素晴らしいアイテムを御紹介致します。2009年6月21日、米コロラド州デンヴァーで行なわれたクラプトンとスティーヴ・ウィンウッドのジョイント・コンサートを112分に渡って良好なオーディエンスショットで収録したDVDです。最近アップされたので、知る人ぞ知る映像ですが、本邦初公開となるものです。アングルは、ステージに向かい正面少し右の3階スタンドからのもので、見下ろす形ですが、前方には客を含め一切遮るものがないという好条件でシューティングされています。撮影者は、ネット上のメモでは相当のオーディエンスショットマニアのようで、これまでロック・コンサートで40回も撮影してきた上に、VHS時代から100本以上のブートビデオを持っていると豪語しており、その彼が本映像を自身の撮ったクラプトンの中ではベストだと言っているとおり、クオリティは安心できるものです。冒頭はアングルに悩んでいる感じで、ステージ左上方のスクリーンを的確に捉えていますが、ステージとの距離感が分かるとステージショットを多用しています。全般的にきれいなステージショットにスクリーンショットが時折混ざるという構成になっています。サウンドもステレオ録音で、ご本人が推薦するように、非常に見やすい映像です。但し、機材のトラブルからか、No Face, No Name, No Number の後に演奏された2曲、Forever ManとGeorgia On My Mindが未収録となっているのが惜しい欠点です。しかしそれを差し引いても本映像は楽しく鑑賞できる価値あるものと言えるでしょう。このツアーは、同年2月のジャパンツアーを受けて行なわれたものでした。そのため、バンドメンバーはドイル・ブラムホール二世がはずれただけで、ジャパンツアー時のメンバーがサポートしています。2月に日本で史上初のジェフ・ベックとのジョイント・コンサートを実現したクラプトンが、旧友との共演をさらに推し進めようと考えたタイミングであったことは間違いないようで、気心の知れたウィンウッドとの完璧な息の合い具合を見せてくれます。レパートリーは二人が69年に結成したスーパーグループBLIND FAITHのナンバーを柱として、各々の代表曲やブルース、J.J.ケイルやジミヘンのカバーという思い出の曲を演奏しています。BLIND FAITHが公式に発表した7曲のうち、何と5曲が演奏されていることを思えば、二人は激動と喧噪の中で過ぎていった時代を振り返り、改めてじっくり当時の曲を演奏したかったと言えるのではないでしょうか。見どころはすべて、と言えるのですが、2011年のジャパンツアーでもファンが痺れた終盤のVoodoo ChileからアンコールのDear Mr. Fantasyにかけてのパートがハイライトでしょう。2009年に実現した、2人の熱き友情のステージをどうぞお楽しみください。 Live at Pepsi Center, Denver, CO. USA 21st June 2009 (111:56) 1. Had To Cry Today 2. Low Down 3. After Midnight 4. Presence of The Lord 5. Sleeping in the Ground 6. Glad 7. Well Alright 8. Tough Luck Blues 9. Pearly Queen 10. No Face, No Name, No Number 11. Driftin' 12. How Long Blues 13. Layla 14. Can't Find My Way Home 15. Split Decision 16. Voodoo Chile 17. Cocaine 18. Dear Mr. Fantasy Eric Clapton - guitar / vocals Steve Winwood - vocals / Hammond B3 / piano / guitar Chris Stainton - keyboards Willie Weeks - bass Abe Laboriel, Jr. - drums Michelle John - backing vocals Sharon White - backing vocals COLOUR NTSC Approx. 112min.