ジョン・サイクスを中心に亡きフィル・ライノットのレガシーを語り継いでいた1999年の再結成THIN LIZZY。唯一作『ONE NIGHT ONLY』の映像版とも言うべき傑作ショットが登場です。そんな本作が撮影されたのは「1999年12月16日ヘルシンキ公演」。その超・絶景オーディエンス・ショットです。現在もBLACK STAR RIDERSと平行しながら(散発的に)活動しているTHIN LIZZYですが、サイクスが主導していたのは1994年から2009年まで。良い機会でもありますので、その16年間の活動規模を振り返り、ショウのポジションも確かめてみましょう。・1994年(日本8公演)・1995年(英国1公演)・1996年(英国3公演) ・1997年(米国4公演)・1998年(欧州8公演)・1999年(欧州24公演)←★ココ★・2000年(欧州37公演)・2001年(米国9公演)・2002年(ノルウェイ1公演+米国6公演)・2003年(欧州39公演+米国6公演)・2004年(欧州3公演+北米35公演)・2005年(英国6公演) ・2006年(欧州18公演+米国1公演)・2007年(欧州38公演)・2008年(欧州36公演)・2009年(欧州2公演) これが「サイクスLIZZY」の16年間。かなり不定期で1995年のように1回しかステージに立たない年もあれば、2003年/2004年のようにしっかりツアーしていた時期もある。そんな中で本作が撮影された1999年は欧州を中規模ツアーで巡っており、唯一の公式作『ONE NIGHT ONLY』も制作されました。『ONE NIGHT ONLY』の詳しい収録日は分かっていないものの、本作のヘルシンキ公演はツアーも最終盤の23公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、まさに「超」付きの絶景。会場後方からワンカメで撮影されているものの、その視点は不自然なほどに高く、1階アリーナ席の遙か頭上を素通りしてステージを直視。単に遮蔽物がないというだけでなく、メンバー達とほぼ同じ目線の高さなのです。そして、絶大な安定感。どうも会場設営ではないようですが、メンバー1人ひとりのウェストアップが画面いっぱいになるほど果敢なズームでもビシッとした画面は手ブレ防止機能のない時代とは思えない素晴らしさなのです。種別から言うと「オーディエンス・ショット」と呼ぶしかないのですが、その見応えはいわゆる客席撮影のものではない。むしろ、バンド関係者が資料用に撮影したのではないかとさえ思えてくる(実際の所は不明ですが)映像美なのです。そんな超絶景で描かれるのは、まさに「ONE NIGHT ONLYの映像版」となるフルショウ。公式ライヴアルバムはCD1枚に収めるためなのか約71分ほどでしたが、本作は一気の通し撮影で約92分。もちろん、公式ライヴ盤では聴けないレパートリーも披露してくれます。ここで比較しながら整理しておきましょう。・ナイトライフ:Still In Love With You・ファイティング!!:Suicide/Rosalie・脱獄:Jailbreak/Emerald(★)/Cowboy Song/The Boys Are Back In Town・サギ師ジョニー:Don't Believe A Word/Massacre(★)・バッド・レピュテイション:Bad Reputation ・ライヴ&デンジャラス:Are You Ready?・ブラックローズ:Waiting For An Alibi/Black Rose・サンダー&ライトニング:Cold Sweat/The Sun Goes Down ※注:「★」印は公式盤『ONE NIGHT ONLY』で聴けない曲。……と、このようになっています。スノーウィ・ホワイト時代を省略してはいるものの、ツイン時代の名曲を幅広く網羅した美味しいセット。マニアックな観点抜きで単に部屋で流しているだけでもTHIN LIZZYの「動くグレイテスト・ヒッツ」が楽しめるのです。そして、その名曲群を綴るパフォーマンスも熱い。スコット・ゴーハムは80年代を超える勢いで弾きまくり、際kすうとのコンビネーションも上達。トミー・アルドリッジのパワー・ドラミングはどうしてもTHIN LIZZYというよりはWHITESNAKEのような気がしてしまいますが(苦笑)、マルコ・メンドーザとの相性は非常に良い。本作の3年後には揃って再編WHITESNAKEにリクルートされるわけですが、それも納得の鉄壁ぶりです。再結成THIN LIZZYを抜け、ソロに戻るかと思ったら沈黙してしまったジョン・サイクス。そんな彼がまだ元気だった頃のフルショウをたっぷり楽しめる映像作品です。本来なら『ONE NIGHT ONLY』だけでなくプロショット映像作も残して欲しかったところですが、本作はその乾きを癒してくれる最高の1枚です。ジョン・サイクス中心の再編時代を特等席体験できる絶景映像。「1999年12月16日ヘルシンキ公演」のオーディエンス・ショットです。会場後方から1階アリーナ席の遙か頭上を素通りしてステージを直視。単に遮蔽物がないというだけでなく、メンバー達とほぼ同じ目線の高さが素晴らしく、ビシッとした安定感もまるで関係者が資料用に撮影したかのよう。公式ライヴアルバム『ONE NIGHT ONLY』と同じツアーながら公式版では聴けない「Emerald」「Massacre」も美味しいフルショウを目撃できます。Tavastia Club, Helsinki, Finland 16th December 1999 AMAZING-SHOT!!!!! 1. Intro 2. Jailbreak 3. Waiting For An Alibi 4. Don't Believe A Word 5. Cold Sweat 6. Emerald 7. The Sun Goes Down 8. Are You Ready? 9. Bad Reputation 10. Massacre 11. Still In Love With You 12. Cowboy Song 13. The Boys Are Back In Town 14. Suicide 15. Rosalie 16. Black Rose John Sykes - Guitar, Vocals Scott Gorham - Guitar, Vocals Marco Mendoza - Bass, Vocals Tommy Aldridge - Drums Darren Wharton - Keyboards, Vocals COLOUR NTSC Approx.92min.