サミー・ヘイガーを迎え、大名盤『5150』で栄光勝ち取った1986年のVAN HALEN。そのビッグな3連続公演を丸ごと収録したライヴセットが登場です。 本作に収録されているのは「1986年8月11日・12日・14日ウースター公演」。“ウースター・セントラム”でのショウは4公演連続でしたが、本作はその1-3公演目をフル収録した6枚組です。まずはいつも通り、ショウのポジションをツアーの全体像からイメージしてみましょう。・3月27日-5月31日:北米#1(47公演)・6月28日-9月1日:北米#2(40公演)←★ココ★・9月5日:MTV VIDEO AWARDS・9月27日-11月3日:北米#3(24公演) 以上、全112公演。“5150 TOUR”はいわゆるワールドツアーではなく、アメリカ・カナダ2ヵ国限定でした。本作のウースター公演は、その「北米#2」の27-29公演目にあたります。また、“5150 TOUR”の象徴と言えばオフィシャルの映像作品『LIVE WITHOUT A NET』もありますが、その2週間ほど前というポジションでもありました。そんなウースター3公演を収めた本作は、三者三様のオーディエンス録音。同じ録音家の作品というわけではなく、個性がそれぞれに違う。それぞれどんな個性なのか言うと…… 【ディスク1-2:8月11日(初日)】最初に登場するのは、いきなりの最高傑作。あの名門「KRW_CO」が最近になって発表した極上録音でして、大元アナログ・マスターからダイレクトにCD化された銘品なのです。そのサウンドは、極太にして端麗。熱狂もリアルに吸い込んだオーディエンス録音ではありますが、それさえもねじ伏せる楽音は実に逞しく、歪みも濁りもない鳴りが美しい。わずかに会場音響も刻まれてはいますが、その空気感が透き通っており、キャッチーなメロディを輝かせこそすれ、ディテールを隠さない。サウンドボードと同じくらい聴きやすいけれど、現場感は圧倒的に上。まさにオーディエンス録音の優等生なのです。 【ディスク3-4:8月12日(2日目)】続く2日目は、本作の中で一歩譲るマスター。詳しい録音ポジションは伝わっていませんが、やや距離が感じられ、細かなディテールまでは届かない。しかし、それは他2種があまりにも素晴らしいからこその話であって、やはり普通以上の録音であることに変わりはない。爆音・轟音の類では(決して!)なく、ノイズらしいノイズもない。距離があるとは言え、その空気感を突っ切って届く楽音や歌声も輝いています。そんな録音の旨みは、リアルなドキュメント感覚。バンドの顔をダイヤモンド・デイヴからレッド・ロッカーにチェンジし、音楽性も大幅に切り替えたVAN HALEN。むしろDLR BANDの方がかつての路線を引き継いでいたくらいですが、それほどの大変身にも関わらず猛烈な歓待と大熱狂を巻き起こしていた。この録音は、その人気の凄まじさが超リアルに感じられる。前述した通り、日本では味わえなかった“5150 TOUR”の現場、本場の温度を肌感覚で感じ取れるライヴアルバムなのです。 【ディスク5-6:8月14日(3日目)】最後の3日目は、初日(ディスク1-2)にも迫る高音質録音。特に名門発掘ではないものの、やはり大元マスター・カセットからダイレクトにデジタル化された究極ジェネがとてつもなく瑞々しい。何よりも素晴らしいのは、極めてオンなギターとヴォーカル。鳴りの端正さは初日に軍配が上がりますが、ライン録音っぽいド迫力とダイレクト感はこちらの方が上。エディのギターがすぐそばで唸りを上げ、若々しいサミーの歌声も耳元に感じられる。さらにはコーラスも素晴らしく、サミー/マイケル/エディの3声ハーモニーが脳内再生される……。オーディエンス録音は好みの差が激しいだけに、名門発掘の初日よりも好まれても何らおかしくない名録音なのです。こうした三者三様のクオリティで描かれるショウは、まさに本生100%にして拡張版の『LIVE WITHOUT A NET』。1公演だけでも抜粋版だったオフィシャル映像よりも遙かに長く、公式では聴けなかった「You Really Got Me」の開演シーン、必殺の「Dreams」、そしてこのツアーだけだったレア曲「Good Enough」も楽しめるのです。さらに3公演セットだからこそ楽しいのは、日替わりタイム。このツアーではアンコール冒頭で毎日違う曲をやっていたのですが、初日はサミーの古巣MONTROSEの「Make It Last」、2日目はブルースジャム、3日目はチップ・テイラーのレア・カバー「Wild Thing」を披露してくれるのです。2日目のブルースジャムにしてもかなり熱の入ったソロが聴けますし、どの公演も“この日だけ”のムードをたっぷりと感じられる美味しいコーナーなのです。サミー時代でも全盛を誇りながら日本では体験できなかった“5150 TOUR”。新時代の実力を証明せんとする熱演が轟き、かの大名盤の名曲もラッシュで押し寄せるゴージャスなショウ。それを丸ごと3公演タップリと味わえるビッグ・セットです。 The Centrum, Worcester, MA. USA 11th, 12th & 14th August 1986 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND Live at the Centrum, Worcester, MA. USA 11th August 1986 Disc 1(72:55) 1. Intro 2. You Really Goit Me 3. There's Only One Way To Rock 4. Summer Nights 5. Get Up 6. Drum Solo 7. Dreams 8. 5150 9. Bass Solo 10. Panama 11. Best Of Both Worlds Intro 12. Best Of Both Worlds Disc 2(66:22) 1. MC 2. Love Walks In 3. Good Enough 4. Guitar Solo 5. I Can't Drive 55 6. Ain't Talkin' 'Bout Love 7. Make It Last & Jam 8. Why Can't This Be Love 9. Rock And Roll Live at the Centrum, Worcester, MA. USA 12th August 1986 Disc 3(68:21) 1. Intro 2. You Really Got Me 3. There's Only One Way To Rock 4. Summer Nights 5. Get Up 6. Drum Solo 7. Dreams 8. 5150 9. Bass Solo 10. Panama 11. Best Of Both Worlds Intro 12. Best Of Both Worlds Disc 4(69:19) 1. MC 2. Love Walks In 3. Good Enough 4. Guitar Solo 5. I Can't Drive 55 6. Ain't Talkin' 'Bout Love 7. Blues Jam 8. Why Can't This Be Love 9. Rock And Roll Live at the Centrum, Worcester, MA. USA 14th August 1986 Disc 5(69:52) 1. Intro 2. You Really Got Me 3. There's Only One Way To Rock 4. Summer Nights 5. Get Up 6. Drum Solo 7. Dreams 8. 5150 9. Bass Solo 10. Panama 11. Best Of Both Worlds Intro 12. Best Of Both Worlds Disc 6(70:55) 1. MC 2. Love Walks In 3. Good Enough 4. Guitar Solo 5. I Can't Drive 55 6. Ain't Talkin' 'Bout Love 7. Wild Thing 8. Why Can't This Be Love 9. Rock And Roll Sammy Hagar - Vocal Eddie Van Halen - Guitar Michael Anthony - Bass Alex Van Halen - Drums