先日、5年ぶりの来日を果たしたノラ・ジョーンズ。その最新・極上ライヴアルバムが登場です。今回の来日公演は札幌から福岡まで列島を縦断する初めてのツアーとなりましたが、その中で本作に収められているのは「2017年4月17日:大阪城ホール」公演。まずは、今回のツアースケジュールの中でポジションを確認しておきましょう。
・4月9日:ゼビオアリーナ仙台 ・4月11日:札幌ニトリ文化ホール ・4月13日-15日:日本武道館(3公演) ・4月17日:大阪城ホール 【本作】 ・4月18日:福岡サンパレス ・4月19日:広島文化学園HBGホール ・4月21日:名古屋センチュリーホール
以上、全9公演。本作の大阪公演は、真ん中にあたる6公演目でした。そんなコンサートを収めた本作最大のポイントは、極上を究めるサウンド。独自ルートで入手したネットにも出回っていないオリジナル・マスターで、間違いなくオーディエンス録音………のはず。いきなり頼りなげな言い方になってしまいましたが、本作から流れ出る生演奏は「まるでサウンドボード」と言うよりは「コレがサウンドボードじゃない!?」と我が耳を疑う極上品。確かに、曲間に沸き上がる拍手の中には、間近なものもあるのでオーディエンス………なのでしょう。きっと。しかし、よくよく聴いていると、オーディエンスの“旨み”も感じられる。それは、自然な“鳴り”。例えば、オフィシャルのライヴアルバムは、味気ない卓録りにエフェクトやミックスを施して「自然なライヴ風」を演出するわけですが、本作の場合はオフィシャル級のサウンドでありながら、作為ゼロの自然なニュアンスに溢れているのです。言ってみれば、天井からマイクを吊して録音するクラシックコンサートのようにナチュラルな“鳴り”が味わえる格調高いライヴアルバムなのです。実際、このサウンドにはド肝を抜かれました。何と言っても、今回の会場は巨大な“大阪城ホール”。これまで彼女の大阪公演と言えば、厚生年金会館やグランキューブ、梅田芸術劇場など、小中規模のホールばかり。しかし今回ばかりは巨大会場だけに、さぞや距離のあるサウンドだろうと予想していたのですが………思いっきり裏切られた。残念ながら録音家本人とコンタクトが取れなかったのでポジションや機材は分からないのですが、一体どうやったらこんなクリア・サウンドで録れるのか。ここまで美しい大阪城録音は……いえ、“神が作った”と言われる大阪フェスティバル・ホールでさえ聴いたことのない極限的なハイクオリティ・サウンドです。そんな格調サウンドで紡がれるノラの歌声とピアノは、言葉にできないほどに美しい。毎日セットを変える彼女だけに明確な意図は掴めませんが、デビュー作『COME AWAY WITH ME』から最新作『DAY BREAKS』まで幅広く選曲された名曲群を時に胸に迫る切なさで、時に弾ける明るさで、時に包み込む優しさで歌う。その歌詞の1語1語どころか、息づかいまでもが肌触りのリアリティと密着感で感じられる録音なのです。これはもう“神に愛された美術品”です。常日頃から無数に、それこそ何千本もの録音に接してきました。その都度、PAや録音機材の発達を実感するのですが、本作のサウンドはそれだけではとても納得ができません。オーディエンス録音なる奇特な文化が、ここまでの“美”を体現できる。その事実にさえ畏怖を覚えてしまう。録音の女神がいるとしか思えない“美の音”。
Live at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan 17th April 2017 ULTIMATE SOUND(from Original Masetrs)
Disc 1 (51:33)
1. Intro. 2. I've Got To See You Again 3. Tragedy 4. Out On The Road 5. Those Sweet Words 6. Don't Be Denied 7. Chasing Pirates 8. Rosie's Lullaby (with Dan Iead) 9. Don't Know What It Means 10. Tell Yer Mama 11. Stuck
Disc 2 (42:25)
1. Don't Know Why 2. It's a Wonderful Time for Love 3. Travelin' On 4. Little Broken Hearts 5. The Nearness of You 6. Flipside 7. Carry On 8. Sunrise 9. Creepin' In 10. Come Away With Me





























