放送されていたライブ番組からのもので、40分ほどの放送枠ということでどうしても完全版から程遠い内容になってしまう(1988年のロン・ウッドとボ・ディドリーの来日公演も同じ番組からのものでした)点は致し方ないのですが、こうして映像で見られる87年の来日公演のステージはやはり素晴らしいものです。今回のギフトである83年のステージと見比べるとその違いは一目瞭然なのですが、ドラマーはリヴォン一人、リックはベースに専念という構成に加え、ロビーをリスペクトしたキレのいいプレイを聴かせるジム・ウィーダーが(短い間ではありましたが)ザ・バンドらしさを取り戻していたことが解ります。いたずらにステージ上の 人数が多かった83年のことを考えると、リックやリヴォンが本来のポジションに徹している点は段違いに説得力があります。さらにUp on Cripple Creekでは前座を務めたヨーマ・カウコネンが登場してリード・ギターを弾いている姿も見られます。そして映像の最後ではいかにもバブリーな時代ならではの女性アナによるインタビューをメンバーが受けるという、今見ると何とも微笑ましい場面も登場するレア映像と言えるでしょう。それにしても今回の音源のリリースによって、番組自体はこの公演の魅力をほとんど伝えていない、当たり障りのない選曲でまとめられていたことを痛感する映像でもありました。本盤は、既発盤と違い、音声がステレオで収録されており、既発ではトラッキング・ノイズで見づらかった箇所も問題なく収録されている、お薦めの一枚です。オリ ジナル・メニュー付。 Live at Shibuya Kokaido, Tokyo, Japan 25th February 1987 PRO-SHOT 1. CC Rider 2. It Makes No Difference 3. The Weight 4. Stage Fright 5. Evangeline 6. Ophelia 7. Up On Cripple Creek 8. Interview Levon Helm - Vocals, Drums, Mandolin Rick Danko - Vocals, Bass, Acoustic Guitar Garth Hudson - Keyboards, Saxophone, Accordion Jim Weider - Guitar Fred Carter Jr. - Vocals, Guitar Jorma Kaukonen - Guitar (special guest on “Up On Cripple Creek”) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.39min.