本作は「2016年2月17日カンザス・シティ公演」のオーディエンス・アルバム。そのクオリティは、まさに“選ばれた1本”の輝きに満ちている。正直なところ、今までも大量にリリースされており、少々過剰供給だと思ってはいるのですが、それでも無視できないサウンド。楽音はクリア極まりなく、ドヘヴィな低音は豊かにうねり、リフのエッジはどこまでも鋭い。ヴォーカルのダイレクト感も、オーディエンス録音の常識を遙かに超えている。これまでも極上音源ばかりをリリースしてきており、その頂点たる「WINNIPEG 2016」まで登場した中で、それでもリリースする以上は、クオリティだけでは新たにご紹介する意味がない。本作にしかない旨み、本作だけの醍醐味があるのです。それは猛烈なまでの“臨場感”・“現場感”。ギネス級オーディエンスのCD「WINNIPEG 2016」は、未体験レベルの楽音ゆえに、おおよそサウンドボードのように聞こえました。同時リリースの「COMPLETE M.S.G. 2016」は、歓声は遠く広いからこそのスペクタクルを味わわせてくれました。それに対し、本作の歓声は肌に感じるような熱気、手触りのような歓声が間近に迫るのです。こう書くと、デカい騒ぎの向こうに音楽を探すようなサウンドをイメージされるかも知れませんが、そうではありません。楽音は徹底的に詳細・激近でありながら、熱狂も同居している。言うなれば、FM音源にオーディエンス録音をマトリクスしたようなバランスなのです。しかも、マトリクスではない一発勝負の本生100%録音ですから、わざとらしさ、白々しさも皆無。近くで沸き上がる声援、合唱も飛び切りに生々しいのです。そんなサウンドで彩られたライヴの楽しいこと! これまでの傑作群は「最後のサバスを聴く」という感じでしたが、本作はまさに「ライヴを体験する」タイプ。ツアー初期に比べると楽曲が絞り込まれてもいますが、その分、凝縮感がアップ。次から次へと“これぞ!”の曲が流れ出し、(サビらしいサビもない70年代SABBATHソングにも関わらず)どの曲も一緒に歌いたくなる。そして、その想いが弾けて本当に歌い出す観客がそこにいるのですから、黙って聴いている方が難しい。「War Pigs」の掛け合いはもちろん、「Snowblind」「Iron Man」「Dirty Women」……何度、一緒に歌ったことか(笑)。これこそ、ライヴ・アルバムの楽しさ。これこそ、オーディエンス・アルバムの醍醐味!究極の理想は、“THE END”を日本で体験することです。しかし、それが実現するかどうか、予断を許さない状況が続いている。だからこそ、私たちには“体験盤”が必要なのです。究極的に音が良いスタジオアルバムが手元に揃っていながら、なぜ私たちはライヴに足を運び、その録音を聴こうとするのか。それは、この楽しさ、面白さ、嬉しさを味わいたいからに他なりません。好みによっては、騒ぐ観客を嫌う方もいらっしゃるでしょう。ですから、いかな超ハイクオリティな楽音が轟こうとも、本作が“頂点録音”の座に就くことはありません。しかし、それだからこそ味わえる“ライヴの醍醐味”は、他のあらゆるハイパー録音をも超えている。そんな楽しさと超クリア・サウンドを凝縮した2枚組。会場の気温まで感じられそうな超リアル体験アルバム。この醍醐味、“THE END”を待ちきれないあなたに。
Live at Sprint Center, Kansas City, MI. USA 17th February 2016 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(55:20)
01. Intro 02. Black Sabbath 03. Fairies Wear Boots 04. After Forever 05. Into The Void 06. Snowblind 07. Member Introduction 08. War Pigs 09. Behind The Wall Of Sleep 10. Bassically / N.I.B.
Disc 2(40:44)
01. Hand Of Doom 02. Rat Salad 03. Iron Man 04. Dirty Women 05. Children Of The Grave 06. Paranoid





























