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Rolling Stones ローリング・ストーンズ/1995年の日本 Japanese TV Specials 1995

奇跡の初来日から5年、再びストーンズ来訪に沸いていた1995年の日本。26年前の薫りがリアルに甦るテレビ番組アーカイヴがリリース決定です。そんな本作に収められているのは6つのTV特番(+α)。当店ではコアな記録マニアによる極上マスターで数々の音楽番組をアーカイヴしてきましたが、本作はその最新作でもある。ヨレもノイズも見当たらない映像美は、まるで公式レーザーディスク起こしレベルで、四半世紀前のVHS録画とは思えない超美麗画質です。ともあれ、本作最大のポイントは「1995年の日本」が鮮やかに甦る内容。早速、3つのセクションに分けてご紹介していきましょう。前半:来日当時の特集コーナー(4種) 追加席を告知するテレビCM(「20世紀最後の来日か!?」のナレーションが時代ですね)から始まる本作は、ストーンズ来日中に放送された各種番組の短い特集コーナーを集成したもの。そのラインナップも多彩で、早朝枠の『ジパングあさ6』『ザ・フレッシュ!』『ズームイン!!朝!』から櫻井よ○こ時代の『きょうの出来事』まで、さまざまな番組のミニコーナーが観られます。その内容は極めて一般目線。音楽的な話やバオ的なものは一切なく「結成33年で超長寿バンド」「平均50.5歳」「来たぜ! オヤジ! いくつになってもR.ストーンズ!」とひたすら年齢押し。初日公演のライヴ・プロショットも貴重ですが、メンバーの姿はその程度で、あとはひたすらメーターの上がったファン達の姿がフィーチュアされていく。子供に「ミク」と名付けた父親、「仕事辞めてロックに生きる!」と叫ぶサラリーマン、「演歌の方がいい」と取り合わない夫にウンザリする妻などなど。被さるナレーションもおちゃらけ口調で↓とのたまう。「うーん昔と変わらないぜ、この音。ミックもキースもまだまだやれるじゃないの。おっとっと、なんだなんだ? キミたち若者もストーンズ聴くのかい? ストーンズは俺達の青春。キミ達にこの音が分かるかなあ? 今日ばかりはオヂサンたち燃えちゃうぜ。イッツ・オンリー・ロックンロールだぜぇ?」……とまぁ、相変わらずの地上派ノリ。「世間はどうせこういう感じだろ」という地上派TV局の傲慢さに辟易としつつ、それさえも懐かしかったりする特集たちなのです。中盤:バラエティ番組のアポなし突撃ロケ(1種)そんな来日レポートと一線を画すのが『進め!電波少年』。アポなしの突撃企画が目玉のバラエティ番組でしたが、彼らも来日中のストーンズに目を付けた。その企画とは「憧れのミックジャガーに手作りの肉ジャガを食べてもらいたい」。当時は阪神・淡路大震災から約2ヶ月だというのに、このアホぶり。さすがです。宿泊先のホテル(名前は出しませんが、概観を思いっきり映してる……)に突撃してホテルのスタッフにつまみ出されたり、テレビ局のツテを辿ってなんとかミックに肉ジャガを届けようと奮闘する松本○子。果たしてミックには逢えるのか、肉ジャガを喜んでくれるのか……。その顛末はご覧になってのお楽しみとしまして、気になる点を1つ。どうも内容から察するに、突撃ロケを行ったのは4公演目が終わった後で恐らくは「3月13日」の模様。とすると、放送は翌週日曜「3月19日」だったと思われます。つまり、この放送のさらに翌日「3月20日」には、あの地下鉄サリン事件が起きる。そう考えるほど、日本中の空気が一変する寸前だったからこその脳天気なはしゃぎっぷりが眩しかったりするのです。ボーナス:CBSドキュメント(1種)  本作は約30分の映像集ですが、実はここまでで約半分。残り半分は名番組『CBSドキュメント』の日本放送版を収録しています。高名な黒人ジャーナリスト:エド・ブラッドリーがパーソナリティを務める報道番組で、本作に収録されているのはメンバーのインタビューをメインにしたストーンズ特集回。1994年10月に収録されましたが、日本放送は来日直前の「1995年2月」でした。そんな日本放送の特徴は吹き替え。報道番組やドキュメンタリーの日本放送にありがちな手法ですが、インタビューやナレーションを小さく流し、その上に日本人声優の声が被せられているのです。普段の社会派テーマでは何も感じない普通の手法なのですが、離しているのがミックやキースとなるとさすがに違和感がある。寡聞にして声優の名前までは分かりませんが、慣れ親しんだ本人の声とはかけ離れた声で、社会派ドキュメンタリー然とした証言口調。別に不快ではありませんが、面白くはあります。そして、内容はさらに興味深い。番組が社会派だけにインタビューのテーマは音楽よりもビジネスとそれに絡む人間関係、そしてドラッグについて切り込んでいく。スターとしてイメージを大事にするミックに対して「音楽あってこそ」と断言するキース……と、それぞれの個性も浮き彫りになり、仲違いしていた時代について語るコメントも面白いのです。そして、意外に鋭いのはチャーリー。巨大化するビジネスに翻弄されるくだりでも「確かにスケールは大きいね。でも所詮俺達は米国音楽をやっているイギリスの白人男なのさ」と地に足が付いている。そんな彼が「70歳になっても今のままかというと、そうは思わないね。同じ事をしていたらおかしく見える時がきっとくるんだよ」と語るのが本作のハイライトでしょう。日本の朝ワイドにしても、CBSの報道番組にしても、しつこく彼らの年齢を話題にしていますが、それほど当時の(そして今も、これからも)ストーンズは年齢の壁を超え続ける存在として注目されてきた。現実のチャーリーは70歳どころか80歳まで現役を続けてくれたわけですが、そんな彼でも最初からエンドレスではなかった。本作の後20年以上も自分の意識を声続けていった事が明らかになるのです。“VOODOO LOUNGE Tour”で世界を沸かし、再来日も果たしてくれた「50代のストーンズ」。その狂乱が鮮やかに甦り「1995年の日本」にたゆたっていた大気が噴き出してくるTV映像集です。本作から26年を経た現在でも彼らは転がり続け、ミックは来年以降のツアーにも意欲を見せている。そんな彼らを見届ける私たちの旅もどこまで続くのか。2021年版“NO FILTER Tour”が完遂した今だからこそ味わっていただきたい1枚です。1995年の再来日時に放送された日本番組のコンピレーションがギフト・リリース。朝ワイドから夜のニュース、アポなしの突撃バラエティまで、6種のストーンズ特集が楽しめます。THE ROLLING STONES - VOODOO LOUNGE JAPAN TOUR 1995: Japanese TV Specials 1. CM 2. NNN KYO NO DEKIGOTO 3. JIPANGU ASA 6 4. THE FRESH 5. ZOOM IN ASA 6. SUSUME DEMPA SHONEN Extra Track 7. CBS DOCUMENT *Broadcast in February 1995 feat. Members Interview by Ed Bradley(New Orleans 10th October 1994) PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.32min.

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