“あの4人”最後のワールドツアーとなった“MAGIC TOUR 1986”。そのキックオフ公演にして、無類のハイテンション・フレディに会える2CD「STOCKHOLM 1986」は、まさに最後期の輝きに満ちたライヴアルバムです。かの名録音は、かつて4枚組の「SWEDISH MAGIC NIGHT」として初めて世に出たものだったわけですが、その際には、もう1本の同日録音もセットされていました。本作は、その“もう1本”。同じコンサートを別の録音家が記録したオーディエンス・アルバムなのです。2CD「STOCKHOLM 1986」にも肉薄する素晴らしい録音なのです。たしかに、ピュアオーディオ的には2CD「STOCKHOLM 1986」のクオリティには及ばないものの、しっかりと芯の太い楽音が空間を切り裂き、4人の奏でる楽音もクリア。ハイテンションなフレディの声も真っ直ぐに届きます。その上で、本作ならではの旨みとなるのが、バツグンの現場感覚。「まるでサウンドボード」とさえ言える2CD「STOCKHOLM 1986」とは違い、観客の拍手、歓声に包まれ、会場に身を置くことができる臨場感が素晴らしいのです。手拍子はリズム他の一部となり、唱和する歌声はコーラス隊、声援もまるでSEかのように曲を彩っている。こうなると、フレディのハイテンションなパフォーマンスも一層説得力が凄い。2CD「STOCKHOLM 1986」でも素晴らしいと思いましたが、気合い十分にやたらと伸びる声やメチャクチャに口走るMCも決して独り相撲ではなかった。大喝采や笑い声で応える観客たちがここにいて、その彼らを前にしたフレディだからこそ、天を突く歌声を引っ張り出されたのだとはっきり伝わるのです。猛烈なテンションの名演は、決してフレディの気分だけでも、ツアー初日の体調だけが生んだものではありませんでした。解散説が何度も囁かれていた当時のQUEENを想い、それを越えて再会できた嬉しさ、元気なフレディを目の当たりにした喜びに溢れるストックホルムの人々がいたからこそ、なし得たものだった。本作は、その熱い現場の空気が、白夜の始まった薄明るいストックホルムの大気がスピーカーから流れ出るようなリアル録音なのです。繰り返しますが、ここには熱いオーディエンスがいるものの、それはあくまでQUEENを中心にした人々の姿。フレディの歌声を遮るわめき声ではなく、彼に付き従い、その声に心震わせている人々の声。見事な楽音の魅力を膨らませるオーディエンスとの交感だからこそ、時空を越えた私たちの心まで動かすのです。なぜ、私たちは「オーディエンス録音」などという特異な文化を愛してしまったのか。それは、その場の光景がスピーカーから流れ出るから。見たことも会ったこともない異国の観客と心を通わせる感覚を、無意識のうちに心に刻んでくれるから。そんな客席録音の魅力にさえ気づかせてくれる1本。2CD「STOCKHOLM 1986」が“最高に弾けるフレディの間近に立つアルバム”とするなら、本作はそんなフレディを“現場の観客たちと共に見つめるアルバム”です。どうぞ、2本併せてたっぷりと愛してください。
Live at Rasunda Fotbollstadion, Stockholm, Sweden 7th June 1986 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1(68:11)
1. One Vision 2. Tie Your Mother Down 3. In The Lap Of The Gods...Revisited 4. Seven Seas Of Rhye 5. Liar 6. Tear It Up 7. A Kind Of Magic 8. Day-O 9. Under Pressure 10. Another One Bites The Dust 11. Who Wants To Live Forever 12. I Want To Break Free 13. Bohemian Rhapsody 14. Impromptu
15. Guitar Solo 16. Now I'm Here 17. Love Of My Life 18. Is This The World We Created?
Disc 2(34:27)
1. You're So Square (Baby I Don't Care) 2. Hello Mary Lou 3. Tutti Frutti 4. Hammer To Fall 5. Crazy Little Thing Called Love 6. Radio Ga Ga 7. We Will Rock You 8. We Are The Champions 9. God Save The Queen





























