ビル・ブラッフォードにとっても70年代の最後のイエス・ツアーとなった、1972年、2月から3月にかけて行われた「Fragile」に伴う北米ツアーより3月16日のアリゾナ州ツーソン公演を極上オーディエンス録音で収録。ワイルドターキー、イエス、ブラックサバスの3バンドのツアーであり、サバスの前の出演のため、演奏収録時間は64分と短めですが、上昇気流ムードいっぱいの強靭なグルーブに満ちた若々しい演奏を堪能することができます。オープニングのRoundaboutからストレートでジャージーなテイストをかましながらもハードロックした演奏を披露。新加入のリック・ウェイクマンのソリッドな オルガンプレイが光ります。ビルも要所要所でユニークなオカズを繰り出し、楽曲をより魅力的なものにしています。I've Seen All Good Peopleはこれ以降の演奏に比べると速いテンポで演奏しています。後半のギターソロパートでの全体の迫力は凄いものがあります。続くハウのアコース ティック・パートでのイントロの指鳴らしもMood For A Dayをベースにしたものでちょっとした聴き所になっています。アコ・パートの音圧も十分です。Heart Of The Sunriseのイントロパートの嵐のような迫力あるプレイは必聴で、ビルも凄まじいドラムプレイを披露しています。中間のムーグの掛け合いのスピーディなパートでのビルの金管の使い方がクリムゾンしていて良い感じです。大団円手前の9:16でテープチェンジのカットがあるのが残念です(この部分10秒ほど欠落あり)。リックのオリジナリティに満ちたこの時期だけの初期型のキーボードソロ・パートも聴き応え満点。これとメドレーで演奏されるLong Distance Runaroundはエレピにエフェクトをかけた音色のまさにこの時期だけのもので味わい深い演奏が聴けます。この曲でのクリスのダーティなベースサウン ドが最高です。とにかくオリジナルな色彩感の演奏が楽しめ、全体の中でも最高の聴き所になっています。The Fish中間パートのメロトロンの洪水もまさにこの時期ならでは。クリスのFish後半のフリーキーなソロプレイやそれに合わせたビルのスポンテニアスな ドラムも聴き応え満点!!Perpetual Changeの6分台のギターソロはあまりに凄まじく、本当にとんでもないことになっています。残念なのはエンドパート付近の9分20秒でフェイドアウト してしまうことですが、全体の遊びや拍のトリックなど、あとのライブヴァージョンでは聴けない最高にかっとんだ演奏を聴くことができます。 Live at Tucson Community Center Convention Hall, Tucson, Arizona, USA 16th March 1972 TRULY AMAZING SOUND 1. Roundabout 2. I've Seen All Good People 3. Mood For A Day 4. Clap 5. Heart Of The Sunrise 6. Keyboard Solo 7. Long Distance Runaround 8. The Fish 9. Perpetual Change Jon Anderson - Vocals Steve Howe - Guitars & Vocals Chris Squire - Bass & Vocals Rick Wakeman - Keyboards Bill Bruford - Drums