アルバム・リリースの度に日本公演を行っている21世紀のIRON MAIDEN。その唯一の例外が“THE FINAL FRONTIER WORLD TOUR”でした。そんな悔しみを晴らす極上ライヴアルバムが登場です。今を去ること6年前、このツアーでもMAIDENは日本に訪れていました。しかし、それはあの東日本大震災の当日。文字通りの“激震”に見舞われていた日本に着いた彼らは、ED FORCE ONEから降りることもままならず、そのままに日本公演は中止になってしまいました。当時の日本人は未曾有の大災害の実感も沸かず、「明日のライヴは大丈夫かな」「え? さいたまスーパーアリーナが避難所!?」「津波って東北の話なんでしょ……」と、次々に入ってくるニュースに茫然。未だに、あの日を鮮明に覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そうして幻に終わってしまった“2011年のIRON MAIDEN”。本来であれば、ライヴだけでなく日本録音も楽しめたはずなのに……本作は、そんな心を鎮めてくれる1本。「2011年2月11日モスクワ公演」の極上オーディエンス・アルバムです。まずは、“THE FINAL FRONTIER WORLD TOUR 2010-2011”の全容から、ポジションを把握してみましょう。
【2010年編】・6月9日-7月20日:北米#1(25公演)・7月30日-8月21日:欧州#1(11公演)
【2011年編】・2月11日:ロシア(1公演)【本作】・2月15日-3月10日:アジア/オセアニア(11公演)・3月12日+13日:日本 ※東日本大震災で中止・3月17日-4月17日:南米/北米#2(15公演)・5月28日-8月6日:欧州#2(35公演)
近年のMAIDENは、2年にわたってツアーを2分割するのが恒例。本作は、第2部“2011年編”の初日を収めたライヴアルバムです。上記のようにこれは日本公演のちょうど1ヶ月前にあたり、「2011年編+日本前」パートの代表作となる名録音なのです。そのクオリティは、まさに極上。実のところ、オーストラリアでも素晴らしい録音が大量にあるのですが、この録音はその中でも「サウンドボードっぽい」ことで知られる。荒縄の如き楽音は猛烈なダイレクト感で迫り、それでいて鳴りも艶やかならディテールも鮮明。ブルース・ディッキンソンの歌声はマイク直結のように浮き立ちますし、スティーヴ・ハリスのバキバキ・ベースも1音1音まで美しい。油断するとゴチャッと固まりがちなトリプル・ギターもしっかりとセパレートしているのです。さらに“サウンドボード感”を演出しているのが大歓声。IRON MAIDENのショウは大合唱が巻き起こるものですが、その唱和が極太の楽音の遙か向こう側に広がる。録音ポジションは分かっていないのですが、まるでステージ上のスタッフが録音したかのように演奏・歌声が強烈に浮き立つ録音なのです。それだけサウンドボードっぽくても、本作はあくまで本生100%のオーディエンス録音。巨大なスケール感もさることながら、ほんのりまとった“鳴り”は降り注ぐような現場感を醸しだし、「今、IRON MAIDENを観てるんだ」感覚を味わわせてくれるのです。 本来は実体験できるはずだった“THE FINAL FRONTIER WORLD TOUR”。今ごろは聴き倒していたはずの日本録音。それは叶わぬ夢となってしまいましたが、その“本来”・“もし”を味わわせてくれる大傑作です。オフィシャルに『EN VIVO!』も残されてはいますが、それとは違う本生感、そして惨劇を知らぬ無邪気な幸福感。そんな現場にハイクオリティ・サウンドで浸りきれる逸品。
Live at Olympiyski, Moscow, Russia 11th February 2011 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1
1. Satellite 15... The Final Frontier 2. El Dorado 3. 2 Minutes To Midnight 4. Coming Home 5. Dance Of Death 6. The Trooper 7. The Wicker Man 8. Blood Brothers
Disc 2
1. When The Wild Wind Blows 2. The Evil That Men Do 3. The Talisman 4. Fear Of The Dark 5. Iron Maiden 6. The Number Of The Beast 7. Hallowed Be Thy Name 8. Running Free
Bruce Dickinson - Vocal Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith – Guitar Janick Gers - Guitar Nicko McBrain - Drums





























