本作に収められているのは「1999年4月4日アトランタ公演」のFM放送。快作『BY YOUR SIDE』をリリースしたTHE BLACK CROWESは、その勢いで全米ツアーを開始。日本公演は、その合間にスポット的に実現したものでした。その日本の後には本国に戻ってツアーを続行。本作は、日本公演から約2ヶ月後にあたります。そんな本作は、まさに極上のステレオサウンドボード。本作は予め計画され、キチンと家庭用スピーカー向けにミックスされたFM放送。当時から知られている放送ではありますが、本作では名門「KRW_Co」が公表したDATダイレクト・マスターによるベスト・バージョンを使用しました。そのサウンドは、FMらしい感触が素晴らしい。冒頭にDJやインタビューの入るラジオ放送ですが、ライヴ本編もいかにもラジオ風。卓直結の「そのまんま」感とは違ってステレオ感も整理させ、“聴かせ所”に併せて各パートが特出してくる演出ミックス。もちろん、曲間には大歓声がブワッと沸き上がり、曲が始まるとスッと引く。さらにはMCの放送禁止用語には「ピー」が被ったり(笑)。まさにオフィシャルのライヴアルバムのように作り込まれた完成度なのです。サウンドだけでなく、ショウ自体も本編プレス2CDとはやや違う。(毎日セットをフレキシブルに変えるバンドなので断言は出来ませんが)ツアーが進んだこともあってか、快作『BY YOUR SIDE』の新曲が増量。「Go Tell the Congregation」「Only A Fool」が披露されており、これで『BY YOUR SIDE』全11曲中7曲まで堪能できるのです。さらに『SHAKE YOUR MONEY MAKER』の「Stare It Cold」、『THE SOUTHERN HARMONY』の「Bad Luck Blue Eyes Goodbye」も他では聴けないナンバーです。そんなセットも美味しいですが、場数を重ねてさらに調子を上げたバンドの全力運転も眩しい。ミックスは作り込まれていても、パフォーマンスそのものは荒々しくタフでして、ライヴならではの熱さ全開で猛烈に押し寄せる。本作は「FM用のプロミックス・大会場のスケール感・本場の熱狂」がたっぷりの1本です。これはもう、どちらが良いという話ではありません。一口に“同時期の極上ステレオサウンドボード”と言っても、ここまで違う。1本1本が超強力ライヴアルバムというだけでなく、その違いまでもが面白い極上セット。どうぞ楽しみください。 Live at Fox Theater, Atlanta, GA. USA 4th April 1999 STEREO SBD Disc 1 (47:46) 1. Intro/Interviews/1812 Overture 2. Remedy 3. Go Faster 4. Sting Me 5. Kickin' My Heart Around 6. Stare It Cold 7. Go Tell the Congregation 8. Thick N' Thin 9. Wiser Time 10. Thorn in My Pride Disc 2(46:47) 1. Heavy 2. Blackberry 3. Only A Fool 4. By Your Side 5. Jealous Again 6. No Speak No Slave 7. Bad Luck Blue Eyes Goodbye 8. Twice As Hard 9. Virtue And Vice 10. Outro STEREO SOUNDBOARD RECORDING