貴重映像の大元マスターを公開して話題を呼んでいる伝説番組“THE MIDNIGHT SPECIAL”。そのFACES篇がリリース決定です。そもそも“THE MIDNIGHT SPECIAL”とは、1972年ー1981年の10年間にアメリカNBCで放送されていた音楽番組。当時では珍しくマイムではない生演奏を放送することで知られ、英国BBCの“THE OLD GREY WHISTLE TEST”や西ドイツの“BEAT-CLUB”の米国版といった感じの名物番組でした。そして、そのプロショット映像は様々なバンド/アーティストの全盛期を伝える定番となり、まさにロック史の秘宝として君臨しています。そんな“THE MIDNIGHT SPECIAL”ですが、ごく最近になって公式の動画チャンネルを開設。アーカイヴ映像を公開し始めました。今この瞬間も新作を後悔し続けているのですが、その映像美は、公式だからこそ可能な超極上クオリティ。あまりの素晴らしさに全世界のコレクターが震撼している真っ最中なのです。そして、本作はそのFACES篇。「1974年12月23日キルバーン公演」。そう、公式映像『ラスト・コンサート』でも知られるマルチカメラ・プロショットです。同時リリースのリンダ・ロンシュタットやFLEETWOOD MACは番組独自のスタジオ・ライヴで何回か出演しましたが、FACESは公式映像を流用した特番だったようです。このショウはFACES末期の代表映像で、キース・リチャーズが飛び入り競演したことでも有名。これまではTHE ROLLING STONESのギタリスト・ハントと絡めてご紹介してきましたが、今回はFACESの末期スケジュールで振り返ってみましょう。1974年《1月10日『COAST TO COAST』発売》・1月27日ー2月9日:オセアニア(7公演)・2月12日:香港公演・2月15日ー20日:日本(4公演)・2月28日:インディアナポリス公演・7月6日+8月17日:欧州#1(2公演)・9月13日ー10月24日:欧州#2(11公演)・11月15日ー12月23日:英国(17公演)←★ココ★ 1975年・2月11日ー3月13日:北米#1(19公演)・8月10日ー11月1日:北米#2(53公演)《12月:解散発表》これが1974年/1975年のFACES。本作のキルバーン公演は1974年の最終公演でもありました。前述のように定番中の第定番として有名な映像ではありますが、本作のクオリティはお馴染みではない。フィルム感覚のある公式映像とは異なり、細部まで鮮明な画質も超ビビッドな発色も超極上。さらに大元に遡ったマスターなのか、あるいは現代技術によるブラッシュアップなのかは分かりませんが、現代のデジタル映像に慣れきった眼にも美しい映像美なのです。残念ながら収録時間は(放送枠の関係なのか)最長ではありませんでした。ここでその内容も整理しておきましょう。ネヴァー・ア・ダル・モーメント(3曲)・Angel/You Wear It Well/Twistin' The Night Away(★)/I'd Rather Go Blind(×)スマイラー(3曲)・Bring It On Home To Me/You Send Me/Sweet Little Rock'n Roller(★)その他(5曲)・俺と仲間:Take A Look At The Guy/I Can Feel The Fire・その他:Maggie May/You Can Make Me Dance, Sing Or Anything/It's All Over Now/We'll Meet Again(×)※注:「★」印はキース・リチャーズがゲスト共演する曲。「×」印は公式映像『LAST CONCERT』で観られつつ、“THE MIDNIGHT SPECIAL”では未放送だった曲。……と、このようになっています。公式映像版と比較すると2曲「I'd Rather Go Blind」「We'll Meet Again」が少なく、曲間も短く編集されています。特に「I'd Rather Go Blind」はキースも登場するだけに、何とも歯がゆいところです。その一方、公式映像になかったのは最後に収録されたロッド・スチュワートのインタビュー。番組ロゴを背景にした独自インタビューであり、JEFF BECK GROUP時代についても触れるロッドの姿が観られる。このインタビューは本編ライヴから輪をかけて美しい超絶級のクオリティだったりします。歴史的にも有名な象徴映像のデジタル・クオリティ版です。今回の“THE MIDNIGHT SPECIAL”発掘の威力を端的に教えてくれる傑出の1枚。伝説番組の公式アーカイヴマスターがリリース。キース・リチャーズもゲスト参加するキルバーン公演の有名映像ですが、その映像美は前代未聞のデジタル・クオリティ。ロッドの番組独自インタビューも観られます。Gaumont State Theatre, London, UK 23rd December 1974 PRO-SHOT Broadcast Date: 25th April 19751. It's All Over Now 2. Bring It On Home To Me 3. You Send Me 4. Take A Look At The Guy 5. Angel 6. I Can Feel The Fire 7. You Can Make Me Dance 8. You Wear It Well 9. Maggie May 10. Sweet Little Rock & Roller (with Keith Richards) 11. Twistin' The Night Away (with Keith Richards) 12. Rod Stewart Interview with Wolfman Jack ★ベック時代の話も出ます Rod Stewart - Vocals Ronnie Wood - Guitar, Vocals Kenney Jones - Drums Ian McLagan - Keyboards Testu Yamauchi - Bass PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.62min.