4人の黒人メンバーやエイドリアン・ブリューを加え、9年編成のビッグバンドとなった“REMAIN IN LIGHT TOUR 1980-1981”。その大定番プロショットがリリース決定です。本作が撮影されたのは「1980年12月17日ローマ公演」。その極上マルチカメラ・プロショットです。このツアーでは日本公演も実現しており、今週は究極のサウンドボード・アルバム『TOKYO 1981 2ND NIGHT(Zion-116)』も登場しました。まずは、そんな日本公演も含め、ワールドツアー全容の中からポジションを確認してみましょう。 【1980年】・8月23日+27日:北米#1(2公演) 《10月8日『REMAIN IN LIGHT』発売》・10月17日-11月22日:北米#2(29公演)・12月1日-20日:欧州(17公演)←★ココ★【1981年】・2月23日-28日:日本(6公演) これが“REMAIN IN LIGHT TOUR”の全体像。当時の記録にはあやふやな点もありますが、本作のローマ公演は「欧州」レッグの(恐らく)15公演目にあたるコンサート。日本公演の2ヶ月ほど前ではありますが、上記の通りショウとしては直前でもありました。つまり、本作は超傑作サウンドボード『TOKYO 1981 2ND NIGHT』の映像編としても最適の1枚なのです。そんなショウを収めた本作は、実に見事なプロショット。画質的にはアナログ感もあるのですが、それが豊かなフィルム感覚を醸しだし、さながら記録映画のように美しい。もちろん、音声も一転曇りもないサウンドボードです。そして、カメラワークからも当時の薫りが匂い立つ。ライティングが発達していなかった時代のシンプルな画面、メンバー越しにボケ気味に映し出される客席、(ブリュー以外)手元よりも“顔”を重視したカット割り、そして時代がかった画面分割の演出……。そのすべてが現在の感覚とは違っており、それが妙に神秘的ですらある。漆黒の背景に浮かび上がる白いティナ・ウェイマスの美しいこと……。そのクオリティで描かれるのは大所帯となってグレードアップした“REMAIN IN LIGHT TOUR”の真髄。当時、2倍増以上のメンバー増加には賛否が寄せられましたが、アフリカン・ファンクのリズムを導入したアンサンブルは多彩でカラフル。単に足し算したのとは違うスケール感がたっぷりと描かれるのです。中でも主役デヴィッド・バーンにも匹敵する存在感を放つのはエイドリアン・ブリュー。彼の変幻自在なフレーズは、ボウイやKING CRIMSON以上。8人がかりのパーカッシヴなバンドの上を感性のままに舞い踊っているのです。そして、そんなアンサンブルの象徴でもある「I Zimbra」でしょう。日本公演のFM放送ではカットされてしまった革命的ナンバーを、サウンドボード&プロショットで楽しめる……。さらには、やはり日本のFM放送にはない「Houses in Motion」「Born Under Punches」も味わえるお宝映像なのです。ブライアン・イーノとタッグを組み、ニューウェーヴの地平を拓き続けたTALKING HEADS。本作から流れ出るのは、その終着地とも言える景色です。そんなフルショウを極上のマルチカメラ・プロショットで味わえる大傑作。彼らのファンの方はもちろん、ボウイやKING CRIMSONファンの方々にもぜひ味わって頂きたい逸品です。 Palaeur Arena, Rome, Italy 18th December 1980 PRO-SHOT (63:56) 1. Intro. 2. Psycho Killer 3. Stay Hungry 4. Cities 5. I Zimbra 6. Drugs 7. Take Me to the River 8. Crosseyed and Painless 9. Life During Wartime 10. Houses in Motion 11. Born Under Punches 12. The Great Curve David Byrne - Guitar and Vocals Tina Weymouth - Bass Chris Frantz - Drums Jerry Harrison - Guitar and Keyboards Dollette MacDonald - Vocals Busta Jones - Bass Steven Scales - Percussion Bernie Worell - Keyboards Adrian Belew - Guita PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.64min.