1994年「VOODOO LOUNGE」ツアーの最初期のライブが正式に撮影されてプロショット映像がリリースされていたことを覚えている方はいらっしゃいますでしょうか?もちろんライブ・ビデオとして映像がリリースされたのは11月のセント・ルイスです。しかしそれより前、まだアメリカ・ツアー進行中にライブ・ビデオとしてではなく、コンサート会場のグッズの一環で売られたビデオがありました。それが8月14日のジャイアンツ・スタジアムのライブを捉えたプロショット映像だったのです。当時はサウンドボードやプロショット映像の登場が渇望されていましたので、そんな超速リリースでプロショット映像が登場したことは驚かされたものです。ところがその後にセント・ルイスや来日公演といった定番映像が次々にライブ・ビデオとしてリリースされたことからジャイアンツ・スタジアムのビデオは不完全版ということもあり、忘れ去られてしまった感がありました。今回はそのグッズ・ビデオを初めてDVD化。マニアの方であればこの映像に久々に接せられることに懐かしさを覚えられることでしょうし、今回のリリースで初めてこの映像を見られる方でしたらば驚かれること間違いなしでしょう。その映像は元々ライブ・ビデオとしてのリリースよりも、とにかくグッズとして速攻でリリースすることが前提でしたので、映像はライブ・ビデオのそれよりもPVのようなカット割りの作りとなっており、しかも曲間では務めて観客や客席を映し出すなど、とにかくライブの熱狂を演出した作りがとても変わった映像です。それにレーザーディスクでリリースされた訳ではありませんので、わずかに画質の荒さも感じられますが、それでも安心して見られるクオリティを保証します。それにしてもツアーが始まってまだ二週間という地点での映像収録ですので、さすがのストーンズも演奏の固さが拭えません。ところがそれこそが見ていて非常に面白いものであり、お馴染みの東京ドーム公演の映像とは演奏の雰囲気がまるで違うからまったく見飽きません。「Miss You」や「It's Only Rock 'n Roll」におけるグルーブ感のなさ(笑)にはびっくりさせられるほどですが、全体的には遊びのない端正な演奏だということです。しかも「Street Fighting Man」ではミックもバンドも最後の歌パートに入るタイミングを見失ってしまうというハプニングまで起きてしまいます。ホント、よくこの演奏をカットせずに収録したものですよね…。それもあくまで「グッズ」として速攻リリースされた結果なのでしょうか。このように、ただレアなプロショット映像ということだけでなく、ツアー序盤の慎重なストーンズの演奏が見られるという点が最高に面白く、それをDVDに収録しました。Live at Giants Stadium, East Rutherford, New Jersey, USA 14th August 1994 PRO-SHOT (87:35) 1. Opening 2. Introduction 3. Not Fade Away 4. Tumbling Dice 5. You Got Me Rocking 6. Shattered 7. Rocks Off 8. Sparks Will Fly 9. Satisfaction 10. Out Of Tears 11. Miss You 12. Band Introductions 13. Honky Tonk Women 14. The Worst 15. Monkey Man 16. Start Me Up 17. It's Only Rock 'n Roll 18. Street Fighting Man 19. Brown Sugar 20. Jumping Jack Flash 21. After The Show PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.88min.