『NO JACKET REQUIRED』の天文学的大ヒットでシーンの頂点に登り詰めた1985年のフィル・コリンズ。その一大全盛期を象徴する超名作映像がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1985年5月29日ダラス公演」のマルチカメラ・プロショット。そう、廃盤久しいオフィシャル映像の名作『NO TICKET REQUIRED』を精緻にDVD化した1枚です。大ヒット真っ最中の“The No Jacket Required World Tour”を象徴する映像作ながら、いまだに公式DVD化もされていない名作中の名作。まずは、その舞台となったツアー全景からショウのポジションを確かめてみましょう。・2月11日ー23日:英国(12公演) 《2月18日『NO JACKET REQUIRED』発売》・2月25日ー3月17日:欧州(18公演)・3月30日ー4月20日:豪州(14公演)・4月23日ー27日:日本(5公演)・5月12日ー7月2日:北米(41公演)←★ココ★・7月13日:LIVE AID(英米2公演) これが1985年のフィル・コリンズ。伝説的なソロ初来日やコンコルドで映像2会場を移動した“LIVE AID”での離れ業も思い出深いところですが、ツアーのメインはその合間に行われた「北米」レッグ。本作のダラス公演は、その15公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで撮影された本作は(当然の事ながら)完全オフィシャル級プロショット。当時リリースされた日本盤からデジタル化されているのですが、マスターの保存状態がズバ抜けていたらしく、艶やかな色彩には些かの経年劣化も見られず、白線ノイズはおろか、テープヨレも走行ムラもまるで感じられない。現代の超ビビッドなデジタル画質に慣れた眼にはエッジがやや甘めでふわっとした質感なのですが、これは画質云々の問題ではなく、80年代特有の美的センスでしょう。ライヴ映像と言うよりも、演奏シーンによるPV集をみているような完成度の高いリッチな映像美なのです。そのPV感覚を一層高めているのが、水も漏らさぬ鉄壁のアンサンブルと完璧にコントロールされた撮影。大歓声が遠く小さいせいもありますが、聞こえてくる演奏はスタジオ録音かのようにスキがない。しかも、その演奏を映し出す映像は1カット1カットがフォトセッションのように画になっており、それが曲想にピタッと沿ったスイッチングで切り替わっていく。よほど膨大なカット数から贅沢に編集されているのか、それとも入念にカメラリハサールを繰り返したのか。特に奇抜な演出や仕掛けはないのですが、美的センスと完成度を追い求めたゴージャス感がライヴ映像というよりはPV集のように感じられるのです。そんな極めつけクオリティさえ色あせてしまうのが、豪華絢爛のショウそのもの。とにかく、今をトキめくヒット曲が次から次へと絶え間なく繰り広げられるのです。コレに関しては論より証拠(?)。セットの整理で豪華ぶりを実感していただきましょう。HELLO, I MUST BE GOING!(4曲)・The West Side/Like China/You Can't Hurry Love/It Don't Matter To Me NO JACKET REQUIRED(5曲)・Only You Know And I Know/Who Said I Would/Sussudio/One More Night/Take Me Home その他(5曲)・FACE VALUE:Behind The Lines/In The Air Tonight/Hand In Hand・その他:Against All Odds (Take a Look at Me Now)/It's All Right……と、このようになっています。初期3枚から必殺の名曲群がズラリと並び、そこに「Like China」やTHE IMPRESSIONSのカバー「It's All Right」といった80年代だからこそのナンバーもスパイスを効かせる。全世界を魅了した栄光の“The No Jacket Required World Tour”が描かれていくのです。関係者が揃いも揃ってビッグ・ヒットを飛ばしまくっていた80年代のGENESISファミリー。その中でも最大の成功を収めていたフィル・コリンズの絶頂ツアーを目撃できる映像傑作です。これほどの作品が廃盤とは、もはやポピュラーミュージック全体の損失です。それほどまでの決定映像を最高峰クオリティでDVD化した1枚。Reunion Arena, Dallas, Texas, USA 29th May 1985 PRO-SHOT 1. Only You Know And I Know 2. Against All Odds 3. Who Said I Would 4. Sussudio 5. Behind The Lines 6. Westside 7. One More Night 8. In The Air Tonight 9. Band Introductions 10. Like China 11. You Can't Hurry Love 12. It Don't Matter To Me 13. Hand In Hand 14. Take Me Home 15. It's Alright 16. Droned Phil Collins - Vocals / Drums / Piano Daryl Stuermer - Guitar Leland Sklar - Bass Chester Thompson - Drums Peter Robinson - Keyboards Rhamlee Michael Davis - Trumpet Michael Harris - Trumpet Don Myrick - Saxophone Louis Satterfield - Trombone PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.90min.