英国ブルースロックの理想を体現していた初期WHITESNAKE。いわゆる“CLASSIC SNAKE”の究極を究める超絶タイトルが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1979年8月26日+1980年8月24日レディング・フェスティバル」の超極上ステレオ・サウンドボード録音。それに「1980年10月5日ワシントン公演」のプロショットをメインとしたDVDです。いずれもCLASSIC SNAKEを代表する定番中の大定番ですが、本作はその最高峰を極める超絶版なのです。それもそのはず。鋭い方は上記のタイトルでピンと来ていらっしゃるでしょうが、本作はオフィシャル製作なのです。しかし、公式品のコピーというわけでもない。ここが謎なのですが、実は独自ルートから「test」と書き殴られたマスターを入手。それをプレス化したものなのです。それがどう謎なのか。各ディスクを個別にご紹介していきましょう。 【ディスク1:レディング・フェスティバル1979】 まず登場するディスク1こそ、最大の謎ディスク。今回、入手したマスターは何の情報もないのですが、その中身は公式ボックス『BOX 'O' SNAKES』に関するものに間違いない。3枚が3枚ともすべてが『BOX 'O' SNAKES』に酷似しているのです。しかし、このディスクは肝心の公式盤を凌駕している。いきなりまくし立てましたが、『BOX 'O' SNAKES』自体があまり有名ではないので、まずは基礎から始めましょう。『BOX 'O' SNAKES』は、2011年にリリースされた公式ボックス。デビューEP『SNAKEBITE』から『SAINTS & SINNERS』までの全オフィシャル作品を網羅した上、1979年/1980年レディング・フェスティバルのサウンドボード・ライヴやCLASSIC SNAKEのクリップやプロショットを網羅した究極ボックスでした。ところが、ゲフィン時代を重視するデヴィッド・カヴァデールは、あくまで限定盤としてリリース。もちろん、大人気のうちに瞬く間に完売・廃盤となりました。その人気ぶりに2013年には早くも『LITTLE BOX 'O' SNAKES』として再発されますが、ここで悲劇が起きた。大人気の根源となるレディング・フェスティバルやプロショット集DVDが削られ、レアでも何でもない通常アルバムだけが再発。結局、何の意味もない中途半端なボックスだけが現行で生きている状況なのです。そして、本作。再発版の『LITTLE』で削られた目玉の3枚だけが収録されているわけです。それだけでも凄いのですが、実はそれ以上。特にディスク1の「レディング79」は、かつての『BOX 'O' SNAKES』を超えている。実のところ、『BOX 'O' SNAKES』版は放送ブートレッグを遙かに超えるサウンド・クオリティで、世界中のマニアに「放送ミックス前のマスターが残っていたのか」「これぞ公式に相応しい」と大絶賛を巻き起こしましたものの、完全無欠でもなかった。なぜか微妙にピッチが低く、「Love Hunter」にはマスター劣化と思われる歪みもあったのです(ブートで有名な放送版には存在しない劣化)。しかし、基本のサウンド・クオリティが放送版を遙かに凌駕しているため、ほとんど問題視されなかったのです。ところが、本作の「test」マスターには、その欠点がない。世界中のマニアを驚喜されたクオリティはそのままに、ピッチも正常なら「Love Hunter」の劣化も修繕されている(断言はできませんが、恐らく放送版からの補填ではないようです)。まさに何の欠点もない、究極のライヴアルバムなのです。初回リリース時の編集テストだったのか、それとも『LITTLE』で削られた分の個別リリース計画でもあったのか。その真実はまったく分かりませんが、現実として公式リリースされた『BOX 'O' SNAKES』以上の究極ステレオサウンドボード・アルバムが現存していたのです。 【ディスク2:レディング・フェスティバル1980】 そんな衝撃の「レディング79」に続くのは、翌年「1980年8月24日」にレディング・フェスのトリを務めた際の極上ステレオサウンドボード・アルバムの最高峰。こちらは放送版からして「LIVE… INTHE HEART OF THE COTYを超える」「CLASSIC SNAKEの究極」と言われた名演中の大名演でしたが、『BOX 'O' SNAKES』版はサウンド・クオリティ面でも究極でした。これも「test」と書き殴れたマスターなのですが、こちらは公式版に酷似。どこかしらに違いがあるのかも知れませんが(申し訳ないことに)違いを見つけられませんでした。とは言え、もし仮に公式版と同じだったとしても超絶・極上・頂点には違いない。イアン・ペイス加入直後だった1979年を超えるアンサンブルにサウンド・クオリティ、そして伝説的なイントロが追加された「Mistreated」等々など。「CLASSIC SNAKEの究極」として知られる大名演を、放送版を超える史上最高峰クオリティで楽しめるのです。 【ディスク3:プロモ・クリップ&唯一プロショットの最高峰版】 最後は“CLASSIC SNAKE”のプロショットを集成した映像集。これもまた『BOX 'O' SNAKES』のテスト・マスターではあるものの、実際の公式版との違いは分かりませんでした。その内容はおおよそ3つのセクション「PV集」「TV出演」「ワシントン公演のプロショット」で構成。