ロック史に夢のカップリング・ライヴは数あれど、ここまで豪華でファン心理にシンクロした組み合わせはなかった。そう、そのカップリングとはKISS & AEROSMITH。そう、2003年の話題を独り占めした世紀のツアー“Rocksimus Maximus/World Domination Tour(通称AeroKiss Tour)”の超・極上映像がリリース決定です!それにしても豪華。それにしても見事。KISSとAEROSMITHと言えば、単にロック界の超大物というだけではありません。70年代に健全な少年少女にロックの毒気を教え込み、人生を狂わせてしまった罪深き2大バンド。ここ日本でも身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。そのライバル2組が一晩のうちにステージを分け合うカップリング・ツアーを行うとは……。残念ながら、ここ日本では直前にKISSが来日したものの、世紀の対決は体験できませんでした。本作は、そんな乾きを癒す超極上のオーディエンス・ショットなのです。カップリング・ショウは北米のみで約60公演が実現しましたが、本作に収められているのはそのうち「2003年12月20日フレズノ公演」。ツアー最終日を完全収録しており、ディスク1にKISS編、ディスク2にAEROSMITH編を配した2枚組です。そんな本作のクオリティは強力無比。何よりも嬉しいのは、2バンドを同一ポジションで見られる体験感。いかに現場が同じステージであろうとも、撮影者が異なる別アングルでは、丸っきり別々のショウに見えてしまう。しかし、本作は完全に同じ視点、同じクオリティで連続して体験できるのです。しかも、その視点が素晴らしすぎる。ステージ正面の2階席最前列から撮影されており、視野を遮る前列の影が一切ない。その上、安定感がバツグン。13年前の映像だけに現在ほど強力な手ブレ防止機能はなかったはずですが、見どころを追いまくってもブレない。そしてデジタル全開な画質と、遮蔽物ゼロのクリア・サウンド……。まるで会場にドローンを飛ばして撮影したかのように2大バンドだけが視界を占領する特等席ショットなのです。ディスク1:KISS編(ピーターのラストショウ) そんなクオリティで描かれる2大バンドは、これまた単なる抱き合わせ以上。2大バンドがしのぎを削った70年代を現代技術に甦らせたようなムードが素晴らしすぎるのです。まずKISSですが、これはもう徹底的に70年代グレイテスト・ヒッツ。それを21世紀のテクノロジーでアップデートし、パイロも仕掛けも超ド派手。素晴らしく70年代的でありつつ、70年代には成し得なかったハイパー・スペクタクルを体感できるのです。エースはすでに去っているものの、“FAREWELL TOUR 2000-2001”を途中離脱していたピーターは戻っており、本作でも「Beth」を歌う。さらに、この日はピーター58歳の誕生日当日。ポールに煽られて会場中を巻き込むバースデー・ソングの大合唱が起こり、女声2人がケーキを持ってくるのです。しかも、この日はツアーの最終日であり、その後ピーターはKISSを離脱。つまり、本作こそがピーター最後の勇姿なのです。ディスク2:AEROSMITH編 代わってのAEROSMITHはKISSとは真逆の手法で70年代ムードを発散する。実のところ、GEFFEN時代以降のヒット曲も大量に演奏するオールタイム・ベスト。曲目を見ても70年代感はほとんどないのですが、実際に目撃すると違う。ステージ・セットは極めてシンプルで、まるで70年代の会場をデジタル画質で見ているかのよう。ショウもオープニングから宣言するような「Let The Music Do The Talking(音楽にモノを言わせろ)」で切り出し、バンド自身の力業でグイグイと押しまくる。そして、KISSは一切使わなかった花道を練り歩き、見せつけるように観客をノセていくのです。70年代的なロック精神を最新ヒットも織り交ぜて叩きつけるステージは、KISS70年代演出を現代技術でアップデートしていたKISSと真逆。どちらも70年代を駆け抜け、現代まで最前線を生き抜いた彼らにしかできない“当時と現代の融合”なのです。このツアーの成功がよほど印象に残ったのか、両雄は数々のカップリングツアーを行いました。AEROSMITHはレニー・クラヴィッツやMOTOLEY CRUE、ZZ TOPと合流し、KISSもMOTOLEY CRUE、DEF LEPPARDと世界を湧かせた。それぞれに豪華なカップリングでしたが、この“AeroKiss Tour”ほど両雄が輝き、時代感まで滲み出すツアーはありませんでした。まさに“KISSとAERO”だからこその空間。Live at MCI Center, Fresno, CA. USA 20th December 2003 AMAZING-SHOT!! Disc 1 : KISS 1. Introduction 2. Detroit Rock City 3. Deuce 4. Shout It Out Loud 5. Let Me Go, Rock 'n' Roll 6. Lick It Up 7. Firehouse 8. I Love It Loud 9. I Want You 10. God Of Thunder 11. 100,000 Years 12. Black Diamond 13. Beth 14. Love Gun 15. Rock And Roll All Nite Paul Stanley - Guitar & Vocal Gene Simmons - Bass & Vocal Tommy Thayer - Lead Guitar Peter Criss - Drums COLOUR NTSC Approx.92min. Disc 2 : AEROSMITH 1. Introduction 2. Let The Music Do The Talking 3. Love In An Elevator 4. Same Old Song And Dance 5. Pink 6. Jaded 7. Rag Doll 8. Rats In The Cellar 9. What It Takes 10. Stop Messin' Around 11. Baby Please Don't Go 12. Dream On 13. Toys In The Attic 14. Cryin' 15. Walk This Way 16. Band Introduction 17. Bass Solo 18. Sweet Emotion COLOUR NTSC Approx.87min. Steven Tyler - Vocals Joe Perry - Guitar Tom Hamilton - Bass Joey Kramer - Drums Brad Whitford - Guitar