専門誌に「これがブートでいいのか?」とまで言われたプロショット&サウンドボード・セットが復活です。本作はゲイリー最大の問題作『DARK DAYS IN PARADISE』時代のプロショットと、その後ブルースに回帰した『BACK TO THE BLUES』時代のサウンドボード・アルバムをセットしたもの。「DARK DAYS」の文字を見ただけで拒否反応が出てしまう方もいるかも知れませんが、ちょっと待って。駄文を読むだけなら損はしませんので、もう少々おつきあいのほどを……。まず、ディスク1はDVD。1997年のテレビ放送2種“OHNE FILTER”と“TAKE IT TO THE BRIDGE”を収めたもの。“OHNE FILTER”は観客を前にしたコンサート・スタイルで60分、“TAKE IT TO THE BRIDGE”はPV風ムードも漂うスタジオ・ライヴで30分の収録です。双方ともに極上のプロショットなのですが、特に必見なのは生ステージの“OHNE FILTER”出演映像。スタジオ作『DARK DAYS IN PARADISE』を耳にされた方は多いと思いますが、この時代のライヴはかなり限られており、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。あの打ち込み世界がどのようなステージなっているのか興味津々に覗いてみると……いきなり登場するのは、黄色の長袖シャツにオジーのようなサングラスをかけた御大ゲイリー。「一体、どうしちゃったのよ!?」と驚く間もなく演奏が始まると、ギターをジャカジャカとかき鳴らすしながら朗々と歌う……。フュージョンでもロックでもブルースでも、常に情熱ほとばしるチョーキングとマシンガンピッキングで弾き倒していたゲイリーとは思えない光景に二度ビックリです。しかし、やはりゲイリーはゲイリーだった。新曲バラードの「Like Angels」でも最初は切々と歌っていましたが、後半になるとギターが俄然熱くなり、泣きに泣くゲイリー節が顔を出す。そして、「Pretty Woman」からはお得意『STILL GOT THE BLUES』の3連発。黄色いシャツを汗でビショビショにしながら弾き倒す姿に「こうこなくっちゃ!」となるのです。ただ、これで終わったら「いつもの映像を見てる方がいいや」なのですが、そうではない。ハイライトは最後の2曲なのです。まずは大作「Business As Usual」。『DARK DAYS IN PARADISE』でも出色のバラードでしたが、渾身の生演奏は凄い。冒頭の軽いカッティングと切々とした歌いっぷりはゲイリーらしくないと言えばらしくないのですが、そのメロディには彼でしかあり得ない哀愁がたっぷり。そして、後半爆発するインタープレイは、そんな前半があるからこそ激しく鋭く胸に迫る。『DARK DAYS IN PARADISE』の打ち込み路線をゲイリーがやる必要があったのか疑問でしたが、その必要はあった。彼だから、この路線だからこその美しい音世界、彼が踏み出さなければ生まれることのなかった美世界が、確かにここにあるのです。そして、極めつけはラストの「Over The Hills And Far Away」。80年代後期に大輪の花を咲かせたエメラルドのメロディが再び咲き乱れる。最晩年の2010年まで封印されていたイメージのある曲ですが、90年代のこの時代にも演奏されており、その美しさは寸分も失われていなかった。本作は、その生演奏をプロショットで目撃できる貴重な1本なのです。代わってのディスク2は、『BACK TO THE BLUES』時代のステレオ・サウンドボード。「2001年6月29日ベッリンツォーナ(スイス)公演」のライヴアルバムです。ブルース路線への回帰を高らかに宣言しているだけに安心のゲイリー印ですが、衝撃なのはそのクオリティ。まさにパーフェクトなサウンドボードで、オフィシャル・リリースもまったく問題ない完璧ぶり。そのクオリティで新作『BACK TO THE BLUES』の4曲と『STILL GOT THE BLUES』時代のレパートリー6曲、それにジミ・ヘンドリックスの「Fire」を披露していく。日本人からすると、ブルースがゲイリーのあるべき姿かどうかは迷い所ではあるのですが、等の本人は確実にそう思っていた。その本道に帰ってきた喜びと実感が溢れんばかりの熱いブルースが炸裂しているのです。打ち込み時代のプロショットと、オフィシャル裸足のサウンドボードアルバム。貴重さとクオリティの両面で最高峰の豪華セット。冒頭の専門誌のコメント「これがブートでいいのか?」も納得の充実タイトルです。正直申し上げて、あまり注目を浴びていない時期ではあります。しかし、だからこそ、この時代のゲイリーも本気で、そして熱く燃えていた。その事実を1人でも多くの方に知っていただきたい、実感していただきたいのです。その想いを込めたギフトリリース。この時期がお好きではない方にこそ、体感していただきたい傑作。堂々の復活です。
"Ohne Filter" & VH1 "Take It To The Bridge" Studio Live 1997 PRO-SHOT Live at Piazza Blues Festival, Bellinzona, Switzerland 29th June 2001 STEREO SBD
Disc 1: Dark Days In Paradise Side"Ohne Filter" 60 minutes
01. One Good Reason 02. One Fine Day 03. Cold Wind Blows 04. Like Angels 05. Pretty Woman 06. Still Got The Blues 07. Walking By Myself 08. Business As Usual 09. Over The Hills And Far Away
VH1 "Take It To The Bridge" 30 minutes
10. One Fine Day 11. Cold Wind Blows 12. All Your Love 13. Always There for You 14. One Good Reason 15. Still Got The Blues
Gary Moore - Guitar & Vocals Guy Pratt - Bass & Vocal Magnus Fiennes – Keyboards Gary Husband - Drums
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.90min.
Disc 2: Back To The Blues Side Live at Piazza Blues Festival, Bellinzona, Switzerland 29th June 2001
01. You Upset Me 02. Cold Black Night 03. Stormy Monday 04. Oh Pretty Woman 05. Walking By Myself 06. All Your Love 07. Still Got The Blues 08. Too Tired 09. Sky Is Crying 10. How Many Lies 11. Fire
STEREO SOUNDBOARD RECORDING
Gary Moore - Guitar & Vocals Pete Rees – Bass Vic Martin – Keyboards Darrin Mooney - Drums





























