1979年の世界歌謡祭ゲスト出演に続いて実現した、1980年のジャパンツアー。その模様を収めたマルチカメラ・プロショットがリリース決定です。本作に収められているのは「1980年2月10日:中野サンプラザ公演」。まずは、エリック・カルメン唯一のジャパンツアーを日程で振り返ってみましょう。 ・1月30日:北海道厚生年金会館・2月1日:京都会館・2月2日:フェスティバルホール・2月4日:愛知県勤労会館・2月5日:渋谷公会堂・2月6日+7日:中野サンプラザ・2月9日:神奈川県立県民ホール・2月10日:中野サンプラザ 【本作】 以上、全9公演。本作の中野サンプラザ公演は、追加の最終公演でした。このショウはプロショット収録され、民放局で放送。「Inside Story」「Tonight You're Mine」はオフィシャル・サイトでも公開されましたが、本作は約45分に渡る貴重な当時のエアチェック映像です。やや甘さのある画面は「オフィシャル級」とは呼びづらいものの、ダビング痕のほとんどないマスター鮮度はバツグン。(ロック撮影にかけては発展途上だった日本放送らしく)エリックの表情アップを多用したカメラワークなのですが、彼の二重まぶたのシワまでクッキリ見えます。そんな映像美で描かれるのは、貴重なカルメン・イン・ジャパン。放送枠に沿って編集された全9曲だけにショウの全容とはいきませんが、濃縮されたヒット曲は特濃。『ERIC CARMEN』『BOATS AGAINST THE CURRENT』『TONIGHT YOU'RE MINE』の3枚からバランス良くセレクトされ、「Never Gonna Fall In Love Again」「All By Myself」「She Did It」といったヒット・シングルをプロショットで見つめることができます。また、画面から滲み出す時代感も美味しい。シンプルなステージ・セットやカメラワーク、紫に光るラメの衣装、曲間に沸く黄色い嬌声も時代ですが、さらに“1980年”を感じるのは「She Did It」。歌っているエリックに向かってファンが紙テープを投げられ、これが見事に命中。びっくりしたエリックが一瞬ひるむ表情もアップで観られます。そして、メンバー紹介時には観客から花束やプレゼントが贈られるのですが、これが1人や2人ではなく、私も!私も!と次々押し寄せる。そして最後の「That's Rock'n Roll」では(残念ながら途中で終わってしまいますが)飛び交う紙テープを避け、手で払うエリック……何とものどかな時代の空気が漂うのです。また、本作は日本公演の他にも2つのボーナス・プロショットも収録。こちらも字幕テロップ付きの日本放送で、1つは1988年の『DIRTY DANCING』時代から3曲「Make Me Lose Control」「Almost Paradise」「Hungry Eyes」、もう1つは1990年の“アリス他・レコード15周年コンサート”の「All By Myself」です。特に1988年の3曲は素晴らしい。完全オフィシャル級のクオリティも素晴らしいのですが、衣装もステージも日本公演よりも遙かにゴージャスになり、溌剌とした佇まいはまるでBON JOVI。そして、その背後ではエアロビ姿のダンサーがイチャついているのも、いかにも80年代な薫りタップリ。映画『フットルース』『ダーティ・ダンシング』でヒットメイカーとして大成した輝く姿を超美麗プロショットで目撃できます。 唯一の日本ツアーと、作曲家として大成した80年代後期。その姿を極上プロショットで約1時間浸りきれる1枚です。時に切なく、時に溌剌としたエリック・カルメンの世界。 Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 10th February 1980 PRO-SHOT (62:41) 1. Marathon Man 2. Inside Story 3. Never Gonna Fall In Love Again 4. Tonight You're Mine 5. Boats Against The Current 6. It Hurts Too Much 7. All By Myself 8. She Did It 9. Member Introduction 10. That's Rock'n Roll Bonus Tracks The Greek Theater, Los Angeles, USA, August 1988(Dirty Dancing Concert Tour) 11. Make Me Lose Control 12. Almost Paradise 13. Hungry Eyes Radio City Music Hall, New York, USA, 17th March 1990(Arista Records 15th Anniversary Concert) 14. All By Myself Eric Carmen - Vocals, Guitar, Keyboards Davey Johnston - Guitar Duane Hitchings – Keyboards John Presti - Bass Ross Solomone - Drums Brent Nelson - Percussion & Back Vocals Curt Becher - Percussion & Back Vocals PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.63min.