録音の秘境でありながら、実はハイパーな名演が連発していた“A BIGGER BANG Tour”のオセアニア・レッグ。その真価を目撃できる傑作映像がリリース決定です。そんな本作が撮影されたのは「2006年4月13日メルボルン公演」。そうリリースされる新名盤『MELBOURNE 2006』と同じショウを真空パックしたオーディエンス・ショットです。当時は珍しかったマルチカメラ編集の名作 海外マニアが制作したマルチカメラ編集作品なのですが、これが実に素晴らしい。ひと口に「マルチカメラ編集」と言っても個性派様々だったりしますが、本作はしっかりと作り込まれ、1曲中でもアングルが変わるタイプです。とは言え、最新ツアーのような「プロショット代わり」をイメージするとそれもチョット違う。何しろ、本作の現場は2006年。初代iPhoneやAndroidが革命を起こすのは翌2007年のことであり、当時はそんな未来が来るとは想像も出来ない前夜。誰も彼もが撮影するわけではなく、まだまだ素材数がケタ違いに少ない時代でした。そのため、本作で使われている映像も2ー3種と言ったところですが、その代わり(?)アングル1つひとつが入念に撮影されている。メイン・カメラはステージ中央を正面に見据えた中距離ショットで、これが絶妙。直写でステージをトータルに捉えつつ、背後のスクリーンも同時に大写しにしている。つまり、現場スタッフが撮影しているプロショットのドアップを見つめつつ、スクリーン外で起きている他メンバーの様子も同時に視界に入る。スクリーンと直写のオイシイどこ取りなのです。そして、そんなメイン・カメラに挿入されるのが遠景ショット。いわゆるメンバーが豆粒大の映像ですので多用はされていませんが、その挿入タイミングとさじ加減が絶妙。ここぞのアップが必要なシーンはあえて避け、メイン・カメラでは飽きが来る頃になるとスッと切り替えて新風を吹き込む。違和感も嫌味も感じさせず、それでいてアップだけでは伝わらない会場スペクタクルもさり気なく意識下に忍ばせてくるのです。さらにマルチカメラに一本芯を通す音声も素晴らしい。初期のマルチカメラ作品には、音声ごとツギハギしたものも珍しくなかったりするのですが、コロコロ音質が変わると没入感が台なしになってしまいます。その点、本作は心配なし。アングルが変わっても音声はビシッと党イルされており、しっかりと作品として楽しめる。しかも。そのサウンドがすこぶる良い。さすがに「Waz From Oz」録音の新名盤『MELBOURNE 2006』には及びませんが、本作もまた十分に名録音級なのです。ハイパーテンションの大熱演をマルチカメラで目撃 そんな編集技で甦るのは、知られざるオセアニア・レッグの大名演。詳しくは新名盤の解説に譲りますが、怒濤のセットリストとハイパー・テンションが爆裂するステージは圧巻です。特にミックのアクションの凄い事! ハイ・テンションなのはライヴアルバムでも十分に分かりましたが、アクションで見せつけられるとインパクトは数百倍。単に運動量が多いだけではなく、その一挙手一投足がキレッキレ。客席を指差す動作1つを取っても、指先の伸びさえシャープで画になっている。そして、そんなミックを目の当たりにしたらメンバー達も熱くならないわけがない。特にキースは絶好調。これまたライヴアルバムでもやたら元気よく感じましたが、光景がそれを裏付けてくれる。入魂の「Happy」も映像付きだと気合いの入り方が肌感覚で伝わってきますし、特にズーム多用の曲後半は本作のハイライトでもあります。ハイライトと言えば、ラストの「Brown Sugar」。勢い余って崩れるシーンも、さり気なく視線を交わしながら立て直しを図る姿も目撃できる。前日のシドニー公演では不参加だったボビーのソロもばっちりです。録音でさえ数少ない“A BIGGER BANG Tour”のオセアニア・レッグ。そのフルショウをマルチカメラで楽しめる映像作品です。名盤『MELBOURNE 2006』に広がる「向こう側」を教えてくれる1枚ではありますが、本作自体が音楽映像の大傑作でもある。日本公演の熱気を南半球にも持ち込んでいた“A BIGGER BANG Tour”の大熱演。“A BIGGER BANG Tour”のオーディエンス・ショットがリリース。当時はまだ珍しかったマルチカメラ編集作品で、センスの良い作り込みが素晴らしい。ハイパーテンションと評判の大熱演を目撃できる傑作です。Rod Laver Arena, Melbourne, Australia 13th April 2006 AMAZING SHOT!!! 1. Intro 2. Satisfaction 3. Let's Spend The Night Together 4. She's So Cold 5. Oh No Not You Again 6. Sway 7. Worried About You 8. Ain't Too Proud To Beg 9. Tumbling Dice 10. Night Time (Is The Right Time) 11. Band Introductions 12. This Place Is Empty 13. Happy 14. Miss You (To B-stage) 15. Rough Justice (B-stage) 16. Get Off Of My Cloud (B-stage) 17. Honky Tonk Women (To main stage) 18. Sympathy For The Devil 19. Paint It Black 20. Start Me Up 21, Jumping Jack Flash 22. You Can't Always Get What You Want 23. Brown Sugar COLOUR NTSC Approx.117min.