結果として一週間ほどお休みしてしまいましたが、今週は再びストーンズ最新ツアーからのリリースが一挙二タイトル登場します。ツアー開始当初は本当にヒヤヒヤさせられるような演奏が散見されたものの、チューリッヒで調子をつかんでからは演奏がどんどん良くなってきた今回の「NO FILTER」ツアー。むしろストーンズというのはツアーが進むにつれて調子を上げていくバンドであったことを図らずも再認識させられたと同時に、今となってはツアー開始当初のもたついた演奏から現在の復調ぶりまでを聞き比べるのが本当に楽しいツアーとなってきました。もはやすべての公演を聞いてみたくなるほど。とはいえチューリッヒ以降の復調は目覚ましいものがあり、誰もが次なる名演はいつ?と楽しみにされているのではないでしょうか。今回最初に紹介する10月9日のデュセルドルフ公演は掛け値なしに新たなる名演と呼ぶに相応しい一日。そんな素晴らしい一日を捉えてくれたオーディエンス録音ですが、音質的には「ベスト」と呼べるランクから少し落ちてしまう。まず音像に距離感があり、なおかつ線の細い状態の録音となっています。おそらくは今回のテーパーのポジションが冴えなかったのでしょう。そこで今回のリリースに当たっては入念なトリートメントによって「NO FILTER」ツアーの中では「B級」の烙印が押されてしまいそうな音質のグレードアップに成功。元々の音源はミックの歌声を大きなバランスで捉えているという素晴らしさがある反面、先の録音状態のせいによって演奏の音像の弱さや分離度の低さがマイナスとなっています。それらの問題点を解消するためにイコライズを施した結果、元の音源の状態と比べて格段に聞き込める状態へと進化を遂げてくれたのです。中でも演奏が鮮明に聞き取れるようになったという点は元の音源との差が歴然と。せっかくの素晴らしい演奏ですから、やはりそれに見合う録音状態で聞きたいと思うもの。先に触れた線の細さが一気に解消され、それでいてクリアネスも向上した音質は初心者でも十分に聞き込めてしまうレベル。さすがにハンブルクやルッカのサマー・フェスティバルのような極上クオリティには及びません。それでも全体のバランスが一気に向上し、なおかつクリアネスまでもが向上してくれたことから、圧倒的に聞きやすく仕上がったのが今回のリリースなのです。おまけに臨場感がまた絶妙なバランス。ここまで繰り返してきたように、とにかくこの日は演奏が素晴らしい。そもそもオープニングからして「NO FILTER」ツアーいつもの調子以上の勢いがはっきりと伝わってくる…うーん、今日はイケるぞ。そんな予感がよぎらずにはいられない。今回のツアーではキースやチャーリーはもちろん、いつも水準の高いパフォーマンスを提供し続けるミックまでもがふらつき気味な場面が散見されたことが世界中のマニアに不安を覚えさせることになりました。しかしどうでしょう、この日のミックはオープニングから飛ばしまくり。絶好調な彼に煽られ、バンド全体の勢いもたっぷり。いつものブルースコーナーに入る前からエンジン全開ですので、「Just Your Fool」はいよいよ最高の演奏を披露。その中心はここでもミック。これぞ絶好調と呼ぶべきパフォーマンスぶり。ツアー開始直後と比べて別次元と呼びたくなるほど勢いたっぷりな演奏が矢継ぎ早に披露されるなか、さらにストーンズの調子を上げてくれる絶妙な選曲が続きます。まずは「Bitch」。ここ十年のステージにおいて、同曲はストーンズのエンジンを全開にさせてくれるレパートリーとして重宝がられてきたもの。それがこの日は既にエンジン全開ということでバンドが爆発するかのような雰囲気。これもまたツアー序盤では考えられなかったことでしょう。この勢いから本日のリクエスト・チューンに選ばれたのが「Get Off of My Cloud」と言うのがまた絶妙。実を申しますと実際の演奏が始まるまではヒヤヒヤものでした。この曲がツアー序盤のようにもたついた調子で演奏されてしまったとしたどうしよう…ところが、です。そんな心配は嬉しいことに杞憂となったのです。イントロのチャーリーからしてやタラに走りまくったテンポが最高。やはりこの日はショー序盤から勢いが全然違う。それが加速した挙句の披露だけに、ここでの演奏は素晴らしいもの。「NO FILTER」ツアー開始からこの日まで演奏されなかったは賢明な判断と言えるかもしれません。それ以上にストーンズの復調ぶりがこの一曲に凝縮されていると言っても過言ではない。そうしたスペシャル・レパートリーは当然のこととしても、この日のストーンズが特筆すべきは以降の曲でもツアー開始時には感じられなかった勢いをようやく取り戻してみせたということ。これはやはり「Get Off of My Cloud」を元気いっぱいに叩いたチャーリーの効用に違いありません。ツアー開始からしばらくは、まるで止まってしまいそうなほどゆったりと演奏されていた「Paint It Black」が完全復調している点もまた、この日の勢いに溢れたストーンズならでは。さらに曲は前後しますが「You Can't Always Get What You Want」はロニーが凄い!今年は手術を経験したこともあるでしょうが、実は「NO FILTER」ツアーにおいて誰よりも気を吐いているのが彼のギタープレイではないかと思えるほど。もちろん「Midnight Rambler」でも彼は絶好調。ですが彼だけに留まらず、バンド全体で一丸となって盛り上がるのがチューリッヒ以降ならではというもの。今回のツアーではライブ終盤と言う位置に昇格した「Gimme Shelter」ではミックとサーシャ・アレンのデュエットがいつも以上に白熱。これだけ充実した演奏が聞かれる一日ですので、もちろんデュセルドルフもリリースは当たり前。アフター・チューリッヒならではの勢いに溢れた演奏はもちろん、線の細い元の音質を大蒲に改善してみせたアッパー・バージョンとしても大いに楽しめる一枚に仕上がっています。最新「NO FILTER」ツアーから新たなる名演がやってきた!
Live at Esprit Arena, Dusseldorf, Germany 9th October 2017 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1 (66:08)
1. Intro 2. Sympathy for the Devil 3. It's Only Rock 'n Roll 4. Tumbling Dice 5. Just Your Fool 6. Ride 'Em on Down 7. Bitch 8. Get Off of My Cloud 9. You Can't Always Get What You Want 10. Paint It Black 11. Honky Tonk Women 12. Band Introductions 13. Happy 14. Slipping Away
Disc 2 (59:38)
1. Miss You 2. Midnight Rambler 3. Street Fighting Man 4. Start Me Up 5. Brown Sugar 6. Jumping Jack Flash 7. Gimme Shelte 8. Satisfaction





























