ジミー・ペイジと1960年代や70年代をリスペクトするバンドの理想的な邂逅だったペイジ・クロウズ。その活動はギグの数が限られてしまった割りに、ほとんどのステージが何らかの形でリリースされたのではと思えるほど充実しています。本来ならば2000年の8月以降もアメリカを回り、秋には来日するはずだった。ところが8月のツアーがキャンセル(当時はペイジが背中に病気を抱えていたと説明)されたのをきっかけとして、以降の活動もなし崩し的に凍結されてしまい、来日公演も幻に終わってしまいます。今回リリースされるのは、そんな短命に終わったユニットが初顔合わせした場面の貴重な記録。もっとも1995年にはパリでペイジがクロウズのステージに飛び入りしており、厳密な意味では初めてではない。しかし行動を共にするユニットとしての顔合わせとリハーサルを捉えたのが今回の音源。その模様は既にYouTube上でスタッフ撮影による動画で垣間見られるものですが、今回はより長く、しかもはるかにクリアーなステレオ・サウンドボード録音にてドキュメントされた音源が明らかとなります。 その顔合わせが実現したのは6月25日。先のYouTubeには10月4日とクレジットされていましたが、もちろんツアー開始直前でこのような顔合わせとなるはずもなく、実際には6月に行われたもの。これは翌日にエアロスミスなどと共に出演したウェンブリー・スタジアムでのライブ・イベントを控えてイギリス入りをしていた(前日はケルンにてライブ)ブラック・クロウズがイギリス在住のペイジとロンドンのノミス・スタジオで顔を合わせ、初めてリハーサルを行ったというもの。今回、二枚組でリリースされるディスクの一枚目は例のYouTube動画と内容がダブりますが、音質はまるで違う。それがスタッフのビデオ・カメラについているマイクが捉えた音声であり、バンドの音が出ると一気に飽和状態となってクリアネスが低下していたものです。特にクリス・ロビンソンのボーカルとスティーブ・ゴーマンのドラムが聞き取り辛かった。ちなみに動画と音源の両方からも解るかと思いますが、キーボードのエド・ハーシュはこの日のリハには参加しておらず、オフを取っていたのだと思われます。その点サウンドボード録音ですので、まったく別次元のクリアネスが圧巻。ただし、こちらにもマイナス・ポイントがあって、一枚目に関してはペイジのギターの音が聞き取り辛い。まだ「Houses Of The Holy」(しかもツアー本番では取り上げられなかった)のように彼がバンドに稽古をつけている曲ではギターが聞こえるのですが、他の曲になるとブラック・クロウズ二人のギタリストの音量が圧倒的に大きい。例えば「Woke Up This Morning」でクリスに振られてペイジがソロを弾きまくる場面などは、意外にも動画の音声の方が聞きやすいのです。だがしかし、その「Woke Up~」を始めとしてブラック・クロウズの面々の演奏が異様に白熱しており、聞いていて食い足りなさを感じることはないはず。さすがはギグの合間を縫ってリハに参加したバンドだけのことはある。動画を見れば解るように、さっそく二組ががっぷり四つに渡り合っており、お互いに手応えを感じて「これはイイぞ」と確かめ合っている様子が動画よりはるかにリアルに伝わってきます。95年のパリで一緒に演奏していた「Shake Your Money Maker」になると余裕たっぷり。さらに、ここがリハらしい場面なのですが、ブルース・スタンダードの「Smokestack Lightning」にR&Bカバーの「It's Your Thing」で軽くジャムを繰り広げる場面も楽しめてしまう。おまけに、これらの間ではクリスがビートルズの「Yer Blues」のさわりを歌うなど、自分たちが好きな曲をやっている感までも伝わってくる。二枚目になるとZEPアンセムの「Whole Lotta Love」に取り組みますが、幸いにもこの曲からペイジの音量が一気にオン。彼の18番であるテルミンの音色まで前面に押し出される。さらにギグ本番でも取り上げられた「Oh Well」の白熱したリハーサル、これも単なる稽古のレベルを超えた聞き応えのあるもの。この時点で既に演奏はブラック・クロウズ二人のギタリストが担い、ペイジは間でリードを弾くというフォーメーションが完成しています。ただし、ペイジがワウ・ペダルを踏んで「さあ弾くぞ」といった瞬間に演奏がブレイクしてしまうのは爆笑かと。さらには「Oh Well」のジャムが「Train Kept A Rollin'」へと移り変わる場面もリハーサルの醍醐味と呼べるでしょう。そして最後はペイジがボトルネックでZEPクラシック二曲をバンドと稽古。この場面は正に「先生と生徒」という例えがピッタリ当てはまる。特に久々の演奏であったはずの「You Shook Me」サラリと弾いてみせたペイジはさすがで、やはり体が覚えていたということなのでしょう。完璧なステレオ・サウンドボード録音にて、短命に終わったユニット邂逅の白熱したリハーサルの緊張と興奮を感じてください!
Nomis Studios, London, UK 25th June 1999 STEREO SBD(from Original Masters)
Disc 1 (45:33)
1. In My Time Of Dying 2. Houses Of The Holy 3. Woke Up This Morning 4. Woke Up This Morning 5. Sloppy Drunk 6. Sloppy Drunk 7. Sloppy Drunk 8. Sloppy Drunk 9. Shake Your Money Maker 10. Shake Your Money Maker 11. Smokestack Lightning 12. It's Your Thing
13. Whole Lotta Love 14. Whole Lotta Love
Disc 2 (41:42)
1. Whole Lotta Love 2. Oh Well 3. Train Kept A Rollin' 4. Oh Well 5. In My Time Of Dying 6. You Shook Me
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Jimmy Page - Guitar Chris Robinson - Vocals Rich Robinson - Guitar, Vocals Steve Gorman - Drums Audley Freed - Guitar






























