キャッチーに進化しつつも、あくまでプログレッシヴ・ロックとしての矜持に輝いていた『DUKE』時代のGENESIS。その代表映像の史上最高クオリティ版が登場です。その代表映像が撮影されたのは「1980年5月7日ライシアム劇場」公演。名物番組“OLD GREY WHISTLE TEST”に出演した際のマルチカメラ・プロショットです。当時のGENESISはソロ活動の勃興期。1979年にはトニー・バンクスが『A CURIOUS FEELING』でいち早くソロ・デビューを飾り、1980年にはマイク・ラザフォードの『SMALLCREEP'S DAY』をリリース。さらにはフィル・コリンズもヒュー・パジャムを起用した『FACE VALUE』に着手するのです。まずは、そんなターニング・ポイントだった1980年のスケジュールを振り返り、本作のポジションも確かめてみましょう。《2月15日『SMALLCREEP'S DAY』発売》・3月17日ー27日:英国#1(7公演)《3月28日『DUKE』発売》・3月28日ー5月9日:英国#2(35公演)←★ココ★・5月17日ー6月30日:北米(35公演)《6月『FACE VALUE』制作開始》これが1980年のGENESIS。一応ワールドツアーではあるものの、開催されたのは英国・米国・カナダの3ヵ国のみでした。普通であれば広大な全米ツアーがメインになるところですが、“DUKE Tour”の場合は母国イギリスがメイン。40公演以上という徹底的な絨毯爆撃は駆け出しだった70年代初期以来のことで、いかに当時の母国人気が凄まじかったのかが分かります。もちろん、それだけのビッグ・ツアーだけに当店でも数々の名作でアーカイヴ。良い機会でもありますので、そのコレクションも日程で整理しておきましょう。英国レッグの詳細・3月17日ー27日(7公演)《3月28日『DUKE』発売》・3月28日ー4月16日(17公演)・4月17日『DEFINITIVE SHEFFIELD 1980』・4月18日ー19日(9公演)・4月30日『NEWCASTLE 1980』・5月1日ー5日(4公演)・5月6日『LYCEUM DEFINITIVE MASTER』・5月7日:ライシアム公演 ←★本作★・5月9日:ポーツマス公演 以上が英国ツアーの概要。本作のライシアム劇場公演は最後から2つ目という最終盤でした。「1980年のライシアム」と言えば、もはや“DUKE Tour”の象徴。「5月6日・7日」の二夜連続公演が行われ、両日からサウンドボード・アルバムや各種プロショットなど、多数の名作を生み出してきた定番中の大定番です。その中で本作に収められているのは「2日目映像のOLD GREY WHISTLE TEST版」。その最高峰更新盤なのです。その正体は、今年になって名門“BBC FOUR”で放映されたデジタル再放送。大定番映像だけに幾度も放送されてきましたが、そのどれよりも美しい。アナログを一切経由せずに放送・録画された画質/音質は局マスターそのものと言って良く、まるでつい最近撮影されたかのようにビビッドで鮮明なのです。と言いますか、マスターそのものだとしても美しすぎる。確証はありませんが、もしかしたら単に局マスターをデジタル放送しているのではなく、デジタル・リマスターで磨き直しているのかも知れない……そんな妄想にまで駆られる映像美なのです。ただし、映像美は過去最高ではあっても収録時間はそうはいかない。あくまでも「OLD GREY WHISTLE TEST放送版」であり、ショウの完全収録とはほど遠いのです。では、どんな曲が楽しめるのか。最後に整理しておきましょう。・眩惑のブロードウェイ:In The Cage/The Colony Of Slippermen・トリック・オブ・ザ・テイル:Dance On A Volcano/Los Endos・静寂の嵐:Afterglow・デューク:Behind The Lines/Duchess/Guide Vocal・その他:Drums Duet 3人になったGENESISはポップ化していったイメージもありますが、同時に高性能化も指向していました。フィル・コリンズのソロを介してヒュー・パジャムを起用してからは一気に開き直るものの、『DUKE』はその寸前。時代の音に沿いつつ、ツアーでは当代きってのプログレ・バンドに進化した姿を見せつけていました。そんな眩しいステージを過去最高の映像美で味わえる2022年最新版。「1980年5月7日ライシアム劇場」公演のマルチカメラ・プロショット。ライシアム二夜連続公演の2日目で、名物番組OLD GREY WHISTLE TEST放送版の過去最高峰バージョンです。名門“BBC FOUR”によるデジタル再放送版で、アナログを一切経由せずに放送・録画された画質/音質は局マスターそのもの。いや、もしかしたら大元マスターをデジタル・リマスターで磨き直しているのかも知れない……そうとしか思えない。そんな至高の映像美で『DUKE』時代のステージを楽しめる2022年最新版です。Lyceum Ballroom, London, UK 7th May 1980 PRO-SHOT (BEST EVER!!) Broadcast on BBC FOUR 30th September 2022 (39:21) 1. Intro 2. Behind The Lines 3. Duchess 4. Guide Vocal 5. In The Cage / The Colony Of Slipperman 6. Afterglow 7. Dance On A Volcano 8. Drum Duet 9. Los Endos Phil Collins - Vocals, Drums & Percussion Mike Rutherford - Bass & Guitar Tony Banks - Keyboards Chester Thompson - Drums & Percussion Daryl Steurmer - Guitar PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.39min.