極上ライヴアルバムだけでなく、映像編も大いに話題となっている2021年版“NO FILTER Tour”。その最新レポートがカップリング2枚組で登場です。本作に収められている映像は2種ですが、ショウは1回分。ツアー7公演目となる「2021年10月24日:ミネアポリス公演」のオーディエンス・ショットです。本作はワンカメながら個性と見応えの異なる2映像のセット。早速、それぞれ個別にご紹介していきましょう。【DISC 1:巨大スクリーンも見やすい超美麗映像】まず登場するDISC 1は、公開されたての最新映像。1階アリーナ・エリアでも左側から捉えたワンカメ・オーディエンスです。その凄みは何と言っても画質・音質。実のところ、「Street Fighting Man」冒頭の開演シーンが撮影漏れとなっており、一部曲中・曲間で微妙なカットが散見される。ぶっちゃけ不完全なのですが、それを押してもDISC 1に来たのは、そのクオリティのためです。とにかく超美麗。連発する映像作をご覧鳴っている方なら最新映像でも画質はピンキリだと実感されていると思いますが、この映像はピン。最新機材の威力を見せつけるようなキリッとした美しさ目に染みる映像美なのです。そして、その映像に負けていないサウンドも極上。ヴォーカルもコーラスも楽器の1つひとつも綺麗にセパレート。オンな芯も細やかなディテールも申し分なし。前述のように完全体ではないためにライヴアルバムとしてのリリースはあり得ないでしょうが、これでもし完全だったらプレスCDの最有力候補となったでしょう。そして、クオリティと同等以上に素晴らしいのが現場感。実は少々距離のあるポジションから撮影されているのですが、だからこそ巨大会場のスケール感が素晴らしく、身の回りで思い思いに楽しむファンの息づかいもリアル。さすがに演奏中は静かにしてくれます(そうでなかったらリリースは出来ません)が、曲間になると思い思いの喝采が飛び、ビールを掲げる手も見える。その楽しさが見ているこちら側にも伝わって来て、ワクワク感が書き立てられるのです。【DISC 2:カットなし/遮蔽物なし/ズレなしの絶景完全映像】代わってのDISC 2は「丸ごと感」が素晴らしい。DISC 1とは逆にステージ右寄りのスタンド席から見下ろし角度で見つめるオーディエンス・ショットです。こちらの旨みは、何と言っても超絶景&完全収録。DISC 1は冒頭から欠けがありましたが、こちらはしっかりチャーリーのトリビュート映像からスタートし、「Street Fighting Man」で開演するキックオフの瞬間も楽しめる。もちろん、その後も曲間などのカットもなく、フルショウを特等席からたっぷり楽しめるのです。そして、その特等席感を支えているのが絶景ぶり。DISC 1は観客に囲まれた体験感でしたが、こちらは一切の遮蔽物なくステージを一望。端から端まで、見たい場所を見放題な独り占め系映像なのです。もちろん、ズームでの直視では限界があるものの、それを相殺して余りあるのが現場にそびえ立つ巨大なスクリーン。そこに映し出されるのはプロが撮影しているマルチカメラ映像であり、見応え十分。もちろん、ステージを直視する光景と完全シンクロしており、まさに「今、現場でショウを観ている」という気分にさせてくれるのです。しかも、本作に収録されているのは最高峰バージョン。ネット公開された大元では音声と映像にズレが起きていましたが、本作ではビシッと完全シンクロ。映像作品としての見応えが大幅アップしているだけでなく、ワンカメ・オーディエンスの命である「体験感」がまるで別物級に向上しているのです。そんな2映像で描かれるのは、2021年型“NO FILTER Tour”もだいぶこなれてきたフルショウ。ここでセットも整理しておきましょう。固定曲 Tumbling Dice/You Can't Always Get What You Want/Living In A Ghost Town/Start Me Up/Honky Tonk Women/Miss You/Midnight Rambler/Paint It Black/Sympathy For The Devil/Jumping Jack Flash/Gimme Shelter/(I Can't Get No) Satisfaction 日替わり曲・キース・コーナー:Connection /Before They Make Me Run・その他:Street Fighting Man/Let's Spend the Night Together/19th Nervous Breakdown/Monkey Man(★)/Fool to Cry(★) ※注:上記はラスヴェガス公演(11/6)までのセット情報から構成。「★」印は2021年の初登場曲。……と、このようになっています。このショウでは「Monkey Man」「Fool to Cry」の2曲が初お目見え。その後、現在に至るまで3公演が行われておりますが、再演されていない“この日だけの限定曲”となっています。そして、それ以上にハイライトになったのが後半になって披露された「Miss You」「Midnight Rambler」の2連発。ミネアポリスと言えば、あのプリンスが生まれ、亡くなったホームグラウンド。その彼を偲んで「Miss You」のベース・ソロで「Controversy」の歌詞“I wish there was no Black or white”を歌い、「Midnight Rambler」に「Purple Rain」の“I only want to see you in the purple rain”を挿入しているのです。2021年版“NO FILTER Tour”と言うとマルチカメラ編集映像が人気を集めておりますが、編集に時間がかかるために速報とはなりません。もっと重要なことは「ショウの疑似体験」で言ったらワンカメのオーディエンス・ショットに敵うものはないのです。本作は、そんな最新ショウを現場体験できる映像2種セット。新型コロナ禍の影響もあって普段よりもさらに敷居の高い2021年版“NO FILTER Tour”の現場。「2021年10月24日:ミネアポリス公演」のオーディエンス・ショット。アリーナ席から捉えたDISC 1と、スタンド席から見下ろすDISC 2の映像2種セット。DISC 1は冒頭や曲間に欠けがあるものの、美しい画質とオンなサウンドが素晴らしい。DISC 2はステージの端から端まで遮蔽物ゼロで見放題の独り占め感が圧倒的。個性の異なる2つのポジションから “NO FILTER Tour”の最新ショウを体験できる映像のリアルタイム・リポートです。U.S. Bank Stadium, Minneapolis, MN, USA 24th October 2021 Disc 1(123:03)★カットあり…それでもすごい映像です。1. Street Fighting Man 2. Let's Spend The Night Together 3. 19th Nervous Breakdown 4. Here's To You Charlie 5. Tumbling Dice 6. Monkey Man 7. Fool To Cry 8. You Can't Always Get What You Want 9. Living in a Ghost Town 10. Start Me Up 11. Honky Tonk Women 12. Band Introductions 13. Connection 14. Before They Make Me Run 15. Miss You 16. Midnight Rambler 17. Paint It Black 18. Sympathy for the Devil 19. Jumping Jack Flash 20. Gimme Shelter 21. Satisfaction Disc 2(130:35)★完全版。音と絵をシンクロさせました。オリジナルより全然見やすいです 1. Intro 2. Street Fighting Man 3. Let's Spend The Night Together 4. 19th Nervous Breakdown 5. Here's To You Charlie 6. Tumbling Dice 7. Monkey Man 8. Fool To Cry 9. You Can't Always Get What You Want 10. Living in a Ghost Town 11. Start Me Up 12. Honky Tonk Women 13. Band Introductions 14. Connection 15. Before They Make Me Run 16. Miss You 17. Midnight Rambler 18. Paint It Black 19. Sympathy for the Devil 20. Jumping Jack Flash 21. Gimme Shelter 22. Satisfaction COLOUR NTSC Approx.254min.(Total)