ヴィニー・ヴィンセントを迎えて新章に突入した“CREATURES OF THE NIGHT TOUR/10TH ANNIVERSARY TOUR 1982-1983”。メイクアップ時代(当時)最終盤とも言えるライヴアルバムが登場です。本作に記録されているのは「1983年3月27日ユニバーサル・シティ公演」。その極上オーディエンス録音です。まずは、当時のスケジュールを振り返り、ショウのポジションを確認してみましょう。
【1982年】《10月13日『CREATURES OF THE NIGHT』発売》・12月29日-31日:北米#1a(3公演)
【1983年】・1月1日-2月4日:北米#1b(23公演)・2月1日-3月1日:北米#2(12公演)・3月9日-4月3日:北米#3(15公演)←★ココ★・6月18日-25日:南米(3公演)《7月『LICK IT UP』制作開始》
これが“CREATURES OF THE NIGHT TOUR”の全体像。メイクアップKISSのラストツアーは彼ら初のブラジル3公演で幕を閉じましたが、本作はその直前となる「北米#3」の12公演目。本国での最終盤コンサートでした。そんなショウを収めた本作は、強力無比な極上オーディエンス。これがもう、本当に凄い。猛烈にタフな演奏音は究めてオンで、力強さも手応えもたっぷり。KISSの会場らしい熱狂も吸い込んではいるものの、その大歓声もかき分けるのではなくねじ伏せる。パワフルなロックが会場を塗りつぶし、歓声を薄くしてしまう。それでいて、曲間でのコール&レスポンスも異様にクリア。スネアの音色からサウンドボードとは間違えませんが、およそオーディエンス離れしたダイレクト・サウンド。「客録は絶対にイヤだ!」という謎のこだわりでもない限り、サウンドボードと同じような感覚で浸りきれるのです。こうしたタイプは、あまりの力強さに轟音・爆音になったり、ピークがビビってしまうことも多いのですが、本作はそうではないから凄い。目の前に突きつけるようなビートも耳には突き刺さらず、豪腕なリフも激烈なようでいて端正。フォルテッシモになっても決してびびらず、ピアニッシモの繊細さも綺麗に残している。ポールとジーンの歌声は歌詞の1語1語までハッキリとしながらツバが飛んできそうなド迫力ですし、華麗なヴィニー・ヴィンセントのギターもアーミングの軋みまで鮮明に迫ってくる。パワーに翻弄されつつも、ヘッドフォンで細部を聴いても細やかな異様なハイクオリティ・サウンドなのです。そんなサウンド描かれるのは、メイク落とし寸前となる新生KISS。ピーターもエースも去ってしまった代わりに、猛烈にフレッシュでシャープな爆ロックが炸裂! 当店ではツアー3公演目の極上アルバム『ROCKFORD 1982: NEW YEARS EVE』もご紹介しましたが、そこから全米ツアーを経たアンサンブルは十分にこなれ、呼吸感まで生まれている。とにかくエリック・カーのグルーヴが気持ちいい!クッキリとしたサウンドのおかげでバスドラが醸すノリが五臓に響き、六腑を踊らせる。そのビートにピタッとシンクロしながら舞い狂うヴィニーのメタルギターの何とカッコイイ事……。『CREATURES OF THE NIGHT』ナンバーも4曲「Creatures Of The Night」「I Love It Loud」「War Machine」「I Still Love You」が披露されますが、黄金の70年代レパートリーの生まれ変わり方も鮮烈。単に貴重な以上のカッコ良さ。ツアー後、彼らはメイクを落とす大英断を下すわけですが、これだけのショウをやれるのであれば、確かにメイクの力を借りる必要もない……そんな説得力さえも醸す絶好調ぶりがたっぷり詰まっているのです。メイクアップ最後の“CREATURES OF THE NIGHT TOUR”最終盤とは、ヴィニー&エリックを迎えた新バンドが完成した刹那でもありました。本作は、そのフレッシュ&ワイルドなライヴを極めつけのサウンドで本生100%体験できる大傑作。
Live at Universal Ampitheatre, Universal City, CA, USA 27th March 1983 PERFECT SOUND
Disc 1(49:14)
1. Intro 2. Creatures Of The Night 3. Detroit Rock City 4. Cold Gin 5. Calling Dr. Love 6. Firehouse 7. Paul Guitar Solo 8. I Want You 9. Vinnie Guitar Solo 10. I Want You (reprise) 11. I Love It Loud
12. Drum Solo 13. War Machine
Disc 2(38:22)
1. Paul MC 2. Love Gun 3. Bass Solo 4. God Of Thunder 5. I Still Love You 6. Black Diamond 7. Strutter 8. Paul MC 9. Rock And Roll All Nite
Paul Stanley - Guitar & Vocal Gene Simmons - Bass & Vocal Eric Carr - Drum & Vocal Vinnie Vincent - Guitar & Vocal





























