ファン驚愕のアイテムを連発するレーベルより、TYGERS OF PAN TANGに続く秘蔵のライヴ音源が登場です。今回は何と、1980年にただ一回だけ来日が実現したWILD HORSESの東京公演! 筋金入りのブリティッシュ・ロック・ファンでも「彼らの来日音源を聴けるなんて」と嘆息するであろう、秘宝のような高音質実況 録音です!WILD HORSESは、1978年に元RAINBOWのベーシストであるジミー・ベインがTHIN LIZZYを脱退したブライアン・ロバートソンとともに結成したバンド。ジミーはRAINBOW加入前から、ロンドンの"マーキー・クラブ"でのライヴ活 動を通じてTHIN LIZZYのメンバーと面識があり、フィル・ライノットやゲイリー・ムーアのソロにも協力していたほど。彼らがそれぞれのバンドを離れた直後には、自然とバンド結成の流れが出来ていました('78年から'80年の中頃には、ゲイリー・ムーアでの活躍で知られるニール・カーターも在籍)。バンド結成後はライ ヴ活動が中心でしたが、'80年には1stアルバムの「WILD HORSES」を、翌'81には「STAND YOUR GROUND」を発表。彼らは'80年当時のN.W.O.B.H.M.ムーヴメントにおいても存在感があり、日本においてはIRON MAIDENやDEF LEPPARD、GIRLと並ぶ"N.W.O.B.H.M.の四天王"と紹介されていました。両者はイギリスのクラブを中心に積極的なライヴ活動を行っており、そのステージにはフィルやスコット・ゴーハムなどTHIN LIZZYメンバーや、時にはマイケル・シェンカーも飛び入りするなど、活気溢れるライヴを展開していました。しかしバンドはブレイク出来ないまま、ロバートソンがMOTORHEADに参加した事を切っ掛けとして、'82年には活動を終了してしまいます(アメリカ進出を果たせなかった事も影響しているとされます)。そのためライヴ音源も、前述したフィルやマイケルが飛び入りした'79年12月のロンドン公演程度しか確認されていません。彼らはその存在感と比べて、ライヴの中身については「知る人ぞ知る」バンドなのです。その彼らは、バンドの勢いがピークにあった1980年10月に、最初で最後のジャパンツアーを行っていました。10月28日の東京・渋谷公会堂を皮切りに、名古屋そして大阪で計4公演が行われたのですが、そのライヴ・テープも、一部トレーダー間で大阪公演が存在するほかは、全く知られていない状況でし た。その幻ともいえる来日の、そのまたレアな東京公演を捉えていたのがMiracle Manでした! 本作では来日2公演目に当たる10月29日の中野サンプラザ公演を、まるでライン音源のような、完全別格と言える極上オーディエンス・ソースで楽しめます!ジミーはRAINBOWで、ロバートソンはTHIN LIZZYで、それぞれアイドル的な人気を得ていたプレイヤー。そのためこの来日でも、オープニングから女性ファンの歓声が飛び交っているのが印象的です。しかし本ライヴでは、そのオープニングで機材トラブルが発生し、なかなかライヴが始まらないというハプニングが発生します。急なアクシデントをジミーが日本語を交えたMCで繋ぎ、ファンを和ませるこの場面から、本録音はウルトラクリアな音像で記録しています。その後ライヴは「Dealer」からスタート。トラブルで仕切り直した事もあり、大興奮の幕開け、とは行きませんでしたが、観客は落ち着いた場内でバンドの演奏にじっくりと耳を傾けています(ファンにバンドの楽曲が浸透しきっていなかった様子でもあります)。このため演奏中は余計な歓声や騒ぎ声が入らず、聴き手はダイレクト感に満ちた楽音を、目の前で聴くようなリアルさで追体験できます。セットリストは1stアルバムからほぼ全てと、2ndアルバムから先行演奏されたナンバー、さらに当時のライヴのみで演奏された楽曲が網羅され、バンドのベスト・アルバムをライヴで聴くような印象すらあります。ブルースをバックボーンに持つロバートソンと、キャッチーな曲からハードなロックまでソングライティングに定評があるジミーが組んだだけあって、楽曲はどれもブリティッシュの旨みあふれる良質なもの。心地よいグルーヴの「Woman」や 「Street Girl」、THIN LIZZY的な曲展開にポップなテイストを加味した「No Strings Attached」・「Criminal Tendencies」、さらにメロディアスで大らかな曲想の「Flyaway」などはどれも聴き応えがあります。アルバムでのテイクを知らない聴き手でも、RAINBOWのジミー,LIZZYのロバートソンの名前でピンと来る人には、文句無しに楽しめるでしょう。ジミーはベースだけでなく、メインでヴォーカルも担当しており、ライヴの全編で大活躍です。彼だけでなくロバートソンも「Blackmail」ではヴォーカルを披露。どこかフィル・ライノットを思わせる歌唱で、LIZZYのファンは思わずニヤリとしてしまうでしょう(後にジョン・サイクスもフィルのような歌唱になった事を思うと、非常に興味深いものがあります)。前半はやや静かだった観客もライヴが進むにつれて興奮していき、中盤の「Face Down」では大いに盛り上がっています。この「Face Down」や続く「The Rapist」などは、フィルが歌えばそのままTHIN LIZZYになりそうなロックナンバーで、聴き手もすんなりと楽しめるでしょう。セットリスト本編は「The Kid」で一旦締めくくられ、「I'll Give You Love」からはアンコールに突入。スピーディにアレンジされた「Going Down」、会場を巻き込んで楽しいムードを漂わせる「Saturday Night」まで、ライヴは聴き所の連続です!ライヴ音源の存在そのものがほとんど知られていないWILD HORSESで、来日公演の音源が、間違いなく極上といえる優良オーディエンス・サウンド登場するなど、一体誰が想像したでしょう か!? 本作はまさに'80年前後のロック・シーンの豊穣さを物語る実況録音。 Live at Sun Plaza, Tokyo, Japan 29th October 1980 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) (77:52) 1. Technical Trouble Announcement 2. Introduction 3. Dealer 4. Woman 5. No Strings Attached 6. Criminal Tendencies 7. The Stash 8. Flyaway 9. Street Girl 10. Blackmail 11. Face Down 12. The Rapist 13. New York City 14. Reservation 15. The Kid 16. I'll Give You Love 17. Going Down 18. Saturday Night Jimmy Bain - Bass, Vocals Brian Robertson - Guitar, Vocal John Lockton - Guitar Clive Edwards - Drums