ゲイリー・クラーク・ジュニアをオープニング・アクトに指名して行なわれた2011年の南米ツアーから、10月10日に行なわれたブラジル、リオ・デ・ジャネイロでの2日目公演を良好なズームアップ&スクリーンショットで完全収録したオーディエンスショット映像です。シューティングされているアングルは、ステージに向かってほぼ正面の2階スタンドからで、ズームアップするとニーアップ(膝から上)のクラプトンの姿がきっちり収まる大きさで観やすいものです。このショットでずっと固定してもよかったのですが、撮影者はステージ左上方に設置されたスクリーンに映されるマルチカメラによるプロショットを狙います。そのスクリーンショットとストレートなズームショットの2種類を効果的に織り交ぜながら、なかなか飽きさせない構成で撮り切っています。この日のクラプトンは、サーモンピンクの長袖シャツにジーンズ、ギターはダフネブルーのストラトです。スクリーンショット映像によくある、角度上の問題によるスクリーンの歪みやカメラを放ったらかしにしてのスクリーンフレームからの逸脱、係員に見つかりそうになったための曲中や曲間の暗転、場内のライトの加減での画面のホワイト化など、諸々のトラブルはほぼない状態で、ストレスのない観やすい状況で捉えられています。この南米ツアーは、翌月のスティーヴ・ウィンウッドとのジョイント・ジャパンツアーの直前にクラプトン単独のセットで実施されたものでした。そのため、5月に実施されたイギリス&北欧ツアーの単独公演を踏襲する形でしたが、セットリストはこの時点で少し変化を見せていました。5月にセットインしていたゲイリー・ムーアのナンバーStill Got The Blues (ムーアがこの年心臓発作で急逝したことを受けて組まれました)とJ.J.ケイルのSame Old Bluesの代わりとして、Tearing Us ApartとLay Down Sallyが新たにセットインしていました。前年にリリースしたアルバム「CLAPTON」からのナンバーWhen Somebody Thinks You’re Wonderfulも織り交ぜながら、エレクトリックで勢いよくスタートし、中盤にしっとりしたアコースティックセットを挿み、後半はまたエレクトリックで重厚なパフォーマンスを披露する、いつもの安定したクラプトンのコンサートが楽しめます。当日このコンサートを観た南米のファンのレビューでは、Tell The Truth、Old Love Little Queen Of Spadesでのクラプトンのプレイが一際素晴らしかったとのことですが、ここにHoochie Coochie Manも加えさせていただきましょう。アンコールにはオープニング・アクトのゲイリー・クラーク・ジュニアが飛入りし、クラプトンとソロ競演しています。そのあたりも実際の映像で確認いただけるのが本盤の妙味でしょう。熱狂的で有名な南米のファンを満足させたクラプトンの充実の一夜。Live at HSBC Arena, Rio De Janeiro, Brazil 10th October 2011 (106:17) 1. Intro 2. Key To The Highway 3. Tell The Truth 4. Hoochie Coochie Man 5. Old Love 6. Tearing Us Apart 7. Driftin’Blues 8. Nobody Knows You When You’re Down And Out 9. Lay Down Sally 10. When Somebody Thinks You're Wonderful 11. Layla 12. Badge 13. Wonderful Tonight 14. Before You Accuse Me 15. Little Queen Of Spades 16. Cocaine 17. Crossroads (with Gary Clark, Jr.) Eric Clapton - guitar, vocals Chris Stainton - keyboards Tim Carmon - keyboards Willie Weeks - bass Steve Gadd - drums Michelle John - backing vocals Sharon White - backing vocals COLOUR NTSC Approx.106min.