最新ヨーロッパツアー、フランス、パリ公演2日目の独占オーディエンスショット映像!5月~6月に亘り実施され、成功裏に終了したエリック・クラプトンの2024年最新ヨーロッパツアー。全14公演中、最後から4公演目に当たったフランス、パリ2日目公演を完全収録した良好なオーディエンスショット映像。この映像は、当店が独占入手したオリジナル映像で、ネットには公開されていないものです。アコール・アリーナ、ステージに向かってやや左に位置する2階席からの完全固定の撮りっぱなし映像ですが、ステージ全景とステージ上に設置された4枚の縦型スクリーンが綺麗に安定して収められているので、ストレスなくショウの全貌を楽しむことができます(一番右のスクリーンが少し扁平している感じです)。ステージの様子とスクリーンにフィーチュアされるクラプトンやメンバーのアップショットが同時に楽しめ、ステージの進行がとてもよく分かる内容となっていますし、スクリーン4枚に配される映像のバリエーションも楽しめます。音声の方もカメラ内蔵のマイクによる録音ですが、周りにうるさい客もいないため、良好なステレオ・オーディエンス録音で収録されており、席の遠さを感じさせるような音質の悪さはまったくありません。クラプトンのルックスは、濃いグレーのシャツに濃いグレーのスーツという姿。ダンディです。昨年12月にガザ支援のチャリティコンサートとして行なわれた「SAVE A CHILD Concert (For GAZA Children) 」(当店でも映像をDVDでリリース済み)で使用したパレスチナの国旗カラーにペイントされたストラトを弾いています。このツアーは、前年ツアーとはセットリストが大幅に変更されていたことが大きな魅力となっていて、書き下ろしたばかりの新曲からレア度の高いナンバーがいくつもセットインしていました。このハイクオリティな映像で最新のステージを観られるだけでもファンには大きな喜びでしょう。バンドメンバーは、キーボードがポール・キャラックに代わり、クラプトンバンドではお馴染みの一人であるティム・カーモンにチェンジしただけで、他は昨年ツアー時と変わっていません。そのため、アンコールナンバーが、近年キャラックをフィーチャーしていたHigh Time We Wentから変わっています!盤石の演奏を展開する、信頼のおける実力派のメンバーに囲まれたクラプトンは、サプライズを含み、とても充実したパフォーマンスを披露しています。是非ご鑑賞ください。昨年ツアーとは異なる意外なセットリストが魅力!改めてこのステージのセットリストを挙げますと、オープニングがまず驚き。Blue Dustと題されたこのインスト曲、昨年逝去したジェフ・ベックに捧げ、同年4月の日本公演で初めて披露したBlue Rainbowのバリエーションでした!まだ公式レコーディングさえしていない新曲のバリエーションに早くも取り組んでいたとは・・・。これだけでもクラプトンの旺盛なクリエイティヴィティが窺えます。アコースティックセットに移っては、2005年のアルバム「BACK HOME」からのタイトルナンバー、Back Homeがプレイされています。この曲も2006年ツアーで序盤の数公演のみプレイしただけだった超レア曲でした。ここには家を失ったガザの人たちへの想いも込められているのでしょうか。そして驚くべきことに、このアコースティックセットでは何と78年リリースの「BACKLESS」収録のオリジナル曲Golden Ringをプレイしています。これはコロナ禍中の2021年にイギリスの古城でスタジオライブ録音された企画盤「The Lady In The Balcony: Lockdown Sessions」に収録されたナンバーでした。恐らくそこでのアコースティックアレンジが気に入り、本公演で披露したものと思われます。オーディエンスを前にしたコンサートライブでプレイしたのは、78年ツアー以来46年ぶりのことです。これはこの日の目玉の一つと言えるもので、フル演奏シーンが観れるだけでも貴重です。この日にプレイされたTears In Heavenでは、イントロをプレイ中のクラプトンが「デヴィッド・サンボーン!」と叫んでいるという、貴重な一瞬があります。つまりこの日のこの演奏を、5月12日に逝去した友人サキソフォニスト、デヴィッド・サンボーンに捧げたのでした。この曲の歌詞は、天国の彼に向けても当てはまるものだったからでしょう。振り返れば、クラプトンとサンボーンは1986年の映画「LEATHAL WEAPON」のサントラ以来、長年に亘り本当に多くのセッションで共演してきただけに、彼の死はクラプトンにとってはとても寂しく感じられたことでしょう(サンボーンはクラプトンのアルバム「JOURNEYMAN」にも参加していますし、クラプトンもサンボーンのアルバム「UPFRONT」に参加するという、盟友と言える関係でした)。