本作に記録されているのは2CDと同じ「1982年7月31日ROCK ON THE TYNE FESTIVAL公演」。そのマルチカメラ・プロショットです。このフェスは当時テレビ放送されたわけですが、大トリを務めたTHE POLICE篇は1996年に公式化。2001年には日本限定でDVD化も実現しました。もちろん、とうの昔に廃盤となっているわけですが、本作はそのベスト・マスターから復刻された最高峰版です。そのクオリティは(当然のことながら)完全オフィシャル級。時代柄アナログ撮影ではありますし、2CDに比べるとステレオ感が弱く、ミックスも少々荒っぽい。しかし、その鮮度はオフィシャルだからこそのマスター・クオリティでして、40年前のステージがものの見事に劣化ゼロで甦るのです。さらに映像ならではの旨みが日本語字幕。さすがに歌詞対訳まではありませんが、MCは完全日本語化。スティングの血気盛んな言葉もユーモアもビビッドに理解できるのです。そんな映像美で描かれる“GHOST IN THE MACHINE Tour”は感無量。セットは2CDと同じなので割愛しますが、目で観るからこその説得力は絶大。三十路になったばかりのスティングは歌声もシャープならステップもキレッキレですし、フェスのトリを務めるTHE POLICEの堂々たる存在感も素晴らしい。ホーン・セクションも1人ひとりのズームまでフォーチュアしたマルチカメラで見ると一層ゴージャスに感じられます。さらに言えば、ステージのムードも幻想的。イギリスは高緯度なために夏は遅くまで日が高く、この日の日没時間も夜21時すぎ。そのため、大トリのTHE POLICEになってようやく夕暮れになってきて、そこから1曲また1曲とどんどん闇が深くなる。最初は自然の陽光でステージの隅から隅までよく見えていたのに、徐々に照明の存在感が高まり、目映く色鮮やかなライトショウに取って代わられていく……その一部始終を目撃できるのです。2CDは公式超えサウンドで“GHOST IN THE MACHINE Tour”の頂点に君臨するライヴアルバム。それに対し、本作は映像編の頂点作です。記録自体が貴重なツアーの最高峰マスター。International Stadium, Gateshead, England 31st July 1982 PRO-SHOT DVD(88:16) 1. Intro/Voices Inside My Head 2. Message In A Bottle 3. Every Little Thing She Does Is Magic 4. Walking On The Moon 5. Spirits In The Material World 6. Hungry For You 7. When The World Is Running Down, You Make the Best of What's Still Around 8. The Bed's Too Big Without You 9. De Do Do Do, De Da Da Da 10. Demolition Man 11. Shadows In The Rain 12. Driven To Tears 13. Bring On The Night 14. One World (Not Three) 15. Invisible Sun (with Bono) 16. Roxanne 17. Don't Stand So Close To Me 18. Can't Stand Losing You / Reggatta De Blanc / Be My Girl - Sally 19. So Lonely PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.88min.