今を去ること30年前に初めて東京ドームの舞台に立ったU2。人気絶頂の記念碑ステージを記録した絶品オリジナル録音がリリース決定です。そんな本作に収められているのは「1989年11月25日:東京ドーム公演」。その傑作オーディエンス録音です。当時は『THE JOSHUA TREE』『RATTLE AND HUM』の連続ヒットで人気は絶頂。当店でも数々の傑作ライヴアルバムでアーカイヴしております。まずは、当時の日程からショウのポジションを確かめておきましょう。・11月23日:横浜アリーナ 『WHEN LOVE COMES TO JAPAN』・11月25日:東京ドーム ←★本作★ ・11月26日:東京ドーム 『LOVE RESCUE ME』・11月28日:大阪城ホール・11月29日:大阪城ホール『OSAKA 1989 2ND NIGHT』・12月1日:大阪城ホール 『OSAKA 1989 FINAL NIGHT』 以上、関東3公演+大阪3公演の全6公演。本作は開場間もない東京ドーム……いえ、“ビッグエッグ”での初演でした。このショウは先日リリースされた超傑作『TOKYO DOME 1989 1ST NIGHT: MASTER』でもお馴染みですが、本作は完全別録音。実は、本作を記録したのも名手。実は、東京ドーム2日目の傑作『LOVE RESCUE ME』と「同じ録音家による初日編」なのです。実際、本作もまたドーム離れした名録音。大好評の『TOKYO DOME 1989 1ST NIGHT: MASTER』に比べると鳴りが厚めではありますが、それは本編がえらく輪郭がクッキリとしているからこそ。本作の演奏音も空気感を割って届く力強さがあり、ヴォーカルは歌詞の1語1語までキチンと聴き取れ、ドーム録音ではスポイルされがちなベースもしっかりとセパレート。鋭いアタック音もグルーヴを生み出すヴァイヴもタップリと楽しめるのです。本作はあの超傑作を凌駕するポイントもある。それはスペクタクル。遠く遠くに広がる大歓声の海がめちゃくちゃ広大で、そのうねりがボノの一挙手一投足に反応して蠢きまくる。誤解のないように念押ししますと、本作は大歓声にまみれて演奏が聴きづらい録音では(まったく!)ありません。骨太な演奏音と力強いボノの歌声がすべてを制圧している。しかし、そんなステージ音を下から炙るような群衆の熱狂もはっきりと感じ取れるのです。「Where The Streets Have No Name」でボノが「押忍、東京!」と叫ぶ瞬間の沸騰ぶりと言ったら……。そんなサウンドで描かれるのは、人気絶頂のU2。“LOVETOWN TOUR”と言えば、ダブリン公演が『LIVE FROM THE POINT DEPOT』として公式化されたこともありますので、比較しながらセットを整理してみましょう。THE UNFORGETTABLE FIRE(2曲)・MLK/Pride (In The Name Of Love) THE JOSHUA TREE(5曲)・Where The Streets Have No Name/I Still Haven't Found What I'm Looking For/Running To Stand Still・LIVE FROM THE POINT DEPOTで聴けない曲:With Or Without You/Bullet The Blue Sky RATTLE AND HUM(8曲) ・God Part II/Desire/All Along The Watchtower/All I Want Is You/Van Diemen's Land/Angel Of Harlem/When Love Comes To Town(★)/Love Rescue Me(★)その他(3曲)・I Will Follow『BOY』/40『WAR』・LIVE FROM THE POINT DEPOTで聴けない曲: People Get Ready(THE IMPRESSIONS)※注:「★」印はB.B.キングとの共演。……と、このようになっています。関東ではこの日だけだった「Running To Stand Still」やTHE IMPRESSIONSのカバー「People Get Ready」も美味しいところですが、さらに演奏自体もスペクタクル。U2と言えば独特な爽やかで広大な音づくりが特徴ですが、それがドームの空間を満たして一層巨大に迫る。全編で効果を感じられますが、例えば「With Or Without You」。シンセが美しい世界を紡ぐ中でえらくクッキリとしたベースが曲を進め、ボノの切々としたヴォーカルが絡んでいく。その世界の広さがメロディの高揚感をグイグイと引き上げ、全身を包み込んでくるのです。そして、そのメロディに胸を熱くした大歓声が波となってステージへと押し寄せていく……。オーディエンス録音はサウンドボードがないライヴを聴くための代用品と考えられてしまうこともありますが、そうではない。極上のオーディエンス録音はオフィシャルやサウンドボードでは決して味わえない現場の3次元感覚やスケール感を伝え、音楽そのものさえスケールアップさせてしまう。本作はその見本。U2の音楽自体がオーディエンス録音に似合うと証明する音の証拠品なのです。初の“ビッグエッグ”公演から30年。当時、昭和だった日本は平成を経て令和の時代へと歩み出した。そんなメモリアル・イヤーな2019年も終わろうとしている“今”を音楽でより深く、より芳醇に噛みしめたい。 Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 25th November 1989 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1(61:07) 1. Opening 2. Where The Streets Have No Name 3. I Will Follow 4. I Still Haven't Found What I'm Looking For 5. MLK 6. With Or Without You 7. God Part II 8. Desire 9. All Along The Watchtower 10. All I Want Is You 11. Van Diemen's Land 12. The Star Spangled Banner/Bullet The Blue Sky 13. Running To Stand Still 14. People Get Ready Disc 2(31:03) 1. Angel Of Harlem 2. When Love Comes To Town with B.B. King 3. Love Rescue Me with B.B. King 4. Pride (In The Name Of Love) 5. 40