ここまで“濃ゆい”ライヴアルバムが、かつてあったでしょうか。まさにロック史上、最強・最大のギター・アルバムの究極形。一大超絶技巧大会の第2夜を完全収録した極上ライヴアルバムが登場です。とにもかくにも濃厚にして最強のギター・コンサートだった“GENERATION AXE A NIGHT OF GUITARS”。本作に収められているのは、そのうち「2017年4月4日Zepp Namba公演」です。今週は、名古屋公演の姉妹作『NAGOYA 2017』も同時リリースされますので、ここで日程を抑えておきましょう。
・4月3日:Zepp Nagoya 『NAGOYA 2017』 ・4月4日:Zepp Namba 【本作】 ・4月6日:Zepp Tokyo ・4月7日:Zepp Tokyo
このように“GENERATION AXE”のジャパンツアーは全4公演。本作は初日『NAGOYA 2017』に続く、姉妹作の第2弾なのです。姉妹作なのは、何もコンサートだけの話ではありません。本作は録音家も『NAGOYA 2017』と同じ“西日本最強テーパー”氏。その名の通り、西日本のあらゆるライヴスペースを知り尽くし、会場のスウィート・スポットで超名録音を連発している名手。会場音響だけなく、アーティストの音楽性、ファン層の特性までもトータルに分析し、「現場よりも良い音で録る」とさえ評される現代の業師です。『NAGOYA 2017』は、その“最強”氏コレクションでもトップクラスの強力サウンドでしたが、本作も負けず劣らず……と申しますか、勝っている!?!? もちろん、好みのレベルでどちらが上とは軽々に言えないほど両作は超高次元。あえて違いを語るなら『NAGOYA 2017』は透き通るクリアさ、本作はクリアな上に低音の“鳴り”までもが美しいリッチ・サウンドでしょうか。さらに加えて、間近なオーディエンス・ノイズまでもが皆無な超・超・美麗録音なのです。そんなサウンドで描かれるショウは、徹頭徹尾ギター大会。ロック史にひしめくあらゆるギター・アルバムの頂点に立つであろうギター三昧を味わえるのです。複雑なショウ構成は『NAGOYA 2017』の解説をご覧頂くとして、こちらでは各ギタリストの聴きどころに迫ってみましょう。
【ディスク1:トーシン・アバシ&ヌーノ・ベッテンコート】
ディスク1は、5人勢揃いの「Foreplay」からトーシンとヌーノのソロステージまでを収録しています。まず、その「Foreplay」からして凄絶。イントロで5人が思い思いに弾きまくり、途中からはトーシン→ヌーノ→ザック→イングヴェイ→ヴァイとソロ回し。一応、こうして名前を書いてはいますが、実はそれさえ必要がない。音だけでも誰が弾いているか分かる超・個性が全開。かつてのチャリティ・プロジェクト”HEAR ’N AID”を思い起こさせるギターリレーではありますが、あれ以上に強烈なアクが発散されます。そして、ソロステージのトップバッターはトーシン。今回の5人の中で唯一「誰?」となりかねない黒人ギタリストですが、その正体はプログレメタル・バンドANIMALS AS LEADERSのリーダー。デビュー10年&34歳という中堅に差し掛かるキャリアですが、技は5人でもピカイチ。本作でも猛烈なプログレメタルを披露しており、名古屋公演では演奏しなかった「Air Chrysalis」も追加されています。トーシンのラスト曲であるANIMALS AS LEADERSの「Physical Education」から登場するのがヌーノ。もちろん、彼のソロステージで披露されるのはEXTREMEがメインで、メカニカルなプログレメタルから一気に“fun”の世界に様変わり。テクニカルではあってもファンキーにノリにノリまくりです。
【ディスク2:ザック・ワイルド&スティーヴ・ヴァイ】
3番手はザック。ヌーノのラストナンバー「Sideways」で共演し、バトンを受け取ります。彼のステージは自分の曲をやらず、有名曲のカバーで構成。BLACK SABBATHの「N.I.B.」、ジミヘンの「Little Wing」、THE ALLMAN BROTHERS BANDの「Whipping Post」です。5人の中ではもっともオーソドックスなスタイルのザックですが、やはり強引な弾きっぷりと凶暴なハーモニクスは唯一無二。1曲10分もかけて弾き倒し、「Little Wing」では客席に踊り出して最前客にもみくちゃにされながらの熱演を繰り広げます。そして、4番手は本来トリを務めるはずだったマエストロ、スティーヴ・ヴァイ。超・個性派のスーパーギタリスト5人が揃っていながら、やはり彼の超絶個性は絶大。変態フレーズの数々はとにかくカラフルで、他4人の……いえ、世界人類の誰とも違う独自世界を一気に構築する。バケットヘッド、ジョン5、マティアス・エクルンド等々……ヴァイ以降にさまざまな鬼才が登場しましたが、いまだに孤高。エディ・ヴァン・ヘイレンと並び称されるべき、真の天才ぶりを存分に見せつけてくれます。
