エリック・クラプトンが事実上ソロアーティストとしてのステイタスを確立し、全米アルバムチャートナンバーワンの大ヒット作となった1974年リリースの名盤「461 OCEAN BOULEVARD」をラインナップしました!本作は、「Layla And Other Assorted Love Songs」のリリースの2ヵ月後の1993年11月にリリースされました。「Layla~」同様、当時のポリグラム・レコード(現在のユニバーサル)からアメリカ盤の2トラック・オリジナルマスターテープを借り受けて限定生産されたものですが、よく曲目を見ていただくと、オリジナルLPとは異なっていることにお気づきかと思います。本来、2曲目だったGive Me Strengthの位置には本作の次作に当たる「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」所収のBetter Make It Through Todayが収録されています。そしてGive Me Strengthはラストに収録されています。これは1988年にアメリカでリリースされた同作初回盤CDと同じなのです。つまり本CDは、1988年にリリースされたアメリカ初回盤CDに倣い、ボーナストラックまで忠実に再現するために、ポリグラムから借り受けた2トラックのオリジナルアナログマスターテープから製作されたということです。内容はアメリカ初回盤CDと同じですが、サウンドはオリジナルアナログ盤に忠実というわけです。オリジナルアナログ盤の曲目とは異なり、Motherless Childrenに続いてBetter Make It Through Todayが聴こえてくることに違和感を覚えるファンもおられるでしょうが、「THERE'S ONE IN EVERY CROWD」のリリースされていないことを考えると、Better Make It Through TodayをCDのクオリティで聴けるのは本盤だけだと言うこともでき、マニアックな部分でも楽しめるものとなっています。サウンド的には、通常CDが高音域・低音域を強調し、中音域が貧弱なため、よく言われる「ドンシャリ」的な印象になっていたのに対し、本CDは「Layla~」CD同様、すべての音域がバランス良く調和している印象となっています。特に初めて世に出た「コンパクトディスク」と言うメディアのサウンドは、高音部が尖っていて、耳に刺さるように響いたために、かつては「クリアだ」と誤解されたものです。それに比べ、本CDでは楽器一つ一つ、ボーカルの繊細な響きそのもののクリアネスが際立っています。つまりこれが本来のアナログマスターを忠実に再現した結果だったというわけです。一方、本盤で使用されたマスターも、元々は1974年に米アトコレコード社が本作を製作した際に使用したオリジナルUS盤のマスターテープだったわけですが、先週申しましたとおり、ユニバーサル社で2008年に起こった大火事により、ほとんどのアーティストのアメリカ盤オリジナルマスターテープが焼失してしまい、この「461」のアメリカ盤アナログマスターテープも焼失しましたので、もはや本盤以上の高音質でUSマスターをリマスターすることは不可能な状況になっています。そう考えますと、本盤のサウンドは一度は味わってみられてもいいのではないかと思います。 Taken from the original US Mobile Fidelity Sound Lab from Mobile Fidelity Sound Lab "Original Master Recording" Collection (43:40) 1. Motherless Children 2. Better Make It Through Today 3. Willie And The Hand Jive 4. Get Ready 5. I Shot The Sheriff 6. I Can't Hold Out 7. Please Be With Me 8. Let It Grow 9. Steady Rollin' Man 10. Mainline Florida 11. Give Me Strength