先日の来日公演までもが鮮やかに蘇る“SATURNS PATTERN 2015”のラスト・アルバムが登場です。本作が録音されたのは「2015年12月5日」。ツアー最終日となる“EVENTIM APOLLO(旧・HAMMERSMITH APOLLO)”公演です。2013年に名称変更となった伝統の名会場で録音したのは、イギリス在中の巨匠テーパー。常にイギリスの最新録音を届けてくれる録音家で、ポール・マッカートニー、THE ROLLING STONES、デイヴ・ギルモア、U2等々など、無数の傑作録音をモノにしている名手中の名手です。当店では、ほとんど毎ツアーごとにポール・ウェラーのオリジナル・マスターをリリースして参りましたが、そのイギリス録音は大半がこの巨匠の手によるもの。今週同時リリースのツアー極初期録音「SATURNS PATTERN IN LONDON」も彼の作品。今週は“SATURNS PATTERN 2015”の極初期と最終公演を同一録音家の作品で同時にお楽しみいただけるわけです。本作は、そんな“いつもの巨匠”の最新録音なのですが、サウンドは“いつも”よりもグッと素晴らしい。彼の味わいはDAT録音の暖かみを大事にしており、数々のポールのイギリス録音でもお馴染み。しかし、本作ではその味わいはしっかりと感じられつつ、クリアさが一段と際立つ。もちろん、会場残響の旨みもあるにはあるのですが、そのヴェールがやけに透き通っていて楽音のシルエットがクッキリと映し出される。客席録音のリアリズムはそのままに、それこそサウンドボードかのようにビビッドで美しい楽音。伝統会場ならではの音響と巨匠の腕前による合わせ技だからこそ実現し得たサウンドなのかもしれません。そんなサウンドで描かれたツアー最終公演は、来日公演を思い起こさせる素晴らしいもの。ポールの妹ニッキー・ウェラーの紹介に導かれ、“I'm Where I Should Be”・“Long Time”の新曲2連発でスタート。東京・横浜公演での“Come On, Let's Go”オープニングが記憶に新しいものの、大阪でもこの2曲でした。しかし、その後の展開は日本とは違って“Man In The Corner Shop”・“Ghosts”のレアなTHE JAM2連発へと雪崩れ込む。実は、同時リリースの「SATURNS PATTERN IN LONDON」は、ツアー極初期だったせいか、ほぼソロのレパートリーだけでした。しかし、本作は日本公演と日程が近く、THE STYLE COUNCILやTHE JAMもたっぷりと演奏し、彼のキャリアを総括するような贅沢セットリストになっています。特に嬉しいのは前述の“Ghosts”とTHE STYLE COUNCILの“Have You Ever Had It Blue”。日本でも驚きましたが、どちらもソロではほとんど演奏されたことがなかっただけに、こうしてライヴアルバムとして振り返ってもまだ信じられない気分です。このように、時代を大きく跨ぎながら自在にキャリアを総括していくショウ。そのセットリストは(曲順こそ違えど)かなり日本公演と近く、まさに10月のあの光景が蘇ってくる。しかも、その合間にTHE JAMの“That's Entertainment”や“The Attic”、“You Do Something To Me”、“Broken Stones”といった日本で演奏しなかった名曲までもが混じる。日本でもあれだけ充実感たっぷりだったのに、ポールがいかに多くの名曲を残してきたのか実感させられるライヴなのです。しかも、この日の伝統会場に渦巻くムードも最高。なにしろ、2015年のポールはアルバム、シングル共に全英チャート1・2を連発。特にシングルが1位になるのはTHE JAMの「BEAT SURRENDER」以来で、ソロでは初。何度目かの全盛を迎えたかのようなツアーの最終公演なのですから、自信に満ちた演奏と大歓声のスペクタクルがもの凄いのです。THE JAMやTHE STYLE COUNCILから大成功中の新曲までを贅沢に聴かせ、さらには日本公演の記憶までも鮮やかにしてくれるライヴアルバムです。ポールにとっても特別な1年になったであろう“SATURNS PATTERN 2015”を締めくくる最終公演を、傑作ひしめく巨匠コレクションでもひときわ輝くサウンドで描ききった1本。ぜひ、2016年の聴き初めにお選びいただければ幸いです。
Live at Eventim Apollo, London, UK 5th December 2015 PERFECT SOUND(from Original Masters)
Disc 1(64:43)
1. Nicky Weller Introduction 2. I'm Where I Should Be 3. Long Time 4. Man In The Corner Shop 5. Ghosts 6. White Sky 7. Come On, Let's Go 8. Up In Suzes' Room 9. My Ever Changing Moods 10. Have You Ever Had It Blue 11. From The Floorboards Up 12. The Attic 13. Saturn's Pattern
14. Going My Way 15. You Do Something To Me 16. Above The Clouds 17. Into Tomorrow
Disc 2(72:32)
1. Paperchase 2. Friday Street 3. Porcelain Gods 4. Broken Stones 5. Long Hot Summer 6. Starlite 7. Peacock Suit 8. Start! 9. These City Streets 10. Pick It Up 11. In The Crowd 12. The Changingman 13. Be Happy Children 14. That's Entertainment 15. Town Called Malice
Paul Weller - Vocal, Guitar Steve Cradock - guitar Andy Lewis – bass Andy Crofts - keyboard Steve Pilgrim - drums Ben Gordelier – percussion





