【ディスク3:イングヴェイ・マルムスティーン】
ソロステージの最後を飾るのは、我らがイングヴェイ。彼もまた超個性の代名詞であり、説明不要の偉人。しかし、本作は“いつものイングヴェイ”では終わらないのです。名古屋公演でもスタッフと口論(?)して観客を不安にさせていたそうですが、この大阪公演ではそれどころではない大トラブルが勃発してしまうのです。その発端は冒頭「Spellbound」。猛烈なスウィープを炸裂!させたかと思いきや、ギターが切れ切れになり演奏を中断してステージ袖に引っ込んでしまう。なんとか機材を調整して再開させるも、それでもやはり音が切れる。次曲「Valhalla」までトラブルに苦しみ続けるのです。このトラブルがよほど堪えたのか、機材が回復してからは全開!のつもりでも上手くいかない。いつも以上に演奏も荒っぽくなり、デレク・シェリニアンとのキメフレーズもボロボロ。そのまま怒り狂ってもおかしくないところですが、そこは常人とは違うのがイングヴェイ。「それがどうした」と言わんばかりに凄まじい音数で弾きまくるのです。その性格も含め、誰よりも主役だったのがイングヴェイ、だったのです。そして、イングヴェイ・ステージのラストナンバー「Black Star」からは豪華共演の3連発。まず「Black Star」ではヴァイが登場して元ALCATRAZZの2巨頭が共演。アンコールの「Frankenstein」ではイングヴェイ以外の4人が共演し、大ラスの「Highway Star」ではイングヴェイも戻ってきての5人勢揃いで弾き倒します。
以上、3時間12分4秒。イングヴェイも好調な『NAGOYA 2017』か、1曲多くてレアなトラブルも味わえる本作か。そのどちらを選んでも強烈で“濃ゆい”ギターが鳴り、埋め尽くしているギター・アルバムの極北です。5人が揃っているだけでも凄いのに、その超個性を存分に叩きつけた“GENERATION AXE”。その全貌を日本が誇る名匠テーパーが腕によりをかけて真空パックした逸品です。類い希なる怪物ショウの怪物アルバムなのですから、この際『NAGOYA 2017』と併せていっぺんにどうぞ。どれだけギターを愛している方でも、確実にお腹いっぱいになること間違いなしの姉妹品。己の限界に迫るまで、思う存分たーっぷりと浸りきってください!
Live at Zepp Namba, Osaka, Japan 4th April 2017 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1 (49:04)
1. Intro/Foreplay
★Tosin Abasi
2. Tempting Time 3. Air Chrysalis 4. Woven Web 5. Physical Education (with Nuno Bettencourt)
★Nuno Bettencourt
6. Get The Funk Out 7. Midnight Express 8. Extreme Medley
Disc 2 (72:29)
1. MC 2. Sideways (with Zakk Wylde)
★Zakk Wylde
3. N.I.B 4. Little Wing 5. Whipping Post
★Steve Vai
6. Bad Horsie 7. Racing The World 8. Tender Surrender 9. Gravity Storm
Disc 3 (70:51)
★Yngwie Malmsteen
1. Intro. 2. Spellbound 3. Valhalla 4. Overture 5. 1,000 cuts / Arpeggios from Hell / Baroque & Roll / Masquerade 6. Paganini's 4th/Adagio 7. Far Beyond The Sun 8. Trilogy / Fugue / Echo 9. Acoustic 10. Black Star (with Steve Vai) 11. Member Introductions
★ALL GUITARISTS
12. Frankenstein (All except Yngwie) 13. Highway Star (All)
Yngwie Malmsteen / Steve Vai / Zakk Wylde / Nuno Bettencourt / Tosin Abasi Pete Griffin - Bass JP Bouvet - Drums Derek Sherinian – Keyboards





























