90年代の最高傑作『THE LADDER』を送り出し、世界中のプログレ者を刮目させた1999年のYES。「本生100%版のHOUSE OF YES」とでも言えそうなハイクオリティ映像がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1999年12月4日トロント公演」。“THE LADDER Tour”の一幕で撮影されたオーディエンス・ショットです。1999年と言えば、何よりもオフィシャルの映像作品『HOUSE OF YES: LIVE FROM HOUSE OF BLUES』が象徴。良い機会でもありますので、ワールド・ツアー全景を振り返ってポジションを確かめてみましょう。1999年・9月6日ー24日:中南米(9公演)・10月15日ー12月13日:北米(43公演)←★ココ★ 2000年・2月6日ー3月25日:欧州(31公演)《ビリー・シャーウッド離脱》これが1999年/2000年のYES。「南米→北米→欧州」というシンプルな構成で、ツアー終了後にビリー・シャーウッドがバンドを離脱。YESは『MAGNIFICATION』プロジェクトへと進んでいきます。そんな中で本作のトロント公演はメインとなる「北米」レッグの36公演目。公式映像『HOUSE OF YES』の収録は「1999年10月31日」ですかあら、その約約1ヶ月後にあたります。そんなショウで記録された本作は、かなり珍しいオーディエンス・ショットでもある。何が珍しいかと言えば、アングル。ステージ右側(スティーヴ・ハウ側)からの見下ろしショットなのですが、その見下ろし角度が尋常ではない。なんとステージのほとんど真上。ステージ中央で歌うジョン・アンダーソンも、クリス・スクワイアも横側でしか映らない。ハウに至っては、ほとんど断崖絶壁の下をのぞき込むような角度で、特徴的な頭頂部(失礼!)がハッキリと見えるのです。ジョンがカメラ方面に向かって手を振ると喝采が沸くので客席らしいのですが、視界だけで言えばスタッフ視点、それも舞台天井裏に控える「大道具さん視点」とでも表現するしかありません。そんな特異な視点だけに、目の前を遮蔽するものはもちろんゼロ。それどころか視界全体が完全にメンバーだけで占領され、観客の様子さえうかがえないほど“100%YES”な映像なのです。そして、そこから果敢に攻めるズームも凄い。アングル角度が特殊なだけに「まるでプロショット」とは言い難いのですが、メンバーの近さはオーディエンス離れしたもの。最接近するとジョンの歯並びまでハッキリと見えるのです。サウンドもまた素晴らしい。PAが観客向きなのでダイレクト感とまでは言えないものの、遮蔽物ゼロらしいクリアさはたっぷりと味わえるのです。そんな特等席から楽しめるのは、シャーウッド/イゴール・コロシェフを擁した90年代最強の布陣で繰り広げられるフルショウ。セットは『HOUSE OF YES』に準じるものの、まったく同じでもありませんので比較しながら整理しておきましょう。ラダー(5曲)・Homeworld/Lightning Strikes/The Messenger/It Will Be A Good Day/Face To Face クラシックス(11曲)・サードアルバム:Yours Is No Disgrace/Perpetual Change/I've Seen All Good People・ロンリーハート:Hearts(★)/Cinema/Owner Of A Lonely Heart・その他:Time And A Word/Roundabout/And You And I/Nous Sommes Du Soleil/Awaken ※注:「★」印は公式映像『HOUSE OF YES: LIVE FROM HOUSE OF BLUES』で観られなかった曲。正直なところ、発掘された元映像では、ディスク2にデジタル化の際に起きたらしいエラーがあり、ところどころ(瞬間的に)画面が乱れる(お手持ち機材の故障ではないのでご安心ください)。そのため、永久保存プレスDVDというわけにはいきませんでしたが、可能な限りの調整を施しました。そのため完璧な映像作品ではないのですが、そんな欠点を押しても非常に珍しい視点と素晴らしい基本クオリティでYESショウを堪能できる逸品なのです。“90年代随一の傑作”とも評される名作『THE LADDER』をモノにし、久々に音楽的なピークを味わっていたYES。残念ながら日本公演は実現しなかった“THE LADDER TOUR 1999-2000”を(それも大道具さん視点で)本生体験できる傑作映像です。さまざまに姿を変えてきたYES史でも貴重な1本。名作『THE LADDER』時代の絶景映像がリリース。まるでスタッフになったような視界のオーディエンス・ショットで、『HOUSE OF YES』を現場で観ているような体験感。90年代最強と言われたコロシェフ/シャーウッド編成のフルショウを楽しめます。Live at Massey Hall, Toronto, ON. Canada 4th December 1999 AMAZING SHOT!!! Disc 1 (68:16) 1. Yours Is No Disgrace 2. Time And A Word 3. Homeworld 4. Perpetual Change 5. Lightning Strikes 6. The Messenger 7. Nous Sommes Du Soleil 8. And You And I 9. It Will Be A Good Day Disc 2 (61:53) 1. Face To Face 2. Hearts 3. Awaken 4. I've Seen All Good People 5. Cinema 6. Owner Of A Lonely Heart 7. Roundabout Jon Anderson - Vocals Steve Howe - Guitars Billy Sherwood - Guitars Chris Squire - Bass Alan White - Drums Igor Khoroshev - Keyboards COLOUR NTSC Approx.130min.