今年はデビューアルバムの『Three Imaginary Boys』リリース後40年で、名盤『Disintegration』のリリースから30年ということで全曲再現ライヴも行っていたり、ロックの殿堂入りを果たすなど話題に事欠かない2019年のザ・キュアー。そんな話題だらけのザ・キュアーが今や伝説となっている、2時間50分、全36曲を演奏した2013年の出演以来、約6年ぶりの来日。ベーシストのサイモン・ギャラップが個人的な事情により日本に赴くことができず、代わりに彼の息子エデン・ギャラップがパフォーマンスに参加したという事態おこりましたが、エデンの若くパワフルなプレイが既存メンバーに緊張感と新たな血を与えて、苗場のグルーヴを特別なものにしています。前回のフジロック来日での伝説的ライブ(グリーンステージ最長演奏時間記録を作った)に比べて今回のライブはほぼ2時間のステージで、ロバート・スミスの表現フォームを絶妙にバランスした、洗練されたセットリストになっております。まず、重厚で荘厳なフレーズが響きわたる”Plainsong”を始まりに”Pictures Of You”、”High”Title”と、苗場の空に向かって突き抜けるような爽やかな曲が続き、キュアーの真骨頂とも言えるちょっぴりおセンチな”A Night Like This”、”Lovesong”、”Last Dance”で鳴らしたネオ・サイケデリックのユーフォリックな雰囲気が会場を包みます。中盤で、ロバートが笛を吹き鳴らし、ヘヴィに熱狂の渦を作り出した”Burn”。意外なほどダンサブルに変貌した”Fascination Street”からクラブ向きのダンスチューンの”Never Enough”へとなだれ込むという完璧すぎる流れはファン必聴です。アンコールでは文句なしの7曲、全世界の青春アンセム”Boys Don’t Cry”で締めくくり、本セットの美味しいところを再抽出したかのような濃密なアンコールとなっております。今年で結成から40周年を迎えたザ・キュアー。そんな彼らの現在のキュアーのモードを知る上ではもってこいの一枚となっておりますし、初心に戻った洗練されている本作のステージ、セットリストはキュアー初心者でも充分にお楽しみいただけると思います。 Fuji Rock Festival '19, Green Stage, Naeba Ski Resort, Yuzawa, Japan July 28 2019 01.Plainsong 02.Pictures Of You 03.High 04.A Night Like This 05.Lovesong 06.Last Dance 07.Burn 08.Fascination Street 09.Never Enough 10.Push 11.In Between Days 12.Just Like Heaven 13.From The Edge Of The Deep Green Sea 14.Play For Today 15.A Forest 16.Shake Dog Shake 17.Disintegration*(マスター起因による映像、音飛びがあります)Encore: 18.Lullaby 19.The Caterpillar 20.The Walk 21.Friday I'm In Love 22.Close To Me 23.Why Can't I Be You? 24.Boys Don't Cry Length: 119min