初期PVには公式商品とは思えないクオリティのものもありますが、これも実際の『BOX 'O' SNAKES』と同じでした。しかし、基本的には各映像とも史上最高峰クオリティです。そんな中で一番の見どころは「1980年10月5日ワシントン公演」のマルチカメラ・プロショット。この映像も以前から知られていましたが、これこそWHITESNAKE最古にして、CLASSIC SNAKE唯一となるプロショット・ライヴなのです。その貴重ぶりを反映した映像は公式商品とは言い難いものの、これまでの既発群とは次元が違うマスター・クオリティ。カヴァデールは貴重なアーカイヴでもやたら加工してマニアから顰蹙を買う人ですが、『BOX 'O' SNAKES』の監修はカヴァデールではなくバーニー・マースデン。そのせいか、マニアも納得の素直な史上最高峰版に仕上がっている。本作ではオリジナルの「test」マスター通り、二層式のディアル・レイヤーDVD。謎が謎を呼ぶ『BOX 'O' SNAKES』のテスト・マスター。しかし、その背景はともかくとして、内容はCLASSIC SNAKE最上・最高のサウンドボード・アルバムであり、プロショット集なのです。これほど決定的な作品を創り上げておきながら、なぜか廃盤にしているオフィシャル側には歯がゆさしか感じませんが、本作はその悔しみを一気に晴らしてくれる。FREE的なディープ・ヴォイス、初期FLEETWOOD MACを引き継いだブルース・テイスト、WISHBONE ASHのハーモニーも導入したツイン・アンサンブル……英国ブルースロックの粋となるCLASSIC SNAKE。その頂点作。 Live at Reading Festival, England 26th August 1979 & 24th August 1980 STEREO SBD(UPGRADE) Live at The Capital Centre, WA, USA 5th October 1980 & more Disc 1: READING ROCK ’79 (51:06) Reading Festival, England 26th August 1979 1. Walking In The Shadow Of The Blues 2. Ain’t No Love In The Heart Of The City 3. Micky's Solo/Still Away 4. Belgian Tom's Hat Trick incl. Drum Solo 5. Mistreated/Soldier Of Fortune 6. Love Hunter 7. Breakdown/Whitesnake Boogie STEREO SOUNDBOARD RECORDING Disc 2: READING ROCK ’80 (55:58) Reading Festival, England 24th August 1980 1. Sweet Talker 2. Walking In The Shadow Of The Blues 3. Ain’t Gonna Cry No More 4. Love Hunter 5. Mistreated/Soldier Of Fortune 6. Ain’t No Love In The Heart Of The City 7. Fool For Your Loving STEREO SOUNDBOARD RECORDING Disc 3: DVD: Dual Layer(96:09) ★最高画質を実現するため、片面二層のデュアル・レイヤーDVDでのリリースです THE VIDEOS PROMO VIDEOS 1978-1982 (36:01) 1. Come On (1978) 2. Ain’t No Love In The Heart Of The City (1978) 3. Bloody Mary (1978) 4. Steal Away (1978) 5. Day Tripper (1978) 6. Long Way From Home (1979)) 7. Fool For Your Loving (1980) 8. Don’t Break My Heart Again (1981) 9. Would I Lie To You (1981) 10. Here I Go Again (1982) BBC: OLD GREY WHISTLE TEST(14:40) 11. Lie Down (A Modern Love Song) (1978) 12. Trouble (1978) BBC: TOP OF THE POPS 13. Bloody Mary (1978) 14. Here I Go Again (1982) (45:24) THE CAPITAL CENTRE, WA, USA 5TH OCTOBER 1980 15. Come On 16. Sweet Talker 17. Walking In The Shadow Of The Blues 18. Ain’t Gonna Cry No More 19. Love Hunter 20. Belgian Tom’s Hat Trick 21. Ain’t No Love In The Heart Of The City 22. Fool For Your Loving PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.96min.