丸刈り姿で陽気に暴れ回っていた1978年のピーター・ガブリエル。その象徴プロショットの極上バージョンが再リリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「1978年9月15日エッセン」。西ドイツを代表する名物番組“ROCKPALAST”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。この映像は古くからの有名で『SCRATCH』時代を代表する定番中の大定番。本作は、その極上マスターからDVD化されたものなのです。その気になるクオリティの前に、まずはショウのポジション。当時のスケジュールを振り返って確かめてみましょう。《6月3日『SCRATCH』発売》・8月23日ー9月16日:欧州#1(17公演)←★ココ★・9月29日ー11月24日:北米(39公演)・11月30日ー12月24日:欧州#2(22公演)これが1978年のピーター・ガブリエル。欧州ツアーは北米レッグを夾んで二部構成になっており、本作の“ROCKPALAST”出演は前半。「欧州#1」の16公演目にあたるコンサートでした。前述のように、このショウは古くからプロショットが知られており、VHS時代からさまざまなジェネの映像が出回ってきました。本作は、そのアップグレード史に革命を起こしたもの。GENESISマニアの総本山として知られる“genesismuseum”が公開したマスターで、それまで45分ほどだった長さが58分にまで拡大し、クオリティも一気に極上化した。現在ではほぼ同クオリティの別マスターも発掘されているので軽々に最高峰を断言するのに迷いますが、白線ノイズさえない艶やかさやデジタル加工していないナチュラル感に関しては今なお最高峰に違いない。当時の放送電波が時空を超えて飛び込んできたような瑞々しい映像美をたっぷり味わえるのです。その映像美で描かれるのは、他のどの時代とも違うインパクトも強烈なパフォーマンス。まずはセットを整理してみましょう。CAR(6曲)・Moribund The Burgermeister/Here Comes The Flood/Waiting For The Big One/Humdrum/Solsbury Hill/Modern Love その他(5曲)・SCRATCH:On The Air/Perspective/White Shadow ・その他:The Lamb Lies Down On Broadway/I Don't Remember ……と、このようになっています。長尺化したとは言っても枠は約1時間。通常コンサートよりも披露できる曲は限られており、前作『CAR』が約半分を占めるバランスです。また、まだ制作していない次作『MELT』からの「I Don't Remember」やGENESIS時代の名曲「The Lamb Lies Down On Broadway」も独特なアレンジで披露されるなど、かなりカラフルな構成です。そして、セットを演じるピーターの姿が観られる事こそ、映像の醍醐味。メンバー全員が蛍光オレンジのライフジャケットを着込んでおり、ピーターもギターのシド・マッギニスも髪を丸刈りでニューウェーヴに沸く70年代後期のムードが画面から溢れ出してくる。もちろん衣装だけでなく、当時28歳だったピーターのパフォーマンスはアグレッシヴで表現力たっぷり。「Moribund The Burgermeister」では床に這いつくばりながら歌詞を綴り、「Waiting For The Big One」では観客席に飛び込んで歌いまくり、ドラムまで叩き始めるのです(その前にはトニー・レヴィンも叩いています)。そんな中でチョット面白いのが「Modern Love」。イントロでシドが躍動感たっぷりにリフを刻んでいるのですが、勢い余ってシールドが抜けてしまう。急いでアンプに駆け寄って自分で拾って差し込んでいるのですが、ピーターがその背中を「ドンマイ」とばかりに背中をタッチしている。当時はいつになく陽気なムードのステージングだったわけですが、それを支えるバンド内のムードまで感じられるのです。『SCRATCH』時代のアグレッシヴなライヴを楽しめるマルチカメラ・プロショットの大傑作。その極上マスターです。それこそ、肝心要の公式スタジオ作と同等以上の価値を誇る名作。「1978年9月15日ROCKPALAST」の極上マルチカメラ・プロショット。長年の大定番映像ですが、本作はGENESISマニアの総本山として知られる“genesismuseum”が公開したマスターで、それまで45分ほどだった長さが58分にまで拡大。さらにクオリティも一気に極上化した決定版です。ピーターもギターのシド・マッギニスも髪を丸刈りで、蛍光オレンジのライフジャケットに身を包んだ『SCRATCH』時代を極上クオリティで楽しめます。Live at Grugahalle, Essen, Germany 15th September 1978 PRO-SHOT 1. On The Air 2. Moribund The Burgermeister 3. Perspective 4. Here Comes The Flood 5. White Shadow 6. Waiting For The Big One 7. Humdrum 8. I Don't Remember 9. Solsbury Hill 10. Modern Love 11. Backstage 12. The Lamb Lies Down On Broadway Peter Gabriel - Vocals, Keyboards Sid McGinnis - Guitar, Vocals Tony Levin - Bass, Stick, Vocals Jerry Marotta - Drums Larry Fast - Keyboards Timmy Capello - Sax, Keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 58min.