ジェフ・ベックとともに友人を大切に思うクラプトンの心情が慮られます。エレクトリックセットに戻っての1発目は、パワフルなドミノスナンバー、Got to Get Better in a Little While。先述の「SAVE A CHILD Concert (For GAZA Children) 」でも久々に取り上げ、クラプトンも久しぶりに躍動感溢れるプレイを楽しめたことから、セットインさせたものと考えられます。ここでもソニー・エモリーの卓越したスティックさばきは素晴らしいです。中盤のエモリーのドラムソロでは、それにノリノリで身を委ねるクラプトンの姿がスクリーンに映し出されるのも一興です。そしてこの後には、Holy Motherがプレイされます。この曲を演奏したのは、2019年ツアー以来5年ぶりでした。聖母マリアに向けて、早く迎えに来てくださいと乞うこの曲も、戦禍で傷ついたり、家族を失ったりした人々へ思いを馳せたものと言えるかもしれません。意外なナンバーが次々演奏される中、次に演奏されたCrossroadsは、何とブギーバージョンのアレンジになっています。このアレンジでのプレイは非常に珍しく、過去にこのバージョンで演奏されたことはありません。今ツアーでは5月21日のロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール2日目公演に次いで二度目となります。これは一聴の価値ありです。さすがにもうサプライズはないかと思っていたところ、特別演出としてCocaineの前にプロローグとしてライル・メイズ作の Close To Homeという曲がネイザン・イーストによってプレイされています。そして最後の最後でまだサプライズはありました。アンコールでは、クラプトンのお気に入りのブルースBefore You Accuse Meがプレイされます。メンバーにソロが回されてクラプトンに戻って来たところで、何とあのHideawayの1パートをプレイしているのです。そして歌パートへ。なかなか粋な構成で、ブルースファンなら思わずにやりとされるでしょう。アンコールが終了し、メンバー全員一列に並んでのお辞儀まで収められていますが、一列に並ぶ前にクラプトンがドイル・ブラムホールと熱いハグをするシーンが捉えられています。これを見ると、本当にクラプトンがドイルの好サポートに感謝していることが実感できますね。さらに蛇足ながら、Hoochie Coochie Manのセカンドコーラスでは、クラプトンは歌詞を忘れたようで、適当に自分で歌詞を作って歌っています。こんな珍しいミスもあって、楽しめるパリ公演です。このパリ公演を観ても、クラプトンというアーティストが、いろいろな事、いろいろな人を想って今ツアーのセットリストを組んだことがお分かりいただけるでしょう。もちろん根底にはこうした曲をプレイしたい、という気持ちが一番あるのは当然ですが、そこに自らの想いを込めて披露したいと考えていたように思えます。失った親友、戦争の絶えない世界、憧れのブルースマン、これまでのキャリア。様々な想いがクラプトンの胸に去来した結果としてのこのセットリスト、この充実のライブパフォーマンスです。Wonderful Tonight とLaylaをプレイしなかったツアーというのも珍しいものでした。Accor Arena, Paris, France 27th May 2024 (from Original Masters) (98:32) 1. Introduction 2. Blue Dust 3. Key To The Highway 4. Hoochie Coochie Man 5. Badge 6. Prayer Of A Child 7. Back Home 8. Nobody Knows You When You're Down And Out 9. Golden Ring 10. Tears In Heaven 11. Got To Get Better In A Little While 12. Holy Mother 13. Crossroads 14. Little Queen Of Spades 15. Close To Home 16. Cocaine 17. Before You Accuse Me Eric Clapton – guitar / vocals Doyle Bramhall II – guitar / vocals Chris Stainton – piano / keyboards Tim Carmon – Hammond / keyboards Nathan East – bass / vocals Sonny Emory – drums Katie Kissoon – backing vocals Sharon White – backing vocals COLOUR NTSC Approx.99min.