WHITESNAKEにとって「COME AN' GET IT」リリース直後の1981年ライヴは、バンド初期のピークといえる、素晴らしい充実度に満ちています。その様子は同年6月下旬に行われた2度目のジャ パンツアーでも明らかで、「DRAGONSNAKE」を筆頭とする、多くの音源で証明されています。しかしこの'81年ライヴは、来日公演以外の音源が思 いのほか少なく、当時彼らがヨーロッパやアメリカでどのようなライヴを披露していたのか、あまり知られていません。本作「HOT STUFF」は、その「COME AN' GET IT」ヨーロッパツアーより、3公演目に当たる4月20日のスイス・チューリッヒ公演を、100分以上に渡って高音質オーディエンス録音で収録。貴重なツ アー初期のライヴを、良質なサウンドでじっくりと楽しめます。この日の音源はトレーダー間において、ショウ中盤の「Mistreated」以降を捉えたものが知られていました。しかしライヴの全貌を収録したコレク ターズ・アイテムとしては本作が初登場。'81年ツアーの最初期を優れたクオリティで収めた内容は、前回のリリース直後からマニアをも驚かせました。「い かにもカセット・マスター」といった音像ながら、良い意味でアナログな質感を湛えたサウンドは、ライヴ・テープならではのヴィンテージ感ある味わい。さら に音の鮮度とダイレクト感は抜群で、当時のWHITESNAKEが放った演奏をリアルに体感できます(録音機材のリミッターが影響しているのか、全体がア タックする場面で音がひっこむ瞬間もありますが、クオリティは総じて良好。観客の歓声もほとんど邪魔になりません)。カヴァデールが開口一番"Are you ready!"と叫ぶオープニングで、ファンはスィッチが入ること請け合い。彼のヴォーカルは「Walking In The Shadow Of The Blues」などライヴ序盤から非常にオンに録音されています。さらに芳醇なジョン・ロードのオルガン、ソロ・バッキングと存在感たっぷりのギターを聴か せるバーニー・マースデンとミッキー・ムーディのツインリードも素晴らしい聴き応えです(まるでクラブで演奏しているようなトーンが鮮烈)! 生々しく低 音を響かせるペイスのドラムも頼もしく、初期のWHITESNAKEライヴを体験する上でお似合いのサウンドと言って良いでしょう。本作は序盤で3連発される「COME AN' GET IT」ナンバーがいきなりの聴き所。特に「Hot Stuff」はレアで、マニアですら「こんな曲も演奏していたのか!」と驚かされるでしょう。名曲「Don't Break My Heart Again」は新曲にしてすでに磐石の印象です。続く「Till The Day I Die」も'81年ライヴでは常に取り上げられていましたが、この位置で演奏されるライヴは新鮮です。ミッキーのスライド・ギターをフィーチャーした 「Lovehunter」、バーニーのプレイをフィーチャーした「Mistreated」が盛り上げるライヴ中盤は、オールド・ファンも「これぞ WHITESNAKE」と大喜びするでしょう。「Soldier Of Fortune」はこの後も現代に至るまでカヴァデールが優れたパフォーマンスを聴かせました。しかし「Mistreated」のラストにインクルードさ れたこの当時のテイクは、特別な感動とともにショウのクライマックスを彩ります!ペイスのドラムをフィーチャーしたジョンのキーボードソロは非常にグルーヴィ。ここから導かれる「Belgium Tom's Hat Trick」では、ペイスのソロも素晴らしい迫力で楽しめます。ここからショウはいよいよクライマックス。バンドのアンセムである「Ain't No Love In The Heart Of The City」から、バンドの人気を押し上げた「 Fool For Your Loving」が劇的に演奏されます。セット本編はロング・バージョンの「Take Me With You」が炸裂! 15分近い演奏の中では、ノリの良いメンバー紹介に続けて「You Shook Me」,「Gypsy Eyes」,「Not Fade Away」のフレーズが次々と飛び出し、楽しい雰囲気の中でセット本編を締めくくります。アンコールでは前作からの人気ナンバー「Sweet Talker」が登場(1:18付近のカットが残念)。ラストはこの時期からアンコールの定番となる「Wine, Women An' Song」が披露されます。同曲は最も盛り上がる5分台の観客合唱パートで、残念ながらカットアウトしてしまいます。ステージにおける演奏ではバンド最良といえるこの時期を、白熱する空気もろともパッケージした本録音は、WHITESNAKEファンなら絶対必聴の一本。この直後の6月に行われた来日公演の音源と併せ、'81年のライヴを堪能させる2枚組です! Live at Volkhaus, Zurich, Switzerland 20th April 1981 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 1. Intro. 2. Walking In The Shadow Of The Blues 3. Hot Stuff 4. Don't Break My Heart Again 5. Till The Day I Die 6. Love Hunter 7. Micky Moody Guitar Solo 8. Love Hunter(reprise) 9. Mistreated 10. Soldier Of Fortune 11. Keyboard Solo Disc 2 1. Belgium Tom's Hat Trick 2. Drum Solo/Belgium Tom's Hat Trick(reprise) 3. Ain't No Love In The Heart Of The City 4. Fool For Your Lovin' 5. Take Me With You incl. Member Introduction, You Shook Me, Gypsy Eyes, Not Fade Away 6. Sweet Talker 7. Wine, Women An' Song David Coverdale - Vocals Bernie Marsden - Guitar, Vocals Micky Moody - Guitar, Vocals Jon Lord - Keyboards Neil Murray - Bass Ian Paice – Drums