ショウ全体のスケール感、時代感を目で見せてくれるテレビ特番をお贈りします。本作は、当時のドキュメンタリー番組『SOUTH OF WATFORD』を収録したもの。2パートに別れており、前半は一大イベントとなった“ミルトン・キーンズ・ボウル公演”での模様を、後半は映画『戦場のメリークリスマス』をフィーチュアしています。前半の“ミルトン・キーンズ・ボウル公演”もライヴ映像ではなく、あくまでドキュメンタリー。パフォーマンス・シーンもあるものの、メインは会場でのインタビューです。まず登場する会場の光景からして圧巻。“ミルトン・キーンズ・ボウル”は、巨大なすり鉢状の地形なのですが、そこにビッシリと詰めかけた人、人、人の群れ。喩えは悪いのですが、まるで夢の島のゴミのよう。それも、1つ1つが意志を持って蠢いている光景なのです。地上からの撮影でも、群衆に埋め尽くされた地表はまるで肌色の地形。しかも、これは3日間のうちの1日に過ぎない。いかにボウイ人気が絶頂を極めていたのか、その凄まじさが一目で分かる強烈な映像なのです。そして、そこに集った人々のインタビューからは時代感覚が吹き出す。ニューウェーヴなファッションの若者はもちろん、ワイルドなロック野郎、ボウイの親世代くらいの老婦人、子連れの家族等々など。老若男女がボウイやこのイベントについて想いを語る。特に衝撃的なのは、一糸まとわぬオールヌードで日光浴をしている女性。しかも性別を忘れた中高年ではなく、スタイルもバツグンな女性。最初は寝ているようにも見えますが、テレビカメラに気づいてもその姿のまま、普通にインタビューに応えているのです。まったくもって我が目を疑うシーンですが、現代では絶対に放送できない光景がテレビで放送されていた。これだけでも猛烈な時代感覚です。前半のミルトン・キーンズが老若男女に愛された“ポップスター・ボウイ”の現実だとすれば、後半は“ムービースター・ボウイ”に焦点が当てられている。映画『戦場のメリークリスマス』の名シーンをふんだんに使ったドキュメンタリーです。この映画がイギリスで公開されたのは、この年の8月。ミルトン・キーンズ公演の時点で日本公開はされていますが、イギリスでは封切り間際でした。そんな『戦メリ』の宣伝でもあったのか、有名シーンの数々と俳優ボウイの演技を語る関係者のインタビューが流れるのです。ボウイのシーンを凝縮して並べ、日本語台詞に英語字幕が乗る編集は、言わば“イギリス人視点の『戦メリ』”。お馴染みの映画でも違って見えてくるから不思議です。ポップスターとしての顔、銀幕スターとしての顔を加えて人気の頂点を極めた1983年のボウイ。現代の視点から振り返れば、これもまた七変化の真骨頂でした。2CDの熱演は、なぜああも熱いのか。CD盤の向こう側にいる観客たちの表情と共に、時代の熱風を届けてくれる衝撃映像。世界的な傑作ライヴアルバムと併せ、ぜひボウイ史上でも絶頂を極める大気を思いっきり吸い込んでください。
Milton Keynes Bowl, Milton Keynes, UK 3rd July 1983 PRO-SHOT Broadcast on TV Programme "South Of Watford"
01. Part One 02. Part Two
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.25min.





























