今から二十年前に日本のZEPファンを熱狂させたペイジ・プラントの来日公演。1996年当時にはそれこそ膨大な量のアイテムがリリースされたものですが、彼らの活動がアクティブな時代の最新ライブとしてリリースされており、時の経過とともに「ビンテージ」の域に入ろうとしている(何しろ二十年もの歳月が経過してしまったのですから…)現在、レイテスト・アイテムと呼べるリリースはすっかり鳴りを潜めてしまいました。二人がZEP伝説を再現してくれた輝かしき時期、しかも武道館を始めとした日本のステージでも実現…当時の熱狂ぶりを考えると、近年の見過ごされ方が不思議に思えてなりません。そこで登場したのが当店リリースによるCD「BUDOKAN 1996 4TH NIGHT」。今や懐かしさすら覚えてしまうような96年の日々を蘇らせる極上アイテムとして現在もロングセラーと化しています。そこに収録された2月9日のショーは「静」のモードから始まるというレアなパターンが当時話題となったものですし、この大胆な変化によるステージが素晴らしいクリアネスで捉えられていたものです。そして今回リリースされるのは9日の次の武道館ショーであった2月12日。96年の武道館行程の中では終盤に属すものであり、9日と比べてもガラリと変わったセットリストに驚かされた日でもありました。とはいっても全体的な構成は来日公演初日のショーだった2月5日を彷彿とさせる「Immigrant Song Intro/The Wanton Song」を皮切りとして、ZEP初期のナンバーを畳みかけるように演奏するパターン。とにかく96年の来日公演は毎晩でセットリストの変化が激しく、初日のオープニング・パターンが復活したことすら新鮮に思えたものでした。実際にアンコールでは周囲のファンによる(「初日に近いパターンだよね」)という会話も聴かれます。中でも「The Wanton Song」はもしかすると今のプラントが歌えない(声が出ない)曲調の可能性も高く、今になって改めて聴いてみると貴重な演奏だったように感じます。それ以上に9日の静なオープニング・パターンからの変化というインパクトはかなりのもので、当時続けてショーを見られた方であれば、なおさらその思いを強くされたことでしょう。しかし何よりも今回のリリースに際して強調しておきたいのは、凄まじいまでの録音クオリティ。音源の提供者はこれまで当店リリースのストーンズ、クラプトン、ベック等数多くの録音を行った名テーパーのオリジナルDATオーディエンス録音。何しろ音像の近さは1996年の最高レベルと呼べるウルトラ・クオリティ。当時も「10 DAYS」という高音質タイトルがリリースされていたことはよく知られていますが、今回の音源はそれをも軽く凌いでしまう極上のレベル。確かに「10 DAYS」ボックスは総じてオンな音像であったことが高い評価を受けたのですが、今となってはメリハリを欠いた状態に聴こえてしまうのも事実。もちろん当時のイコライズ・テクノロジーのセンスもあったはずかと。その点今回のリリースはオンな音像というのは当たり前、それぞれの楽器の粒立ちやクリアネスが驚異的なレベル。それどころか「Whole Lotta Love」の中間パートに至っては、チョットしたステレオ感まで味わえるのだから驚異的。ペイジ・プラント最大の功労者といっても過言ではないマイケル・リーのドラミングの素晴らしさは「BUDOKAN 1996 4TH NIGHT」リリース時にも触れた通りですが、今回の音源でも見事な質感で捉えられており、迫力のドラミングをたっぷりと味わってください。2008年に39歳の若さでこの世を去ったことが本当に惜しまれます。それ以上に今回の音源で聞き逃せないのは、チャーリー・ジョーンズのベース・プレイ。1996年のオーディエンス録音でここまでベースラインが明瞭に聞き取れてしまうクオリティというだけでも驚きを禁じ得ないものですが、彼とリーのリズム・コンビネーションは本当に素晴らしく、ペイジとプラントを支える新たな屋台骨へと進化していたことを痛感させられること間違いなし。同じジョーンズだからという訳でもないでしょうが、ジョンジーのプレイを見事に消化してみせたプレイは今回のリリースをきっかけとしてぜひ再評価していただきたいポイント。そしてこの日のショーは二日ものオフの後で行われたということもあり、ペイジとプラントも元気いっぱい。9日と比べてショーの前半にて披露されている「Tea For One」などは、特にペイジが閃きをみせていますし、同日に演奏されなかった「The Song Remains The Same」もリズム隊と一体化した素晴らしい勢いが最高の音質で実感できることでしょう。現役ミュージシャン、あるいは現役ギタリスト然としていたペイジのプレイもまた見事な音圧で捉えられているのです。1996年2月12日の月曜は建国記念日の振替休日であり、ショーは通常より少し始まっています。そんな時間的余裕がオーディエンスの反応にも表れているようで、プラントの楽屋で見かけた女性を指して「バッジホルダーじゃないか!また昔みたいなおいたしちゃうぞ…」という発言からもそれが伺えます。それ以上に「バッジホルダー」という往年の言葉が飛び出したことで、思わずニヤリとさせられたマニアが多かったはず。アンコールの「Custard Pie」も今となってはプラントが歌うのは厳しいかもしれません。そんな休日のゴキゲンなショーを驚異の音質で捉えてみせました。これはもう掛け値なしに1996年来日公演のベスト・オーディエンス録音だと断言いたしましょう!とにかく凄い!
Live at Budokan, Tokyo, Japan 12th February 1996 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) UPGRADE
Disc 1 (70:09)
1. Introduction 2. Egyptian Intro 3. Immigrant Song 4. The Wanton Song 5. Bring It On Home 6. Heartbreaker 7. Ramble On 8. No Quarter 9. Hurdy Gurdy Solo 10. Gallows Pole 11. Tea For One 12. Band Introductions 13. The Song Remains The Same 14. Going To California
15. That's the Way 16. Babe I'm Gonna Leave You
Disc 2 (57:33)
1. Whole Lotta Love 2. Yallah 3. Four Sticks 4. Kashmir 5. Custard Pie 6. Rock And Roll





























