ケルンと同じくリリースされる1992年ブエノス・アイレスもまた映像ベースの音源。そこで同日のテレビ放送を収録したDVDを用意しました。もっとも1993年の南米クオリティな放送でしたので、モノラルだった音声は元より、画質そのものがケルンに比べると劣ってしまうのは致し方ないところ。それでも当時はケルンと並んでキースの最新ライブ映像として大変にありがたがられたものでした。また録音状態だけでなく撮影されたカメラ割りもブエノス・アイレスのスタジアムという大会場ライブの盛り上がりを捉えるどころか、むしろ客席が映らないなど、ライブ映像としての完成度も高かったケルンと比べると、これまた当時の南米クオリティらしいラフな仕上がりかと。とはいえ何が面白いかって、ライブの雰囲気やキースの振る舞いが三週間後のケルンとまるで違うこと。そこではキースが明らかに緊張気味でした。それに対しブエノス・アイレスでも「Gimme Shelter」辺りまでは緊張している風に見える。ところが同曲を終えた辺りで巻き起こった「オーレオーレ」コールにキースの表情が思わずほころびます。そんな陽気な南米ならではの盛り上がりのおかげもあって、キースの緊張も解け、これが92年最初のライブ活動だとは思えないほど彼もリラックス。「How I Wish」ではお得意のアクションを交えながらのキースらしさが炸裂。さらに傑作なのが「Too Rude」のカメラアングル。同曲ではスティーブ・ジョーダンによる語りが入りますが、あいにくとシンバルが邪魔をして彼の表情が捉えられない。そこでテレビ局は慌てて語りの主を捉えようとアングルが右往左往してしまう様子に爆笑。そしてキースがライブ後半までずっと上着を着たまま演奏し続けているのも印象的。何しろケルンでは緊張から汗だくになって彼がすぐに上着を脱いでいたのですから。それがここでは陽気な盛り上がりを受けて彼も堂々とした様子でステージに挑んでいる。何ならケルンよりも後のステージであったのかと錯覚してしまいそうなほど。音声だけでもクリアーな音質と相まって大いに楽しめる今回のブエノス・アイレスですが、こうして映像込みで見るとまた実に面白い!Estadio Velez Sarsfield, Buenos Aires, Argentina 7th November 1992 PRO-SHOT 1. Intro 2. Take It So Hard 3. Eileen 4. Runnin' Too Deep 5. Gimme Shelter 6. Yap Yap 7. How I Wish 8. 999 9. Bodytalks 10. Demon 11. Time Is On My Side 12. Before They Make Me Run 13. Hate It When You Leave 14. Too Rude 15. Wicked As It Seems 16. Will But You Won't 17. Happy 18. Whip It Up 19. Connection PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.96min.