生涯最大のヒット作「STILL GOT THE BLUES」リリース直後のオフィシャル映像が史上最高クオリティで蘇りました! 本作は、1990年に“GARY MOORE WITH THE MIDNIGHT BLUES BAND”名義でリリースされたオフィシャル映像「AN EVENING OF THE BLUES」の日本盤レーザーディスクをDVD化したもの。ヨーロッパのオリジナルリリースはVHSのみで、レーザーディスクは日本でのみリリースされました。今までも日本盤レーザー・ディスクから数多くの作品をDVD化して参りましたが、本作もまた同じ。国内のコアコレクターが秘蔵していた新品同様の日本盤レーザーディスクを海外メーカーに託し、プロユースの機材で極上クオリティでDVD化。可能な限りのあらゆる手段を講じて、最上級クオリティを実現しました。実際、本作のクオリティはまさに史上最高。今までの日本盤レーザーディスク復刻シリーズで証明し、ご愛顧を受けてきた通り、一瞬の歪みも再生ムラも存在しない画質・音質で38歳の脂の乗りきったゲイリー・ムーアがたっぷりと味わえるのです。そんな本作が収録されたのは「1990年5月10日・11日ハマースミス・オデオン公演」。この年の3月に「STILL GOT THE BLUES」をリリースしたばかりのゲイリーは、ビッグバンド“MIDNIGHT BLUES BAND”を率いてツアーを開始。本作は、その8・9公演目にあたる。1990年というともう1つのオフィシャル映像「LIVE AT MONTREUX 1990」もありますが、本作はそれより2ヶ月ほど前であり、晩年まで20年にわたってブルース道を突き進んだゲイリーの最初期パフォーマンスなのです。そのブルース最初期のゲイリーは、まだまだロック色もたっぷり。例えば「All Your Love」はスタイルこそブルースですが、後の演奏よりもシャープなビートとギターは、まさにロックのそれです。また、本作は曲間にインタビューコメントが挿入される作り(日本語字幕付き)なのですが、そこでも“ロック・ミュージシャン”の自意識が見え隠れする。例えば、ブルースの自由さを語る傍ら、「最近のギタリストは学校に通ってロックを教わってるが、こっちは学校から離れるためにロックをやってるのに」と、まだまだ“ロック野郎”のつもりなのが嬉しくなってしまいます。このコメントは、曲間のわずかなものなのですが、その一言一言の内容がやたら濃く、本作の大事なポイントでもある。ゲスト参加しているアルバート・キング、アルバート・コリンズの両巨頭も語っており、A・コリンズは「熱いヤツさ、ロックブルースってヤツだね。ゲイリーは上手くミックスしてる」、A・キングは「よくいるギターブルースにあこがれてるガキかと思ってた。でも弾き始めるとどんどん良くなる。こっちも真剣に耳を傾けたよ」とゲイリーに賛辞を惜しまない。もちろん、単なる社交辞令にも聞こえますが、その一方で「でもあの大音量はダメだな。もっと人が聴いて楽しめるような音でフレーズを無駄遣いしないことだ。聴いてる人に“もっと、もっと”と思わせなくちゃ」とダメ出しするところに本気さもうかがえるのです。さらには、ブルースファンにも興味深いコメントも目白押し。2人のアルバートの最初の出会いや、互いをどう思っているのかなど、ゲイリー以外のブルースファンにも目が眩むような貴重証言が飛び出すのです。また、A・コリンズは自身のキャリアを振り返り「1969年にウェストコーストに行き、すべてが変わった。ロックとの出会いだ。グランドファンクレイルロード、スリードッグスナイト……そこからいろいろ吸収して自分のスタイルを変えていったんだ」と語る。1969年のA・コリンズと言えば、インペリアル・レーベルと出会い、復活に向けて動き出した時代。1978年の大復活アルバム「ICE PICKIN’」で一世を風靡した凶暴・凶悪サウンドの原点にはロックの影も潜んでいた……それを本人の口から聞くとは。そんなA・コリンズ、そしてファンク導入でブルースを進化させていったA・キングだからこそ、ゲイリー・ムーアのブルースに対しても柔軟に受け入れられたのでしょう。そして、その両巨頭とゲイリーの共演も見どころ。A・コリンズとは「Too Tired」「Farther On Up The Road」、A・キングとは「Stormy Monday」、3人そろっての「Caldonia」です。「LIVE AT MONTREUX 1990」では観られないA・キングとの「Stormy Monday」「Caldonia」が美味しいところですが、やはり圧倒的に目を惹くのはA・コリンズとの掛け合いバトル。歪みギターの本家本元ギター・スリムの直系でもあるA・コリンズと、歪みブルースの最先端であるゲイリー。ともにワイルドで名を成した新旧ギターヒーローの掛け合い。ゲイリー・ファンならずとも、ギター・ファン、ブルース・ファンの魂にゾクゾクくるシーンです。本作で「(ブルースへのアプローチは)確かにファンが離れる心配はあったが、皮肉にも俺のベスト・セラーになりそうだ」と語るゲイリー。A・キングのアドバイス「ハンパはダメだ」もあったせいか、ここから一層深くブルース道へ踏みだし、彼の最後の20年を捧げました。まさに本作は、ゲーリーの音楽人生をかけた岐路。そして、新たなる道を見出した38歳の漢の喜びに溢れたライヴ映像なのです。なぜ、彼がブルースに傾倒していったのか。ロックを離れても連綿と息づいていたものは何なのか。そんなことにまで気づかされるオフィシャル映像、その史上最高バージョンです。彼のギターを、音楽を愛する総ての方に観ていただきたい1本 Featuring Albert King and Albert Collins Live at Hammersmith Odeon, London, UK 10th & 11th May 1990 1. Introduction 2. Oh Pretty Woman 3. Walking By Myself 4. All Your Love 5. Still Got The Blues 6. Too Tired (with Albert Collins) 7. Farther On Up The Road (with Albert Collins) 8. Texas Strut 9. Moving On 10. Midnight Blues 11. King Of The Blues 12. Stormy Monday (with Albert King) 13. Caldonia (with Albert Collins & Albert King) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 73min. GARY MOORE: Guitar / Vocals DON AIREY: Keyboards ANDY PYLE: Bass GRAHAM WALKER: Drums FRANK MEAD: Saxophone / Harmonica NICK PAYN: Saxophone NICK PENTELOW: Saxophone MARTIN DROVER: Trumpet