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Bruce Springsteen ブルース・スプリングスティーン/Born to Run Original US SBM

テクノロジーの進化によって生まれ変わったブルース・スプリングスティーンの大名盤『明日なき暴走』。高音質技術“SBM CD”によるハイクオリティ盤『CK 52859』を復刻させたタイトルが登場です。 【16ビット化のデジタル劣化を抑えるSBM技術】 DSD、xrcd、DIGITAL K2、HDCD……90年代から2000年代初頭にかけ、さまざま新技術が開発された高音質盤CD。その中でもSBM(Super Bit Mapping) CDは1991年に登場し、その先鞭を切った新技術でした。当時はアナログ名盤のCD化が一大最盛期を迎え、リスナーの耳も肥え始めた頃。80年代後期の盲目的な“CD=ハイクオリティ”の絶対信仰が薄らぎ、「冷凍庫に入れると高音質になる」「カッターで直線の傷を入れるとクリアになる」といった迷信段階も超えて「CD化自体の良し悪し」が語られるようになっていました。そこでソニーが導入したのがSBM技術。ベーシックなCD規格でありながら、従来のCD化とは次元の異なるナチュラル・サウンドを実現。その成功が各社の新技術CD競争の端緒にもなったのです。誤解のないように付け加えますと「SBM CD」はいわゆるイコライジング加工によるリマスターではありません。そもそも「SBM」とは、CD化に際してロスを減らす技術。アナログから20ビット以上の高レートでデジタル化したとしても、CD規格はあくまで16ビット。音声データを落とさないと収録できません。通常のCD化は最初から16ビットでデジタル化するか、高データを16ビットに落とし込むわけですが、ここで登場するのが「SBM」。16ビットに落とす際に無作為にデータを切り捨てるのではなく、人間の聴覚特性に合わせ、波形カーブを調整する技術なのです。つまり、アナログの滑らかな波形が「山」だとすれば、デジタルは「階段」。20ビット以上は階段の1段1段が細かいので高音質なのですが、通常CDは一律に段を大きくして雑なサウンドにしている。それに対して「SBM」は人間の耳に沿って省く波形を選び、より細かい階段に聞こえるようにしているのです。やや分かったような分からないような話ですが、これをアニメーションに喩えてみましょう。アナログの滑らかな波形はいわゆる自然の光景で、デジタルはパラパラ漫画だとしましょう。20ビットは絵の枚数が多いわけですが、16ビットは絵を省き、カクカクした動きになるわけです。通常のCDは一律に枚数を減らしていますが、「SBM」は動きの速さや人間の目に残像が残りやすい色を選んで省き、絵が減っているように感じない……という感じです(あくまでイメージの比喩です)。しかも、この「SBM」は古臭い過去の遺物でもありません。CDでの実用化は1991年と早かったものの、その後に一般化。さらに映像用の技術にも転用され、ブルーレイにも搭載されるようになっているのです。ここで逆に湧くのが「じゃあ、現代のCDと同じ?」という疑問なのですが、ここでポイントになるのがアナログの経年劣化。たとえマスター・テープを精密に保存していたとしても、時間が経つほど磁気が消失する事は免れず、早い時期ほど録音された際の音声が残されている。つまり、早い時期に開発された「SBM」でデジタル化されたCDは、現在もなお光り輝くサウンドを保持しているわけです。 【振動するピアノ弦の存在感まで感じられる『明日なき暴走』】 そんなSBMで甦った大名盤は、実に瑞々しいマスター・サウンド。その美しさは冒頭「Thunder Road」の有名なピアノ・イントロからしてまったく違う。当時の初期CDよりも艶やかなのは勿論ですが、現行リマスターCDと比べても圧倒的にフレッシュ。ピアノは弦を叩く立ち上がりが強調されやすい楽器ですが、現行リマスターはその打音は美しいものの、そればかりが強調されている。しかし、本作はその打音から生まれる響きが綺麗に残され、急激に弱くなっていく残響音も消える刹那のヴァイヴまでしっかりと分かる。これは単なるエコー感ではありません。音に伸びがあるだけでなく、生まれた1音1音が自然に消えていく様子が克明なため、振動するピアノ弦の存在感まで感じられる。本作を聴いた後で現行CDを聴き直すと、まるでピアノ音をサンプリングしたシンセサイザーのようにさえ感じる。もちろん、差し替えられているはずもなく、両方とも本当のピアノ音なのでしょうが、本作はそれほどまでにナチュラルな原音、楽器自体の存在感が感じられるのです。もちろん、ピアノはあくまでも一例にすぎません。金属光沢まで目に見えるような「Tenth Avenue Freeze-Out」のホーン、タフなビートに跳ねる皮の存在を感じる「Night」のドラム、イコライジングの音圧かさ上げもないのに鮮やかさが際立つ「Backstreets」のハモンド、スタジオ録音なのにライヴのようにリアルな「Born To Run」のギター……。そしてもちろん、ボスの歌声。まるでマイクの金網を通り抜ける息づかいまで感じられる。さすがに現行リマスターより音圧は低めではあるのですが、それでも機微まで残っていることで1音1音が際立ち、鮮やかさも立体感も互角以上。まさにマスター・サウンドなればこその音世界なのです。このCDがリリースされた後、音そのものを加工するデジリマが世間を席巻し、言語道断のラウドネス・ウォーまで勃発してしまいました。現代ではそうした加工時代も通過し、“本来の音”を求めるようになりましたが、そんな今だからこそ初期SBM CDの真価が輝いてもいるのです。ナチュラル志向に回帰した現在だからこそ再評価されるべき初期SBM。 Taken from the original US SBM/Super Bit Mapping CD (CK 52859), Master Sound Series released 1. Thunder Road 2. Tenth Avenue Freeze-Out 3. Night 4. Backstreets 5. Born To Run 6. She's The One 7. Meeting Across The River 8. Jungleland

Bruce Springsteen ブルース・スプリングスティーン/Born to Run Original US SBM

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