故ダスティ・ヒル存命中に製作された新作『RAW』を送り出し、精力的にツアーを続けているZZ TOP。ジェフ・ベックも参加した特別公演を体験できる極上映像が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年9月25日ザ・ウッドランズ公演」。その絶景オーディエンス・ショットです。ダスティが急逝したのは2021年7月28日のこと。離脱に際して「何があってもツアーを続けろ!」と言っていた彼の遺志を継ぎ、バンドは活動続行を決意。現在もツアーを続けています。当店でダスティ没後のショウをレポートするのは、今回が初。良い機会ですので、突然の訃報から現在までの歩みを振り返っておきましょう。2021年 ・7月16日ー18日:米国#1a(3公演)《ダスティ・ヒル離脱→エルウッド・フランシス代役》・7月23日ー25日:米国#1b(3公演)《7月28日:ダスティ・ヒル死去》・7月30日ー8月24日:米国#1c(17公演)・9月10日ー10月16日:米国#2(23公演)・11月6日ー12月12日:米国#3(24公演)2022年 ・2月25日:ランチョ・ミラージュ公演・4月22日ー5月14日:カナダ(16公演)・5月27日ー7月9日:米国#4(29公演)《7月22日『RAW』発売》・7月22日ー8月28日:米国#5(27公演)・9月17日ー11月14日:米国#6(27公演)←★ココ★・12月2日ー10日:米国#7(6公演)2023年・2月11日ー11日:ニュージーランド(3公演)・4月28日:インディゴ公演 これが現在までに公表されている2021年ー2023年の活動概要。新型コロナ・パンデミックから復活した途端に悲劇に見舞われてしまったわけですが、その後はすぐさまギターテックのエルウッド・フランシスを代役に迎えてツアーを再開。以前と変わらぬ……いや、それ以上に精力的なツアーをこなしています。実際、今年のショウは100公演を超えるわけですが、三桁に乗せたのは2013年以来9年ぶり。本作のザ・ウッドランズ公演は、そんなツアーの最終盤。「米国#6」の5公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、まさに「絶景」を画に描いたような極上ショット。ショウは2ヶ月前ではあるものの、公開されたのはつい最近の最新映像でして、あまりのハイクオリティに世界のコレクター達が騒然となっているもの。その光景はズバリ「まるでプロショット」。実際にはアリーナ席後方から撮影されたオーディエンス・ショットですし、マルチカメラ編集ですらないのですが、あまりにもクオリティが高い。遮蔽物ゼロの視界、見どころをビシッと中央に捉えたカメラワーク、事前に画面構成まで練っていたようなキマッている構図、果敢なズームなのにまったくボケない画質、会場設営かと思うような安定感……。それこそ「プロショットの1アングルが流出した」と言われた方が納得できるくらいです。実のところ、本作をモノにした撮影者はどうやら本物の名手。リリースとなるJUDAS PRIESTの『AUSTIN 2022』も同じ人物による作品なのですが、ポジションがまるで違うのにやはり極上に仕上げている。本職のプロカメラマンが趣味で撮影したのではないか……そう勘ぐりたくなるほど「コンサート映像」の特性を熟知した匠の業物なのです。そんなプロフェッショナル(?)オーディエンスで画かれるのは、ジェフ・ベックも登場する新生ZZ TOPのフルショウ。まずは、セットの内容から整理しておきましょう。LONDONレコード時代(5曲)・トレス・オンブレス:Waitin' for the Bus/Jesus Just Left Chicago/La Grange(★)・その他:Brown Sugar/Just Got Paid WARNERレコード時代(9曲)・イリミネイター:Got Me Under Pressure/Gimme All Your Lovin'/Sharp Dressed Man/Legs・その他:I Thank You/I'm Bad, I'm Nationwide/Pearl Necklace/Rough Boy(★)/My Heads In Mississippi その他(2曲)・I Gotsta Get Paid/Sixteen Tons(★) ※注:「★」印はジェフ・ベックがゲスト参加したアンコール曲。……と、このようになっています。往年の名曲群を濃縮しつつ、『LA FUTURA』の「I Gotsta Get Paid」やマール・トラヴィスのスタンダード「Sixteen Tons」も織り交ぜている。そして、そのセットを綴るパフォーマンスこそが素晴らしい。時空を超越したビリー・ギボンズの姿からは今が何年なのかも分かりませんが、隣にエルウッドが立つ光景はもの凄くフレッシュ。長年に渡ってツアーに同行してきただけあって演奏もアクションもダスティが乗り移ったかのように違和感がないのですが、単なる完コピでもないところが見事。代役が決まってから伸ばしたという髭も堂に入りつつ、逆に短めでハジけた髪型はえらくカッコイイ。ZZ TOPらしさを崩さず、それでいてガッチガチに固まったアイコニックなイメージも刷新するという難行をものの見事にこなしているのです。そして、最大の見どころはアンコール。ジェフ・ベックが登場して3曲を披露してくれるのです。この日のジェフはZZ TOPのオープニングを務めていましたが、ジョニー・デップは帯同していなかったようです。ともあれ、レジェンドとZZ TOPは旧知の仲であり、カップリング・ツアーも共演も経験済み。バンドの一部として馴染み、呼吸の合った豪華共演を超絶景で楽しめます。それにしても素晴らしい。見事な映像美です。オーディエンス・ショットのマルチカメラ編集も珍しくなくなった昨今、逆に「優れたワンカメ映像」が珍重されるようになってきました。本作は、その最先端となるもの。まさに「現在の名手」と呼ぶに相応しい撮影師が捉えた最新ZZ TOP。故ダスティ・ヒルの代役にエルウッド・フランシスを迎えた新生ZZ TOPの最新映像。「2022年9月25日ザ・ウッドランズ公演」の極上オーディエンス・ショットです。遮蔽物ゼロの視界、見どころをビシッと中央に捉えたカメラワーク、事前に画面構成まで練っていたようなキマッている構図、果敢なズームなのにまったくボケない画質、会場設営かと思うような安定感……それこそ「プロショットの1アングルが流出した」と言われた方が納得できるくらい。アンコールにジェフ・ベックも登場するライヴを絶景フル体験できます。Live at Cynthia Woods Mitchell Pavilion, The Woodlands, TX, USA 25th September 2022 AMAZING SHOT!!!(70:16) 1. Intro 2. Got Me Under Pressure 3. I Thank You 4. Waitin' for the Bus 5. Jesus Just Left Chicago 6. Gimme All Your Lovin' 7. Pearl Necklace 8. I'm Bad, I'm Nationwide 9. I Gotsta Get Paid 10. My Head's in Mississippi 11. Brown Sugar 12. Just Got Paid 13. Sharp Dressed Man 14. Legs 15. Rough Boy (with Jeff Beck) 16. Sixteen Tons (with Jeff Beck) 17. La Grange (with Jeff Beck) Billy Gibbons - guitar, vocals Frank Beard - drums, percussion Elwood Francis - bass, backing vocals COLOUR NTSC Approx.70min.