最新ヨーロッパツアー、ロイヤル・アルバート・ホール公演の極上オーディエンスショット映像!遂に始まったエリック・クラプトンの2024年最新ヨーロッパツアーから、5月20日に行なわれたロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール初日公演の素晴らしいオーディエンスショット映像のリリースです!先週はツアー2日目、5月14日のリバプール公演の良質ステレオ・オーディエンスマスターを「Liverpool 2024」としてリリースさせていただき、ご好評をいただいておりますが、今週は今回のツアーステージの全貌を視覚的に楽しめる映像の登場というわけです。本当にきれいな画質、良好な音声で、非の打ちどころのない優れたクオリティで収録されています。アングルは、ステージに向かって右の2階スタンド席から、前方に一切の障害物のない状況で撮影されています。引きのショットではステージ全体を縦に見る形で全景が収められており、ズームアップすると、クラプトンのウェストアップの大きな映像が楽しめます。クラプトンはグレーのシャツにグレーのスーツ姿。昨年12月にガザ支援のチャリティコンサートとして行なわれた「SAVE A CHILD Concert (For GAZA Children) 」(当店でも映像をDVDでリリース済み)で使用したパレスチナの国旗カラーにペイントされたストラトをここでも弾いています。このツアーは、「Liverpool 2024」のレビューでも述べましたが、前回ツアーとはセットリストが大幅に変更されていたことが大きな魅力となっていて、書き下ろしたばかりの新曲からレア度の高いナンバーがいくつもセットインしています。このハイクオリティな映像で最新のステージを観られるだけでもファンには大きな喜びでしょう。バンドメンバーは、キーボードがポール・キャラックに代わり、クラプトンバンドではお馴染みの一人であるティム・カーモンにチェンジしただけで、他は昨年ツアー時と変わっていません。そのため、アンコールナンバーが、近年キャラックをフィーチャーしていたHigh Time We Wentから変わっています!盤石の演奏を展開する、信頼のおける実力派のメンバーに囲まれたクラプトンは、サプライズを含み、とても充実したパフォーマンスを披露しています。ステージに登場するシーンから、最後のメンバー全員でのご挨拶シーンまで、完璧に収録された素晴らしい映像です。是非ご鑑賞ください。昨年ツアーとは異なる意外なセットリストが魅力!さすが、クラプトン。79歳を迎えても元気な姿でツアーを開始し、地元ロンドンでも素晴らしいステージを見せてくれました!しかもここ数年の代わり映えのしないセットではなく、サプライズを含むセットリストの変更をしてくれました。まずは、オープニングが驚き。Blue Dustと題されたこのインスト曲、昨年逝去したジェフ・ベックに捧げ、同年4月の日本公演で初めて披露したBlue Rainbowのバリエーションでした!まだ公式レコーディングさえしていない新曲のバリエーションに早くも取り組んでいたとは・・・。これだけでもクラプトンの旺盛なクリエイティヴィティが窺えます。3曲目のHoochie Coochie Manの前には、偉大なるギタリスト、ジョン・マクラフリンがこのコンサートを観に来ていることをオーディエンスにアナウンスして喝采を呼びかけるシーンがあります。さらにサプライズは続きます。何と4曲目にはリバプール公演とは異なり、Badgeがプレイされます。そして前半エレクトリックセットの最後を飾るのは、新曲のPrayer of a Child。この曲は、前述の「SAVE A CHILD Concert (For GAZA Children) 」の冒頭に会場で流されたインスト曲「Voice Of A Child」に新たに歌詞を付けて発表したものです。クラプトンの、戦禍に苦しむ子供たちへの強いメッセージを込めた曲だけに、逸早く聴いてほしかったのでしょう。アコースティックセットに移っては、まずこの日がクラプトンの伯母さんに当たるシルヴィアさんの91歳の誕生日であることを告げ、Happy Birthdayを歌うところからスタートします(クラプトンは、2001年リリースのアルバム「REPTILE」に、シルヴィアさんとその夫であった故エイドリアン伯父さんに捧げた楽曲Son & Silviaを収録しています)。このセクションでは、2005年のアルバム「BACK HOME」からのタイトルナンバー、Back Homeがプレイされています。この曲も2006年ツアーで序盤の数公演のみプレイしただけだった超レア曲でした。ここには家を失ったガザの人たちへの想いも込められているのでしょうか。エレクトリックセットに戻っての1発目は、パワフルなドミノスナンバー、Got to Get Better in a Little While。先述の「SAVE A CHILD Concert (For GAZA Children) 」でも久々に取り上げ、クラプトンも久しぶりに躍動感溢れるプレイを楽しめたことから、セットインさせたものと考えられます。ここでもソニー・エモリーの卓越したスティックさばきは素晴らしいです。ここからクラプトンは、濃紺のストラトをプレイしています。そしてこの後にブラインド・フェイス時代の名曲Presence of the Lordをプレイ。2011年のスティーヴ・ウィンウッドとのジャパンツアー以来、プレイしていなかったナンバーです。13年ぶりのセットイン。またこの曲が聴けるなんて・・・。ドイル・ブラムホールがもう一本のギターでサポートするこのバージョンもなかなかいいものです。さすがにもうサプライズはないかと思っていたところ、この日の特別演出として、Cocaineの前にはプロローグとしてライル・メイズ作の Close To Homeという曲がネイザン・イーストによってプレイされています。そして最後の最後でまだサプライズはありました。アンコールが、クラプトンのお気に入りのブルースBefore You Accuse Meだったのです。こうして聴いてきますと、クラプトンというアーティストが、いろいろな事、いろいろな人を想ってセットリストを組んだことがお分かりいただけるでしょう。もちろん根底にはプレイしたい、という気持ちが一番あるのは当然ですが、そこに自らの想いを込めて披露したいと考えているように思えます。失った親友、戦争の絶えない世界、憧れのブルースマン、これまでのキャリア。様々な想いがクラプトンの胸に去来した結果としてのこのセットリスト、このライブパフォーマンスです。注目いただきたいのは、リバプール公演同様、LaylaとWonderful Tonightが外れていることです。今のクラプトンを表現するには、もうラヴソングは必要ないということでしょうか。それにもかかわらず充実したステージを成立させています。Royal Albert Hall, London, UK 20th May 2024 AMAZING SHOT!!! 1. Blue Dust 2. Key To They Highway 3. Hoochie Coochie Man 4. Badge 5. Prayer Of A Child 6. Driftin’ 7. Nobody Knows You When You’re Down And Out 8. Back Home 9. Tears In Heaven 10. Got To Get Better In A Little While 11. Presence Of The Lord 12. Crossroads 13. Little Queen Of Spades 14. Close To Home (Nathan East) 15. Cocaine 16. Before You Accuse Me (Encore) Eric Clapton – guitar / vocals Doyle Bramhall II – guitar / vocals Chris Stainton – piano / keyboards Tim Carmon – Hammond / keyboards Nathan East – bass / vocals Sonny Emory – drums Katie Kissoon – backing vocals Sharon White – backing vocals