1985年デンマークのコペンハーゲンにて本格的な録音に入る約2か月前に、サンフランシスコのスタジオで録音された新作「MASTER OF PUPPETS」(公式リリース: 86年7月)のデモトラックを収録。7月14日録音と言われているテイク集であり、クレジットもそれに沿っていますが、音の質感やミックス、鮮度、更にはピッチも含め各トラック毎にまちまちですので、この時期に録りためた初期デモの代表テイクを楽曲毎にまとめたものであると推測されます。これまで出回っていた同内容のテイクはジェネレーションやピッチの問題がありましたが、本盤は最良とされるテイクに正確なピッチ補正を施し、現行、ベストと断言できるヴァージョンを完璧な音像で収録しています。「Battery #1」はスタジオでの一発録りらしく、イントロを2回に渡ってミスっており、その都度、クリフの強烈なベースがラウドにスタジオに響く様子は圧巻です。ボーカルがオフのインスト・ヴァージョンで、ドラムを筆頭に細部の詰めは相当荒いものの、楽曲の骨子はほぼ完成されています。高かったピッチは正確に補正。「Battery #2」はボーカル入りヴァージョン。こちらは低かったピッチを正確に整えてあります。かなりストレートでソリッドな音像と演奏が最高です。「Disposable Heroes #1」は「Battery #1」同様にイントロで2回つまずき、3回目で間奏します。ギターの重ねリフは凄い迫力ですが、全体的にストレートな印象を受けます。こちらもインストヴァージョンで、9分間に及ぶ圧巻のテイクになっています。「Disposable Heroes #2」はボーカル入り。歌詞はファイナルとは全く違います。こちらは他テイクに比べ若干、テープ劣化の問題感じさせますが、シンバル等の高域もしっかりと出ているのでジェネというよりテープコンディションのせいかと思われます。低かったピッチは正確に補正済み。「Master Of Puppets」はボーカルを被せていないインストナンバー。収録時間8分40秒。公式ファイナルに比べるとよりストレートでシンプルな印象を受けるアーリーテイクです。ブレイクも含め、全てが発展途上のテイクですが、他のテイク同様に楽曲の骨子はほぼ完成されており、全体を通して最も興味深く聴ける「デモならではの楽しさ満載のテイク」と言えるでしょう。低かったピッチも正確に補正してあります。「Welcome Home/Orion #1」はインストで骨太でリッチなサウンドミックスとダイレクトな感触が魅力のテイクです。Welcome Homeは5分30秒で終了し、そのままメドレーでOrionが約4分弱ロングコーダのように演奏されるという非常に魅力的な初期アレンジを楽しむことができます。この曲に限らず、カークのソロプレイがファイナルと全く違うので、その部分も面白く聴けます。後半のギターのツインリードとベースの絡みの大筋のアレンジは、この段階でほぼ完成されているのが分かります。エンディングの感じはWelcome Homeみたいだったりします。「Welcome Home/Orion #2」はボーカル入り。歌詞は全く違う上、「Sanitarium」というサビまで無いというヴァージョン。歌詞の世界観すら、この段階では全く出来ていないのに、楽曲の骨子が完成していることが分かります。こちらは4分40秒からOrionパートに入ります。ギター、ドラム、ベースが「Take #1」以上に明瞭で、ハーモニーも美しくドラマチックで聴きごたえ満点です。このテイクは低かったピッチは正確に補正済みです。8トラック目以降は、同時期に録音されたと思われるデモテイクを5曲収録しています。「Battery #3」はインストですが、「Battery #1」とは別テイク。こちらも非常に生々しい質感です。「Welcome Home #1」もインストで、こちらはOrionに繋がる前にカットアウトされています。「Welcome Home #2」は歌入りで3分40秒のショートヴァージョン。「Disposable Heroes #3」はインストヴァージョンで「#1」「#2」よりも音質の良いテイクです。ただし、5分40秒付近でカットアウトされます。ラストは「Orion」の約3分弱の独立テイク。テープコンディションにやや問題を感じますが、音の鮮度自体は良好でしっかりと聞けます。「#1」「#2」のようにエンディングまで収録されておらず途中でフェイドしてしまいます。なお、ラストの4トラック(Outtakes)は、ピッチが低かったのを正常に調整してあります。このように音のクオリティはまちまちながら、ファンならば避けて通ることは許されない、大必聴音源です。80年代ヘヴィ・メタルを代表する名盤中の名盤「Master Of Puppets」の初期デモトラックの一群をリストアし、最良の状態で聴くことができる決定盤テイク集タイトル。ファン必携・必聴の1枚です。(合計収録時間:78分)
Studio Demos & Rehearsals recorded in San Francisco July 1985
1. Battery #1 2. Battery #2 3. Disposable Heroes #1 4. Disposable Heroes #2 5. Master Of Puppets 6. Welcome Home/Orion #1 7. Welcome Home/Orion #2
Studio Demos & Rehearsals Outtakes
8. Battery #3 9. Welcome Home #1 10. Welcome Home #2 11. Disposable Heroes #3 12. Orion
James Hetfield - Guitar, Vocal Lars Ulrich - Drums Cliff Burton – Bass Kirk Hammett – Guitar





























